第8話、其のメイド…刺客と遭遇する

「陸の上だと、私が足手まといになりかねないから、ここでお別れよ」


「ありがとうございました」


アマンダさんに別れを告げ、マジックバッグから乳母車を出してルイージ様をのせます。


ガラガラガラガラ

BGMにシトシトピッチ〇ン♪とか流れてきそうないでたちです。

乳母車を押しているのはメイドですけど。


「涙隠して〇を切るぅ~♪」


すいません。中身男なものですから、時代劇とか好きだったんです。


「大五郎、ま〇~三つ♪

そうだ!偽名が必要だから、ルイージ様の名前は大五郎。

私のことはチャンと呼んでください」


「だい…ごろう?」


「そうです。

私が大五郎と言ったら、私のことをチャンと呼んでください。

練習しましょう。

大五郎」


「ちゃん」


「うん、いいですね

シトシトピッチ〇ン♪」


「しーとーぴっち〇ん♪」


「大五郎、お腹はすいてないですか」


「お腹すいた、ちゃん」


「あそこの茶店で何か食べましょう」


「ちゃーみーせ♪」


ガラガラガラ


「すいませーん、何か食べるものありますか?」


「串団子くらいしかないよ」


「じゃあ、団子二本とお茶を一杯ください」


「あいよ」


少しして皿に乗った団子が運ばれてきます。


「うっ、味がしない…」


「まずーい…」


「はい、お茶だよ。

馬鹿だね、そこの網に乗せて、横のたれをつけて軽く焙ってから食べとくれ」


「あっ、そうなんだ…

美味しーい」


「んまー」


「美味しかったです。

いくらですか?」


「銅貨三枚だよ」


「銅貨…、金貨しかないんですけど…」


「金貨なんて出されても、釣りがないよ」


「えっと、このヤシの実じゃダメですか」


「ああ、それでいいよ。

坊ちゃん、名前はなんていうんだい」


「だいごろー」


「なにっ」


ザザザザザッ 5人くらい人が出てきました


「なんだ、人相書きと違うではないか。

しかも、連れているのは女だ」


「御免、人違いでござった」


「はあ…」


ガラガラガラガラ

  ガラガラガラガラ


茶店から少し行ったところで、似たような乳母車押す男性とすれ違います。


「もし…」


「何か?」


「その男の子、名前は大五郎君ですか」


男性の左手が腰の刀に添えられました。


「い、いえ、下の茶店で間違えられましたので」


「そうか、迷惑をかけたな」


「それでも、行かれるのですか」


「冥府魔道の道を選んだからには…」


ガラガラガラガラ


シトシトピッチ〇ン シトピッチ〇ン♪

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