第3話 ほぼ初対面の人との話題は難し過ぎる

「えーと、どうも。よろしくお願いします」目の前にはマンションの前、目の前をマンションだと教えてくれたギャル、もとい小宮良子さんが。そしてここは小宮さんの部屋である。この小宮というという名前をみて分かる通り小宮さんの娘さんらしい。

ここの流れで全く関係ない話だか玄関に出てくれた人は小宮善子さんというらしい。あの人、俺が名前を聞くまで名前をいってくれなかった。挨拶にきて自己紹介が後回しになっても、気づかないほど会話がうまかった。挨拶をわすれるのは会話がうまいのかという疑問は置いておく。

そもそも何でこんなことになっているのかというと玄関で偶然高校の話になって自分の娘と同じ志望校であるということから先に挨拶をしておこう、という流れになった。そこまではよかった。その流れになったら玄関に呼ぶのが一般的だと思う 俺の感性がずれてたりしなければ

しかし小宮善子さんは違う。家で昼御飯をくれるというのだ。しかしリビングは整理が行き届いていないためダメだということで、良子さんの部屋でということに。そこから、しばらく廊下で良子さんの説教を善子さんと一緒に聞き流してようやく昼御飯にありつける。そこで良子さんの部屋にお邪魔することに。

ここまでが冒頭までの流れである。

そして、新しい悩みは気まずい、やばい、どうしよう。こういうときて、なんか話した方がいいの?なら喜んで天気の話とか手紙の時候読み上げるげど

それでこの気まずさがどうにかなるなら。

よし行動しなきゃはじまらない。3月にふさわしい時候挨拶を完璧にこなしてやるぜ。

「春も浅い今日この頃におかれましても、お変わりなく過ごしているでしょうか?」そこまで言い終え良子さんをみるとまさに不審者を見る目でははありませんか。いや、たしかにほぼ初対面の人に お変わりなくとか言われてもやばいやつとしか思えないけどね。でもその目はひどすぎやありませんか。そのごみを見つめる目は。それとも何時候の挨拶を間違えた?あんま国語得意じゃないんだよね。時候の挨拶選んだのもそれっぽいからのみの理由だし

ただ、時候の挨拶が失敗した今残りの共通の話題は天気のみ。今日の天気は曇り、しかも雨は降らない可能性の方が高いやつ。これ以上ない会話のしにくさ。

「どっから、引っ越してきたの?」天気の話題をどう切り出すかで悩んでいると良子さんの方から話を振ってくれた。ここは、素直に乗っかろう。「本州から飛行機で。飛行機硬くて、狭かったです」ついでに飛行機の感想も。ふっと時計を見ると会話を開始してから3分ぐらいしかたってない。どう会話続ける?やばい気まずすぎ。

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