第43話、其のメイド……町田に行く

大和の町の冒険者組合と丸子屋に顔を出します。

私はいつものように受注とタコ焼き器を納めて必要なことを済ませ、みんなは道場に預けます。


新メンバーは大和先生が探してくれていました。

魔法剣士の奏君、補助魔法使いの沙織ちゃんです。


簡易鎧のフィッティングが終わった頃、大神さんが大君と一樹君を連れてやってきました。


「よし、メンバーもそろったことだし、明後日から実地訓練に入るぞ」


「実地訓練ですか?」


「ああ、ここから一時間ほど北東に行くと町田という宿がある。

そこは大江戸との境界になっており、訓練にはうってつけだ。

言っておくが、こちら側とは大違いだぞ。

魔物も強力だし、盗賊も多いからな」


「はい」


集結したメンバーは、攻撃に大五郎と大君と一樹君。魔法剣士の奏君。

魔法使いの長介さん。

補助魔法使いの沙織ちゃんと亜理紗さん。

回復役が深雪さん。


そうそうたるメンバーです。


攻撃役の3人にはチタンのフルアーマーを作り、ステンレス鋼の刀を持たせます。

後衛の四人には簡易鎧とスリングショットを装備してもらいます。

私は、動きやすいように簡易鎧と例の剣です。

大五郎は勇者の装備です。

少し大きいかと思った鎧と兜も、装着すると体に併せて変化しました。


「よし、準備はいいな」


「「「「はい!」」」」


大神さんと大和先生が引率です。


町田の宿の手前で追手の連中と遭遇しました。


「魔王の敵め、ここで片づけてくれるわ、かかれ!」


「連携を崩すなよ。

自分の役目をきっちりこなすんだ」


大和先生の指示が飛びます。


スリングショットを受けて、三人が膝をつきます。

長介さんは障壁を張り、私も超高速移動で迎え撃ち、四人の剣士は、きっちり一人ずつ切り伏せていきます。


補助魔法使いは、剣士四人の身体強化です。


こうして、30人の敵も10分足らずで片づけました。


「うむ、まずまずだな。

防具や剣の破損がないかチェックしろ。

不具合があるようならマルコに修理してもらうように」


「「「「はい」」」」



町田の宿では、エリア内での戦闘は禁止されています。

私たちはゆっくり昼食をとり、午後に備えます。


私はその間に冒険者組合を訪れ刀を売りさばきます。

例の追手が持っていたものです。

さあ、いよいよ大江戸の中に入ります。

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