第2章 2007年 その1
「竹林浄土」
わが庵の樹々の移ろひしるくして 冬至となればあとは明るむ
夕日受けきらめきをりし
「降るもの」
けぶる雨あると見えぬにつと散らす 白珠よかく降るものを待つ
白き腹してふつくりと生きるのみ枯れ葉か鳥か 風無きに降る
けふのため小さき恵み降らしめよ 雪のひとひら小鳥の「ちゅるり」
「我の影」
ストリートさすらふ我の影落ちて ただ一尺の存在を踏む
なお残る最小限の欲と物 わが短髪のなほ知るを
六十路とふ恥を晒してなほ歌ふ 求めて得るは自虐か自慰か
生きる意味問うまじむしろ かく為すと自ら定む さようにてござ
黄砂浴びおぼろとなりし満月を浮かべし空に異星人ひとり
「至上命令」
わが産みし命三つをいかにせむ 至上命令従ひにしが
ヒト群れて生き残りかけ競ひ合ひ迷走しつつ 謎へと迫る
梅香る 歌唱は響かふ 四肢伸べて困難の風は 脳の喜び ==次男は音楽の虫
プレーヤーの棚の写真の花園に若き二人の秘密の暮らし ==次男夫婦のこと
合間見て歌声浴びんと
アイディアを思ひつきまた見失ふ さもあれ次のより良きを待つ
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