二章 異能との出会い 2

現在時刻は午後2時40分。

お昼のニュースの話題は聞いたこともない既婚イケメン俳優と若手JKモデルとの不倫問題に対する謝罪会見の生中継に変わっていた。

……くだらないくだらない馬鹿馬鹿しい。

不倫など、自分が当事者になるまではただのよくある他人事だ。

昨日の俺こと〈奴〉がやらかした非現実的な何かの映像を見た後では、何もかも現実的過ぎてつまらない。

だが……俺はこの俳優に対して、ある一定の尊敬の念を抱いた。

この人なら信頼できると。

何故か。

それは現実的だからだ。

信頼性と面白味、この二つは現実的現象と非現実的現象との間において、相いれない概念なのだと、今ハッキリ理解した。

俺のような一切信頼のおけない非現実的な存在よりかは、不倫スキャンダル程度のよくある痴情の縺れ系のトラブルで頭を下げているゲス野郎の方が幾分もマシに見えてくる。

いっそ遺伝子レベルでタイムスリップして人生をやり直したい。

ここじゃない、非現実が具現化したような世界でRe:生活したい。

ライオンはパソコンなどの機材を片付けて席に着く。

そして再び、俺についての話が再開された。

「この映像の後何かが起こり、君と、もう一人の少女がこの病院に搬送されてきたんだ」

「えっ……」

嫌な予感がした。

死の1文字が脳裏をよぎった。

「その少女とは誰ですか?」

「少女Aだよ」

まさか、と思った。

「報道では、交番襲撃事件と合わせて死者が12名、重傷者は1名って言ってましたけど、彼女は死んだんですか?」

「松橋さん、言ってもいいかね?」

ライオンは何故か法務省の役人のお姉さんに確認を取る。

「はい。大丈夫です」

「では言おう。彼女は生きている」

「なっ……!?」

俺はてっきり、死亡という絶望の宣告をされるとばかり身構えていたのに。

何なんだ、予想を軽々と裏切っていくこの世界は!!

「ニュースの報道はフェイクだよ。君や彼女、そしてあの教室の子供達を守るためのね」

「報道を操作したんですか!?」

「必要であれば、日本でもこのくらいの情報操作はしますよ」

松橋さんが丁寧に答える。

「今回の事件でハッキリと死亡が確認されているのは、交番襲撃事件の際に警官が2名、襲撃犯が1名、そして君と磔の少女を日頃からいじめていたとされる主犯格の少年少女10名の内の8名、合計11名です」

「少年D君と磔の少女はどうなりましたか?」

「只今、神奈川県警で事情聴取中だと思われます。ですよね、赤塚さん?」

「えぇ!? すみませんが、他県の情報は確認しないと分かりません……」

「ではすぐに確認を。刑事部長にでも連絡してください。私が出ますので」

赤塚の兄さんの反応からして2人は初対面の筈なんだが、この姉ちゃん一切遠慮しない物言いだな。出来る女感が凄い。

「必要なら私も応対しよう。あの古狸とは個人的に付き合いがあるからな」

七瀬のおじさんも加勢するようだ。俺ならこの人とは電話したくないな……。

だって怖いもん。電話越しでもあの威圧感は伝わるよ。

「すぐに掛けます!!」

「ついでに私にも変わってくれたまえ。彼等も私が引き取るか預かるかした方が安全だろう」

ライオンはそう言って、カバンから手帳を取り出し、何かをメモしているようだった。

いや、それは良いとしてまだハッキリしていないことがある。

「すみませんが、話を戻してもよろしいでしょうか?」

「うん、言ってくれ」

「俺の診断結果の話ってどうなりました? やっぱり記憶喪失ですか?」

「あぁ、そうだった。最初に話題にしておいて後回しにしてしまってすまない。では、ここからは院長にバトンタッチしよう」

ライオンは立ち上がり、院長先生と場所を交代する。

「改めまして、当院の院長をしている園山です。これから君の診断結果について説明していくからね」

懇切丁寧にどうもありがとうございます。

この大人の中だと唯一まともそうな人だな。

唯一耳元から飛び出てるカツラの留め具が気になるけど……。

「君の今の状態を簡単に言ってしまえば、多重人格だ」

瞬間、世界が凍ったような冷たい感覚が、俺を襲った。

「「「「「「「「「「「……今何て?」」」」」」」」」」」

俺を含めた子供達8人と、黒瀬さんと、電話を掛ける為に病室の外に出ようとする赤塚の兄さん、そして青葉の兄さんの11人の声が重なった。

どうやら驚いたのは俺だけではなかったらしい。

「……今はアメリカの診断基準に従って、解離性同一性障害という名称が認知されるようになってきましたが、多重人格と言ったほうが一般的には分かりやすい……」

「多重人格……って、あれですか? ジギル博士とハイド氏とか、ビリー・ミリガンとか、ドラゴンボールに出てきた、くしゃみすると豹変するあの人みたいな……」

「まぁ大体は君の想像通りだよ」

「ちょっと待って下さい!! 彼は記憶喪失だったんじゃないんですか!?」

ライオンの娘が感情を露わにして吠えた。

長い髪の毛が浮くようにして大きく広がり、威嚇しているようにも見えた。

「初めははそうでした」

院長はライオンの娘の問いに返答するように話す。

「初めは……?」

「この病院に運ばれて2時間、既に心臓が停止し死亡判定されていた君は息を吹き返した。そこから君は意識を保ちながら驚異的な生命力で回復していったのだが謎が一つ、刺されたはずの傷はまるで何事もなかったかのように綺麗さっぱりと無くなっていたんだ」

「……なら今、俺の右下半身、特に右足が動かないのはどうしてですか?」

「それは虫垂炎の手術のせいだよ」

「虫垂炎?」

「そう。君が刺されたというのはまず事実……その際に刃が盲腸にまで達して傷つけたんだ。君の意識が戻る前に刺さったナイフは摘出されたが、意識が戻った後しばらくしてから、君は腹痛を訴えたんだ。検査の結果、すぐさま摘出手術が行われたというわけだ。すまないね」

「いえいえ、とんでもないです。それよりもさっきの、初めはそうでしたってのはどういう意味ですか?」

「言葉の通りです。君は当初、記憶喪失……これも正確に言えば、全生活史における逆行性健忘と診断されたんです。君は、運ばれてくる以前の過去の記憶について、一切思い出せないと言っていたんだよ。自分の名前はおろか、住所も、家族構成も、自分が小学生であることも、過去にどんな体験をしたかも、何も思い出せなかったみたいだ。ただ脳に異常は認められず、前向記憶や見当識といった、意識を取り戻してからの記憶や基本的な状況把握にも問題は無かったので、総じて記憶喪失と診断したんだ。だが……」

「君が多重人格ではないかと疑ったのは私だよ」

 ライオンが口を挟んできた。

 ならば聞かせてもらおうかな、その根拠を。

「君がなんとなく認識しているように、私と、そして子供達とは面識があるんだ。だが、私が病室を訪れ君と話した時、話し方がまるで別人だった」

 別人って……。

 それよりも、俺等がそれ程親交が深かったって事に驚きだわ。

「決定的だったのは君の一人称だ。僕から俺に変わっている。かつての君は滅多に自分の事を俺とは言わない。それに、君を記憶喪失としておくには頭が良過ぎるんだ」

 頭良いって本気で思ってんのか?

 その台詞はお世辞にしか聞こえないぞ?

「もし、君が複数の人格を保有していて、知識だけを共有しているんだとしたら、君の記憶に関する謎に対する全ての辻褄が合うんだよ」

 園山院長が説明を再開してきた。

「でも……でもですよ、一人称が変わってるといっても、そんなものは精神的な成長で自然と変わるものじゃありませんか? ドラゴンボールのトランクスが少年期と青年期で一人称が僕から俺に変わる、みたいな……」

「うん? おかしいな。以前の君も、物の例えで説法説くのが好きだったが、今の君もそうなのかい?」

「そんな……俺はあんな奴と性格似てたんですか?」

「ふふっ。そうだねぇ。私に対してはは猫被ってたんだねぇ」

 ……その苦笑いは俺に対する脅しですか?

 今後はこの人を怒らせないようにしないと。

 ……だが、困ったな。多重人格か……

「院長先生、聞いてもいいですか?」

「勿論。答えられることは答えるよ」

「多重人格と言いましたが、映像に映っていた俺と、今の俺、そして意識を取り戻した時の俺と、合わせて3つの人格があるんですか?」

「それは分からない。そもそも多重人格の症状は、主人格の他に別人格が2つ以上形成されるのが普通だ。つまりは3つ以上の人格が存在する。成人した女性の場合だと、幼い男の子の人格が現れるのも珍しくないと言われている。だから、君が今言った人格の他に多くの別人格を抱え込んでいるとしても、不思議ではないんだよ」

「その心配はないんじゃないかな?」

「兄さん、邪魔しないで」

「いやホントに心配ないと思うよ。映像に映ってたのは俺の知ってるジュンで間違いないし、病院に来てから現れたっていう別人格以外の未知の人格は、それ以前の過去には一度も現れてないよ。ずっと性格悪いあの人格だ――ゴフッ!?」

ユヤは見えない何かにどつかれて腹を押さえている。

「彼のことを悪く言うのは私が許さん。黙っててくれ」

「……私も殴り飛ばしたかった」

ユリちゃんとラナちゃんは結構バイオレンスな所があって怖いな……。

「いや、今のは良いヒントかもしれない」

院長はユヤの助言を考慮した自説を説き始めた。

「これは私の見立てですが、ジュン君は刺されたショックで別人格が形成されたのかもしれません。死傷する程の大きな怪我を負った際に、現実逃避するために多重人格を発症する例は極めて多いです。彼の場合、外傷などはすぐに治ってしまいましたが、それとは別に血液が30パーセント程失われていました。意識は完全に覚醒状態でしたが、失血性ショックの状態が長い時間続いていたんです」

なるほど。血か。

テレビを見ていた時のめまいも、やはり貧血からくる症状だったのか。

だが……だとしたら……。

「血が足りなかったのは、映像の中で血を剣にして戦ってたからですか?」

「いや、それだけじゃない。あの教室で、少女Aに輸血を施した為だろう」

「……輸血って、針とか管(くだ)とか、医療道具が無いとできないんじゃ?」

「方法はわからない。だが、少女Aの血中からは君の血液の成分が検出できた。つまり、献血は行われた。その結果……君は血を欠損し、少女Aは未だ昏睡状態だ」

「昏睡状態!?」

嘘だろ!?

映像だと大量に与えたら死ぬかもって俺もとい〈奴〉は言ってたけれど、マジでやりやがったのか!!

「驚くのも無理はない。輸血した当時の君は少女Aの血液型がO-(オーマイナス)であること、そして自分の血が適合することを理解していた。当時の君からしたら、これは大きな誤算だっただろうね」

「ちなみになんですが、俺の血液型はO-(オーマイナス)……ではないんですよね?」

俺の血液型……あの教室の中にO-(オーマイナス)の人間は、誰かが偽っていない限り、少女Aと磔だった少女の2人だけだ。

俺も偽っていた可能性はあるが、同じとするには、あの鮮血剣を作り出した事実を無視するわけにはいかない。

俺の血には何か特別な力があるに違いない……そう思った。

「その通り。君とエリーゼ姉妹の血は奇跡そのものだよ」

「え……何でお姫様達が出てくるんです?」

「だって、君に血液を提供してくれたのは彼女達なんだよ? 君の命の恩人だよ?」

マジか――――――――!?

姉姫様とリーティアちゃんが!?

「そうですよぉジュンさん。私達2人で、合わせて800ミリリットルもあげたんですよ?」

「私達の血は高いわよ、ジュン」

「すみません……出世払いでお願いします……」

「ふふっ、本当に面白い人ですね……♪」

ハハッと、笑うことしかできないが……何て嬉しいサプライズ!!

俺の体の中で、リーティアちゃんの血が生きている……めっちゃ興奮するんですけど!!

体どころか、遺伝子の設計図ごと取り込めるだなんて、なんという役得!! なんて恵まれているんだ!!

「君を含めた3人の血液型は、O型のRh(アールエイチ) null(ヌル)型……抗原を一切持たない血液だよ」

「それって凄い血なんですか?」

「凄いなんて表現じゃ全くもって足りないよ!!」

院長は急に立ち上がって声を荒らげる。

思わず「うわぁ」と声を出してしまった。

「あぁ……すまない。思わず興奮してしまったよ」

俺の血は医者が興奮する程の代物なのか。

「いいかい? 今、医療分野ではどんな血液型にも輸血できる万能血液の研究が進んでいる。

だが、それらを人工的に生み出すのは時間とコストが幾らあっても足りないんだ。理由は色々あるけれど、その多くは元となる万能細胞の作製が容易ではないからだ。それに対して君達の血液は天然の万能血液……この地球上に10人もいないと言われている希少種なんだ。金銭的にも学術的にも価値があることは、言わずもがなだよね」

「そのめちゃくちゃレアな血液型って、どこから生まれるんですか? 遺伝ですか?」

「ほとんどは遺伝によるものだが、ごく稀に突然変異として発現する例も報告されているよ。君の場合は両親がO-(オーマイナス)だから、突然変異体ということになるね。null型の血液種の中でもすべての血液にに輸血可能なO型だけは別格……血液型の頂点に位置する存在だよ。それがこの場に3人も揃うとは……歴史的瞬間だよ!!」

この人の興奮具合を見ていると、どこぞのマッドサイエンティストを思い出す。

気分は良くないな……。

「おっと、またまた興奮してしまった。やはり科学者としての生き方を捨てきれないようだ」

「……分かりました。俺と姫様達の血がとんでもない代物っていうのは十分過ぎる程理解出来ました。でもだったら、なんで少女Aは昏睡状態なんですか?」

「それは……全く分からないんだ」

「…………」

分からない、と言われても納得できる訳がない。

俺が命を懸けて守ろうとしたのなら、何故失敗したのか。

その理由が必ず存在するはずだ。

「黒さん。朗報っすよ」

いつの間にか病室の外にいた医者以外の大人達が戻ってきた。

「俺等、本日付けで警部補に昇進みたいです。加えて――」

「は!? どういうことだ? 刑事部長が言ってたのか?」

「特例中の特例措置だそうです。ついでに言うと、刑事課特別捜査室特別捜査官に内定だそうです」

そんなことあるのか?

昇格試験とか、そういうのを受ける必要があるんじゃないの?

「……なんだその部署? 聞いたこともないぞ?」

「ですから特例なんですって」

「私から説明しましょう」

松橋の姉さんがパソコンを片手に、図を見せながら説明を再開する。

「今後のお二人の職務内容の多くはこの子供達の護衛及び観察となります。そして、彼らに関係して起こった事件の捜査を行うのです」

「ちょっと待って下さい!! 自分達に子供達のお守りをしろと!?」

「けど事件の捜査が出来るなら良いじゃないですか。それに無条件昇格ですよ? 給料上がるなら俺は文句無いですよ!!」

黒瀬とは対照的に、赤塚は浮足立っている。

「……さらに、この件とは別に独立した捜査権が認められます。つまり、警視庁の別の部署どころか、他県の捜査にも出しゃばれるということですね」

「他人事のように言わないでください!!」

「他人事ですもの」

「黒さん、一緒に捜査しましょうよ。今回の事件ではまだ明らかになっていないことが多すぎます。少年A達の背景や、あの場で起こった出来事の全て、そしてファントムの正体を俺達で突き止めるんですよ!!」

「…………」

黒瀬は黙り込んでしまった。

それは先の見えない不安からか、それとも俺に対する不信感か、どちらにせよ怯えている目をしていたのは間違いない。

「……君等は知ることを選んだ。あの古狸いわく、拒否権は無いらしいぞ」

「……後戻りできないとは、こういうことですか」

「それに、これは大き過ぎるチャンスだ。うまくいけば、この件に関する手柄を全て2人占めにできるんだ。そして、捜査に役立つであろう強力過ぎる戦力が無料で付いてくる。恵まれすぎな待遇だよ」

七瀬は諭すように黒瀬に語り掛ける。

その姿は部活の後輩を可愛がる先輩、いや、気心の知れた従兄弟のやり取りに見える。

「ちょっと待ってもらっていいですか? 戦力っていうのは……この子達のことですか?」

「「その通りだよ」」

赤塚の質問に七瀬のおっさんとライオンはニッコリと笑みを浮かべてそう言った。

「「待って下さい」」

そこにライオンの娘と姉姫様が立ち塞がった。

何やら言いたいことがあるらしい。

二人は顔を見合わせるが、どうやら言いたいことは同じらしく、姉姫様がライオンの娘に話の席を譲った。

「失礼ながら、法務省と防衛省のお偉い様方が来られた理由について説明が無いようですが、それについては話して頂けないのですか?」

なんだかすごく怒ってるみたいだけど……。

俺を心配しての言葉なのかはいまいち判断ができないな。

「この場で全てをお話しすることはできません。ですが、表向きには彼と少女Aと呼称されている昏睡状態の少女の法律上の存在証明、すなわち戸籍に関する管理の為にやって参りました」

松橋の姉さんはライオンの娘の威嚇に物怖じせず、冷静に説明する。

「ジュン君と少年Aは昨日の事件で死亡したものとして処理します。そうすることで、世間の目から彼等を守り、保護するのです。特に、彼にはその必要があります」

「……当然でしょうね。自らの力を惜しげもなく世に披露してしまったのですから、それを狙ってやってくる無粋な輩も出てくるでしょう」

俺、ナチュラルに怒られてる?

いや怒られても俺は覚えてないし、覚えてたとしても俺じゃない別人格なわけで……。

なんかすげぇめんどくせえ。

俺からの主観的視点だと記憶喪失で、客観視点だと多重人格で……訳が分からないよ。

「今回、長谷川学長が自ら養子縁組に名乗りを挙げて下さり助かりました。下手をすれば、一生研究施設で非検体という事態もあり得ましたから――」

「「そんなことはさせませんわ」」

姫達が口を揃えて言う。

「「彼を捕らえて好き勝手しようものなら、私は世界がどうなっても構いませんよ?」」

確かにこの子達の眼があれば、簡単に人を殺せる筈だ……本気だな。

にしても双子とはいえ何故こうもセリフと喋るタイミングが一致するというのか。

本当は姉姫の方は未来から来た妹姫の異時間同位体で、2週目の世界に生きているとか?

いやいやいや有り得ないでしょ。

妹ちゃんが姉姫の心を読んで喋っているに違いない。

うん。きっとそうだ。

「まぁそれはともかくです。親御さんには既に了解を得ていますので、家庭裁判所と連携し、過去の経歴を抹消した上で、無戸籍児として就籍を行い、その存在を隠すという訳です」

「経歴抹消だってよ!? 凄いや!! エヴァの世界観みたいでカッコよ――げふっ!!」

「「「黙れ」」」

空気を読まないユヤに対して堪忍袋の緒が切れたらしく、ユカ、ユリ、ラナの3人がボコボコに踏みつけている。

いいなぁ、俺も踏まれたい……。

「えーゴホン。という訳で私は彼のお見舞いと、学長に契約書類の加筆と判子をお願いに来た次第です」

「では私も説明を。改めて、防衛省防衛研究所副所長の七瀬陸将補です。今回の事件を受けて、ジュン君を軍に引き入れたいと思いましてね」

その言葉を口にした瞬間、武闘派と姉妹姫、そしてライオンの娘からただならぬ殺気が放たれた。

武闘派2人は腰を低く拳を構え、残る3人は眼を赤く輝かせ、七瀬を睨みつけた。

七瀬は動じることなく、話を続けた。

「……今のは私個人の意思だ。考慮しないでくれ。正確には、彼が使った異能力とも呼ぶべき力の詳細を解明し、軍事利用できないか、あるいは力が暴走しないよう保護するという上からの命令で挨拶に来ただけの、ただの使いっパシリだよ。君等と敵対するつもりは毛頭、怒らせるつもりもなかったんだ。どうか許してほしい」

そう言って、並々ならぬ殺気をしまいきれていない彼女達に頭を下げる。

「彼の力を利用? あなた方は戦争がしたいのですか?」

「そこまで大袈裟な話ではない。あくまで自衛手段としての戦力の話をしているんだ」

「信用できませんね」

彼女達は全く信用していない様子で警戒していたが、最初に口火を切ったのはやはりと言うべきかあいつだった。

「……それは、ジュンだけに限った話じゃないんでしょ?」

武闘派2人のマークが外れ、妹と1対1の状況になったユヤが、ドルブルで突破してきた。

「俺等の力は軍にとってみればどれも魅力的なはずだよ。今まで隠せてきたのはライオンの努力の賜物だってわけだ。でもジュンがやらかしたお陰でその力が世間に露呈してしまった。だから抑止力として来たってことね。うん。嫌という程理解できたよ」

静まり返る病室。

この発言に対してユヤをドツく者も、咎める者も、誰一人存在しなかった。

俺は……昨日の俺は、あの教室の子供達だけでなく、こいつらまで危険に巻き込んだっていうのか?

俺は……何をしてしまったんだ……。

「君の言う通りだよ。だが、警察のお二人が警護に付いてくれるなら、当面の問題は何とかなりそうですな。私からは以上です」

「あの……そろそろ戦力についての話をお伺いしたいんですが」

赤塚はモジモジしながら子供達に問う。

「えぇ。いいですよ。ダメだと言っても、お父様は話すのでしょうし」

「そりゃあ話すに決まってるじゃないか。何よりその説明を必要としているのは、他ならぬジュン君だからね」

「えっ、俺ですか?」

飛び火したかのように突然話を振られた。

「そうだよ。君の力の正体、そして彼らの力の正体を……知っておく必要が、責任があるとは思わないかい?」

ライオンはニヤリと嫌な笑いを浮かべた。

俺がこの人の努力を無駄にしてしまったのだとしたら、従わない訳にはいかない。

せめてもの罪滅ぼしの方法を模索しなければ。

「はい……お願いします」

「では」

俺は緊張のあまり、唾を飲み込んだ。

「君等の力の根源たるもの……それは、第六感だよ!!」

ライオンは高らかにそう謳い上げた。

だがこの時、俺はいまいちピンときてはいなかった。

「第……六感? っていうのは要するに、ニュータイプ的なあれですか?」

またまた無駄に知識を含んだ例えで質問してしまった。

「君は本当に博識だねぇ。それともただのアニメオタクなのかな? でもニュータイプとは少し違うんだよ。君達の力はね……」

ライオンは腕組し、趣向を凝らしたかのような説明を始めた。

「君達の力は、自身の精神的境遇に基づいて後天的に発現した、異能力なんだよ」

「異能力……ですか?」

「そう、異能力。間違ってもニュータイプのような、あらゆる潜在能力を開花させ、他者と誤解なくわかりあえるようになる能力ではないのだよ」

「それは娘さん達の眼の力の事を言っているのですか?」

「それだけではないが、的は得ているねぇ。この際だから、君達から話してもらおうかな」

ライオンは娘に視線を送る。

それは話せという無言の圧力だった。

「……分かりました」

無言の圧力に屈したらしく、ライオンの娘は大人しくなった。

そして俺の元に歩み寄り、自身の身の上話を始めた。

「私の第六感は【殺気】よ。周囲から殺気とそれに似た悪感情を感じて読み取ったり、自分や相手の殺意を利用して攻撃や防御が出来るわ。私の眼は〈殺意の魔眼〉なんて呼ばれ方をしているけど、実際に命まで狩り取る程の力は無いわ」

「ちょっと待て。なら俺の意識を奪ったあれは何だったんだ? 確実に死んだと思ったぞ!!」

「あれは単に寝て起きただけの話よ。私にとっての死の概念は、睡眠にこそあるのよ」

寝て起きた? そんな単純な事では無い筈だ!! 

お前は寝ている俺に向かって涙を浮かべたのかよ!?

「私の話はもういいでしょ。気分が悪くなってきたわ……」

頭を押さえながら、フラフラと椅子に座るライオンの娘。

その姿はどこか苦しそうだった。

「では続いて私(わたくし)から」

姉姫様が立ち上がって俺に向かってくる。

「私の第六感は【狂気】ですわ。〈狂気の魔眼〉で相手に狂った思想を植え付けたり混乱させたり、記憶を覗いたり消したりなどの改ざんが出来ますわ。加えて、サイコパスと呼称されるような精神異常者や、元より狂った思想の持ち主に対しては、その思考の真意を読み解くことができる特攻能力付きの優れた能力ですのよ」

「なるほど。俺にいきなりキレた理由にやっと納得いったよ」

「勘違いしないでほしいのですけど、私自身は1ミリも狂ったりしていませんことよ?」

「嘘つけ」

「は?」

ヤバい。つい本音が出てしまった。

眼を赤らめて俺に向けてくる姉姫様。

しかし、その眼光は別の眼光により掻き消され、押さえ込まれた。

「やめて姉さん。他の人にも迷惑だから止めて」

よく出来た妹姫がまたもや助けてくれた。

マジで好きになってしまいそうだ……。

リーティアもまた、俺の元へ駆け寄り自身の能力を開示する。

「次は私です。私の第六感は【邪気】です。陽の能力と近いですが、邪気は定義が広い分、【殺気】と比べると感情探知能力は優れています。加えて邪悪な思想を植え付けることや、魔眼で人を魅了して僕にしたりも出来ます。ですが私はこの魔眼を姉と陽の喧嘩を諌める為に使うのがほとんどで、滅多に悪用はしませんよ」

「俺の感情を読んだのはその力なんですね」

「それもありますが、私は2人よりも特別なんです」

彼女はクスクスっと笑みをこぼした。

「私達3人は、表向きにはエンパスという精神病患者なんですよ」

「エンパス……って何ですか?」

聞いたこともない病名を耳にしたあまり、思わず身を乗り出してしまう。

「一言で言えば、共感する人です」

いや全く分からない。

「でしょうね」

早い。間髪入れずに回答が返ってきた。

「……また心を読んだの?」

「はい。『いや全く分からない』と思いましたよね? つまりはそういうことです。私を含めた姉と陽の3人は、その能力のせいで、感情に対して並外れた共感力を持っています。人の感情がまるで自分の感情のように感じてしまう……それがエンパスです」

「…………」

何も言えなかった。

彼女の目が笑っていなかったからだ。

それだけじゃない。

俺が、心を読める凄い力だと思っていた俺が、恥ずかしくてしょうがなかったのかもしれない。

「自身の保有する第六感の名を冠する感情に対しては特に敏感に感じ取ることが出来ます。そういう意味では、私の症状が一番酷いです。邪気だけに至らず、なんの意図もない思考まで読めてしまうことがあるんです。例えば……」

リーティアは俺の耳元に顔を近づけ、囁くようにこう言った。

「私の事……好きになってイイんですよ……?」

「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

胸の内に秘めた感情を的確に指摘されて思わず絶叫してしまう。

だが、その小悪魔的な声使いや体の揺らし方に対して、余計に惚れてしまったのも事実だ。

「ねぇ、あんた今何言ったの?」

「ふふっ。彼の記憶の断片ですよ」

姉は嘘だと言わんばかりに睨みつけるが、リーティアは気にも留めすに再び囁きかけてきた。

「私も……あなたが好きですよ。抱いて欲しいくらい、大好きですよ。あなたは私に対して、とても純粋で綺麗な心をしていますから……」

彼女はそう言って、ウィンクしながら俺の元を離れた。

今の一言で、恐怖と共にハッキリと理解した。

俺の今までの思考のほとんどは彼女に筒抜けだった。

俺が彼女に抱いた好感も好意も劣情も……何もかも聞かれていたのだ。

それと同時に、この場で敵に回してはいけない人間の序列は更新された。

下手したらこの場の人間全ての思考が彼女に筒抜けになっているとも考えられる。

俺にとってはライオンと同格かそれ以上か、この子供達の中でも一番魅力的で危険な能力かもしれない……。

「じゃあ、今度は俺達の番だね!!」

「兄さんは邪魔。私が説明する。2人ともお願い」

「「了解」」

ユリとラナがユヤの口を塞ぎ、ジャージのポケットから取り出したガムテープと紐で縛り上げる。

ユヤは抵抗するが、二人に勝てるはずもなく、一瞬の内に縛られてしまった。

赤塚の兄さんをはじめ、男達はその手際の良さに感服している様子だった。

てか警察、暴力行為を見て見ぬフリは良くないぞ?

「……私と兄さんの能力は【勇気】です。自分と、他の人に勇気を与えます……以上です」

「……それだけ?」

あっさりしすぎた説明に、全然納得できない。

確かにこの兄妹はどこか他の子達と比べると突出した何かを感じないが、第六感に数えられている時点で何か凄い秘密があるはずだ。

「……それだけと言われても……ユリやラナのように強くもありませんし……この中だと、一番普通の人間に近いと思いますよ」

「フゴゴゴゴゴゴ!!」

ユヤが何か言っているが、全く聞き取れない。

「もう……いいですか?」

「あ、はい。ありがとうございます」

ユカは何も言わずに兄の元へ戻り、背中を踏みつけていた2人と交代した。

「では、我々の番だな」

「やっと。出番」

今度は武闘派の2人か。

この子達は前の3人とは違うっぽい気がするんだよな。

眼の色は変わらないし、拳突き出してたし、何より剣道家みたいだし。

「私達の力は【闘気】だ。君と同じように例えを使って説明するなら、ドラゴンボールでいう、気のような類のものだ」

「えぇ!? 本当!? 気弾とか撃ち出せるの??」

これまた魅力的な力に興奮してしまう俺。

ユヤを吹き飛ばした技も然り、現実に使ってみたい技の中でも上位に位置するであろう力だ。興奮しない訳がない。

「いや、そんなバトルマンガ染みたことは出来ないよ。私達の力は攻撃の具現化と敵の動きに対する先読み能力だけだ。妖術染みた君の能力とは比べ物にならない程地味な能力だよ。強いて言えば、ムカつく奴を一方的に芝蹴るのは便利だな」

「そういうこと。例えば。ほら」

「ブフォォォ!!」

ラナは振り返って、離れた位置で寝転ぶユヤに向けて蹴りを放った。

するとユヤは実際に蹴られたかのような衝撃とともに転がり、悶え始めた。

「攻撃の具現化。分かった?」

「凄いじゃないですか!! 全然地味なんかじゃないですよ」

「ホント? 嬉しい……」

ラナは機械的な表情に自然な人間らしい笑みを浮かべた。

普通に可愛い。

「私達の事はこれでいいだろう。後は君だけだ」

そうだった。

忘れていたが、俺も第六感に該当する人間なんだった。

でも俺の能力って何なんだろ……。

「最後は私の出番だねぇ!!」

待ちかねたかのようにライオンが話を始める。

この人とユヤが喋ると嫌な予感しかしないんだよな……。

「君の第六感の能力……それは【鬼気】だよ!!」

「……きき?」

いまいち理解が追い付かない。

ききって何だ?

「分からないかい? 鬼気迫るの【鬼気】だよ。その名の通り、鬼神の如き強さを持つ君に対して、私が命名したんだが……今の君は気に入ってくれないのかい?」

「いえ、気に入るとかそういう話ではなくて、能力の詳細を……」

「詳細も何も、それだけだよ」

「……はい?」

なにかデジャヴを感じる。

「だがら、鬼神の如き強さだよ。以上」

「いや全く理解できないですって!! じゃああの映像の中で放った黒い雷は何なんですか?あの黒いオーラもサッカーボールも、血の片手剣も相手の動きを止めるあの技も、ファントムが使った黒い旋風を防いだカードも……加えて言えば、黒い旋風を生み出したあの技も使えるような口調だったじゃないですか!!」

「それが分からないんだよ……」

ライオンは諦めたように話し始める。

そして手帳をパラパラとめくり、何かを発見したようだ。

「5年前の夏、君が小学1年生の頃、喧嘩負けしない強さを求めて川内兄妹の亡き御父上から訓練を受けていたことは耳にしていた。だがその力はあくまで肉体的な話で合って、君が妖術のような力を使える理由については、私も知らなかったのだよ。ねぇ院長?」

「ですね。どうやってあれらの技を習得したのかは不明です。念のため、君の祖先が、過去に妖怪などの魔の類と交わっていないか、わかる範囲で調べましたがなんとも……」

「そもそも妖怪なんているんですか?」

「いないとは断言できないと思うよ。遺伝子情報に異物が混ざっていたら、分かるようにはなっているからねぇ」

「そうだねぇ。君が鬼の血を引いているんだとすると、そのせいだと理屈を付けて楽にもなれるんだけどね……小学生時代の君はを総評するなら、頭が良くて顔も良くてサッカーが上手なただのいじめられっ子だったからねぇ。君の強さの正体を解き明かすことは現状不可能なのだよ」

「そんな……そんな事って……」

「そこでぇ!!」

ライオンはそれまでの陰鬱な空気を払拭せんとばかりに勢いづけて喋った。

「「突然どうしたんですか、叔父様」」

姉妹姫をはじめ、子供達と大人達が一斉に注目する。

「君を私の養子として引き取り保護することで、君の記憶と人格、力の謎を解明すると同時に、各方面には此度の事件の真相究明を手伝うという協力的な姿勢を示せる!! お互いウィンウィンな関係を築こうと思い至った訳だよ!!」

あっはっは、と嬉しそうに笑いながらライオンはそう言った。

こいつは……俺を利用して自身の立場をより良いものにしたいらしい。

「学長、落ち着いてください。堂々と彼を利用することを宣言しないでください」

松橋の姉さんが鎮めに入る。

「おおっと、つい興奮してしまったよ」

落ち着きを取り戻したライオンは再び席に着く。

「ねぇ、パパ。一つ聞いてもいい?」

ライオンの娘が質問をしてきた。

「彼を引き取って養子にするということは……私にとっては弟という扱いになるの?」

「勿論だよ。君だって私が引き取った孤児だったんだから、姉弟として苗字も紫咲で統一した方が良いだろう? それに君、兄妹が欲しいって泣きついてきたことがあったじゃないか。この際だから丁度いいだろ?」

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

俺と、彼女の声がシンクロした。

こいつ……実の娘じゃなかったのか。

顔は母親譲りかなと勝手に納得していたのだが……どうしよう、孤児だったとは。

いやそれよりも……。

「こいつと姉弟とか最悪なんだけど!! こんな性格悪い奴と一緒だなんて!!」

腹の底から出てくる本音。こんな声も出せるのね。

てか酷いよ……。

本当の事らしいから言い返せないけれど、俺もあんたの性格の悪さは十分理解できてるんだからね?

「おい……それは彼への侮辱か? 今なら半殺しで許してやるぞ……」

そうこう言っている間に、ユリが怒りを露わに向かってくる。

「確かに性格は最悪だけど……今や別人よ。それにあんたが言えることじゃないでしょ?」

姉姫様も加わった。

「強ければ。性格は。問題ない……」

ラナまで拳を構えた。

完全に喧嘩慣れした人の型だった。

「彼をいじめるのは止めて頂けます? どうせなら、あなたの弟ではなく、私の弟にしてもいいんですよ?」

リーティアちゃん、お願いだから止めて下さい。

「この際だ。この場で誰が一番強いかを決めてもいいんだぞ?」

ユリはさらに挑発する。

その声に5人が一斉に力んだ次の瞬間……

「沈まれぇぇぇ!!」

ライオンの怒号に威圧された5人は足を竦ませその場に座り伏せた。

至近距離でその雄たけびを浴びた俺は、咄嗟の事に左手で片方の耳は塞いだが、もう片方の手は点滴の針と管に邪魔され、無防備にも広い室内に反響する音の衝撃を受けてしまった。

酷い耳鳴りがまだ耳の奥底に残っている。

「貴重な第六感保持者同士で潰し合うなど言語道断!! その力はこれからの日本の為、いや世界の為に役立ててもらわねばいかんのだ!! そして陽!! 今この瞬間から、お前は淳の姉だ!! 人生の先輩としてしっかり手本になるような振る舞いを心掛けるのだぞ!! よいな?」

「……分かりました」

ヒナタは了承するしかなかった。

大人達は目を閉じで耐え、しっかりと聞いていた。

 塚と青葉の兄さんは気絶してたが……。

「さぁ、こんなめでたい日なんだ。説教はこの辺にしておいて、そろそろ帰る準備をしよう。君達も寮まで送るから準備したまえ」

カバンを持って退出する意向を固めるライオンこと義父氏。

「また来るよ、淳君、今度は君が退院する日にね」

そう言って義父は病室を後にした。

「私達も行きましょうか。ずっと病室に居座るのも彼に悪いですし」

「ですね。……この2人は大丈夫か?」

「おい……起きろ赤塚!! ……駄目ですね。完全に伸びてます」

「こっちもダメだ。青葉君泡吹いちゃってるよ」

「このお二人はどこか似ていらっしゃいますね。可愛らしいというかなんというか」

「まぁ無理もない。学長の雄たけびは、初見では中々防げまい。その分、黒瀬さんの反応は素晴らしいものだった。ご子息もきっとお強い子なのでしょうな」

「いっその事、うちの馬鹿息子も自衛隊に入れてしごいてもらいましょうか?」

「うちの娘も生意気だからなぁ……まぁ親として軍隊入りは止めて欲しいところですな」

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