第18話、そのメイド…オリジナル武器を作る
私はクマウマの攻撃をかいくぐり、足の腱をペティーナイフで切断。全力で首からナイフを突き入れます。
ドウッっと倒れるクマウマ…、なんとか生き延びたようです。
クマウマをマジックバッグに収納して、取り出したポーションを傷にふりかけます。
あくまでも応急処置で、血止めだけです。
その時になって、あの声の主を探しましたが見当たりませんでした。
もっと、攻撃手段を持たないと、この程度の魔物さえ倒せません。
ステンレスを調合して、レイピアを作りますがしっくりきません。
それでも、収納にしまっておきます。
あれこれ考え、フェンシングの剣ならどうだろうと思いつきました。
学生時代に少しだけ習ったことがあります。
確か、フェンシングの剣は、鉄の炭素を少なくして、コバルトとニッケルを混ぜることで、硬度と靭性をあげていたはずです。
早速調合してみました。
「こ、これなら行けるかも…
でもリーチが短いから、もう少し長いのを作ってみましょうか」
結局1m、1.5m、2mの三本を作って試してみることにします。
冒険者組合によって、クマウマの出現と退治を報告すると、受付のお姉さんが驚きました。
「クマウマは、常時討伐の対象です。
本来は乙種の依頼ですが、遭遇してしまった場合は臨時で処理させていただきます。
討伐証明できるものはありますか?」
「マジックバッグにそのまま入れてありますけど、ここで出してもいいですか?」
「では、裏の倉庫でお願いします。
全部買取でよろしいですか?」
「全部というと」
「クマウマは、肝と毛皮、肉、掌が依頼買取の対象です。
ほかにも、尻尾の毛や腱も商品価値がありますから、全部なら軽く金貨10枚にはなりますよ」
「じゃあ、道場で使う肉だけ残して、他はお願いします」
こうして、解体してもらう間に傷の治療もしてもらい、討伐と買取依頼の処理をお願いしました。
乙種の依頼5件完了ということで、丙級に昇級し、買取金も金貨10枚いただきました。
お肉も入手できたし、ちょっと痛かったけどいうことありません。
銀貨一枚で、銅の組合員証を発行してもらい道場に帰りました。
鶏モモ肉に小麦粉と片栗粉を混ぜた粉をつけて揚げていきます。
ジャガイモも同じです。
「なんですかこれ」
「鶏もも肉の唐揚げです。お芋もおいしいですよ」
サラダは昨日のマヨネーズでコールスローにしました。
ご飯と大根のお味噌汁で完成です。
「「「いっただきます」」」
「くわっ、旨い!」 「肉汁がじわっと…」 「ジャガイモのほくほく感が最高っす」
道場の食事が終わった後で、八百肉さんに行きます。
「なんですか、この旨さは!」
「ジャガイモの味がよくわかるわね」
「白いソースも絶品じゃないですか」
こうして、お店の商品として提供できないか検討が始まりました。
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