第12話、其のメイド…金の刻印を得る
※10話が抜けていたので追加しました。ごめんなさいです。
その日は
旅籠というのは宿屋のことです。
部屋は畳敷きの六畳一間で、温泉もついています。
ただ、混浴なんですよね…
食堂で夕食を終えて、大五郎と温泉に入ります。
「あっ、大ちゃん」
「
体はクリーンできれいにしてありますから、そのまま湯船につかります。
子供たちはキャッキャ大はしゃぎです。
「ほう、刻印3種持ちとは珍しいな」
「あっ、大神様」
「火に水に風か、あとは金と大地が加われば万全だな」
「金と大地でございますか」
「金は金属の加工に使われる刻印で、戦闘には不向きだが岩から金属を取り出したり、好きな形に加工できる能力を授かる。
そして、四つの刻印の根本をなす大地の刻印があれば植物や大地を思うままに操ることが可能だ」
「あまりピンときませんが…」
「どれ、金の刻印を刻んでやろう」
「えっ、大神様は金の刻印をお持ちなんですか」
「俺は、一応すべて刻んであるが、元々の属性は金なのだよ。
だから、金だけは他者に与えることができるんだ。
どれ、胸をだしなさい」
「はい、お願いします」
こうして、胸に四つ目の刻印が刻まれました。
それから、大神様に金属の抽出・混合・加工・強化を教えていただきました。
アルミやチタンの知識を持った私ならば、いろいろなものが作れそうです。
翌朝、大神様とお別れして、私たちはダンジョンではなく河原に向かいます。
河原には様々な岩や石が転がっているし、上流に金鉱があれば砂金を入手することもできます。
最初に川底に手を付けて、金を抽出します。
ついで、アルミ・チタン・マグネシウム・銅・鉄。一日で大量の金属を得ることができました。
一旦旅籠に戻って、これらの合金を作ります。
超ジュラルミンは、アルミに対して銅4%、マグネシウム1.5%です。
次にステンレスです。鉄に対してクローム13%カーボン0.35%で刃物用のステンレスができます。
1mのジュラルミン製杖を作り、その先にステンレスの鎌をつけます。
手元の操作で刃を出し入れできる、仕込み杖式です。
乳母車も総ジュラルミン製にして、強度をあげ、スプリングで左右から槍が飛び出す仕掛けも施しました。
当然、シャッター付きです。
金は素材屋さんで金貨と交換してくれます。
さあ、準備ができましたので、いよいよ冒険者デビューです。
町の周辺で、手始めにスライム狩りです。
「いい、このボタンを押すと鎌が飛び出すから、これでスライムを叩くの」
最初は怖がっていた大五郎ですが、消滅するときのエフェクトや、ドロップ品の魔石がきれいなので、少しづつ慣れていきます。
時間はかかりそうですが、徐々に強い魔物にしていって、ビビり症を克服させなくてはなりません。
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