第14話、其のメイド…手紙を思い出す
ダンジョンの近くにはゴムの木がありました。
温泉もありますから、硫黄も取れます。
ゴムの樹液と硫黄を混ぜてタイヤを作ります。
ホイールはアルミにして、乳母車に装着。ついでに三輪車を作ります。
キーコキーコと大五郎も嬉しそうです。
毎日ダンジョンに通ううちに、大五郎もモンスターに怯えななりました。
こうして、大五郎は4歳になりました。
カマも自在に操れるようになってきたところで、思い出しました。
行く先を描いた紙がマジックバックに入れてあるといわれていたことを。
紙を確認すると、そこは隣町で、剣術の道場を訪ねろと書いてあります。
私たちは宿を引き払い、隣町に向かいます・
キーコキーコ
「す、すみませんが、坊ちゃんの乗り物を見せていただけませんか」
「ええ、どうぞ」
「う-む、この車輪の周りに張り付けてあるのは何でしょうか」
「ゴムと言って、弾力のある素材ですよ」
「これは、どこで手に入るのでしょう」
「多分、売ってないですよ。私が作りましたから」
「おお、素晴らしい!
できれば、製法を売っていただけませんか。
この乗り物と込みで…金貨50枚出しましょう」
「三輪車は予備があるからいいですけど、ゴムの方は植物を探さないと…」
「構いません。私どもは隣町で商会を営んでおりますので、その植物を見つけたら、そこへおいでいただければ結構です。
私、近江屋の定吉と申しますので」
「わかりました、戸塚の町でいいんですよね」
「はい、結構です。絶対ですよ、お願いしますね」
戸塚までの道のりで、5本のゴムの木を見つけたので、収納にしまっておく。
硫黄は取り置きがあるので、大丈夫だろう。
生麦の町から戸塚の町まで約20km。
7時間ほどで到着した。
まず、冒険者組合に立ち寄り、木札を見せて登録しておく。
次に道場を訪ねた。
カヅチ道場は町の中心部にあった、
「御免ください」
「はい」
「この紹介状を先生にお見せください」
「かしこまりました。少々お待ちください」
道場の中からは、バチン、バキッと竹刀で打ち合う音が聞こえる。
ドタドタドタ
「やっと来おったか」
「申し訳ございません」
「まあ、上がってくれ」
「お邪魔します」
道場主は武見一馬先生です。
道場の奥に通され、お茶をいただく。
「何があった」
「はい、この子が魔物を怖がるようになってしまいましたので、魔物を倒す訓練を…」
「スライムとかゴブリンなら倒せるよ!
こうやって、バキって」
「そうかそうか。
今日からはわしに任せるがよい。
お前さんも稽古に加わるんだな」
「はい、できましたら」
こうして、二人は剣術の修業を始めることになった。
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