第5話 会話の話題は共通に
まだ料理できない?善子さん?早く。会話のネタがない。その後から気まずい空気のまま、料理が来るのを待つのかと思い憂鬱になっていく。とりあえず部屋を観察してみんことに。壁一面の本棚に小説や漫画などが丁寧に置かれた部屋を見て感づく。小宮さんギャルじゃないのでは?それなら心の中だけとはいえ失礼なことをした。反省しよう。部屋観察、再開。勉強机には参考書が丁寧に置いてある。それ以外は特になにもない。こんな部屋で何して過ごしてんの?あ、俺の部屋はもっとひどかったわ。必要最低限の家具しかない。
とりあえず部屋観察は終わってしまったからには会話を再開したい。高校が同じであることは知ってるからそこを起点にするしかない。てか、他なにが趣味かしらないし、へたに突いて地雷原に突っ込むのやだし。
「菜の花高校の受験勉強どうですか?」やっぱりこういう無難なのが一番。「とりあえず敬語やめて、どうせ同期になるだろうから。」言い終えてから「最終学歴が中学になってもタメ語で大丈夫!」と、励ましてくれる。待って、俺落ちると思われてるの?そんな馬鹿に見える?
いや、鏡みたら馬鹿が写ってるみたいなこと結構な頻度であるけどさ!「多分大丈夫だと思う。」俺としては高校落ちないという意味でいった筈が、向こうは違う意味で捉えたらしく可哀想な人を見る目で見つめてくる。心が痛い。心の痛みを感じていたらドアを優しく蹴る音が。料理を持ってきてくれたらしい。初めて会った人の部屋でご飯をもらって罪悪感はないのかって?ある、あるに決まっている。ただ、人は罪悪感を無視しなくてはいけないときもあるのさ。…正直に言うと匂いが美味しそうすぎて食べられなかったら泣きます。俺も料理するけどここまで美味しそうな匂いはさせられないな。
少し悔しさを感じつつドアを開ける。そこには、お盆を持った善子さんが。お盆の上には、とても美味しそうなから揚げとご飯が3膳ずつ。俺の分もあるよな、ここでお父さんの分が一つとかいったら泣くよ。そんな心配していると俺の前にから揚げとご飯が。心配いらなかったらしい、もらえた。ていうか、この小宮さん一家大丈夫か?警戒心なさすぎじゃない?俺がいえた口じゃないけど。
まあ、美味しであろうから揚げとご飯くれたからいいけど。食べてみた結論、やばい美味しすぎ。ご飯は柔らか過ぎず硬すぎずの微妙な水加減、丁寧に二度揚げされてカリカリで噛んだら肉汁がジュワーッとあふれ出してくる。空腹だったということを踏まえても今まで食べてにきた料理でトップクラスの料理だった。「とても、美味しかったです。」感想をいう。一般的すぎじゃないかって?うますぎて、語彙がどこかに飛んでいっちゃたんだよ。
善子さんが嬉しそうにしているからいんだよ!ついでに善子さんの横に座っている良子さんを見るとても嬉しそうだった。誇らし親を褒められて嬉しいように。誇れる親がいるって良いよな~と柄にもなくしみじみしていた。家族で思い出したけど弟の緑は元気かな?
夏休みに顔を出すて言ってたけど本気かな?だったらうれしいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます