第7話焦り
デートが終わっても、もっと一緒に優香里といたい。
翼は、そう感じていた。
苦しい、胸が痛くて涙が出た。
3ヶ月後には無色の世界が待っているかと思うと苦しかった。
ずっと好きでずっと一緒にいたい人がいるのに…。
何も出来ない。
そんな時にスマホが鳴った。
優香里からだった。
「どうしたの?」
涙を拭って…。
「泣いてるの?」
「泣いてないよ。」
「嘘つき。わたしには分かるんだから。」
「俺…。3ヶ月でさよならなんて出来ないよ。」
「ごめん。わたしも。」
「泣いてるの?」
「泣いてる。」
「会いに行く。」
さっき会ったばかり小学生の時からずっと一緒。
なのに何て臆病者なんだろうか。
好きな人と手を繋いでずっと歩いて行く。
走って走った…。
優香里が泣きながら家から出てきた。
お互い涙でぐちゃぐちゃになって抱き合った。
おでこをすりあわして目を見つめ合った。
「どこにも行かないで。」
「行きたくない。ずっと翼と一緒にいたい。」
「どこにも行かないで!」
「でも、無理なの連れていけない。」
「何でだよ?」
「一人でいかなきゃいけないの?」
「それが運命だから。」
翼と優香里はキスをした。
一生分のキスするように。
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