第4章 2021令和三年 黙示録 その6 8月 病院暮らし
大病院むきのJBと 何がどうなっても有難うござんすと言えるか錐子オババ
2021-08-10
錐子オババにとって自立と自由の試金石のような、息抜きそのもののようなドレスデン物の背後で、ひそかに動いていたJBのミュンヒハウゼン症候群(=詐病病)は、
骨粗鬆症による腰痛のみを例外として、例の如く痛みのない症状を積み重ねてきた。この見方は、JBを仇敵視していたドーラが展開していたもの、今は夫婦ともこの案を笑い話として受け入れている、ふりをしている。
今回は頻脈で入院後、次第に生気が失われまだらぼけが進行する気配となった。
木曜日(8/5)これを確認、
金曜日(8/6)は朝イチでかなり普通そうな電話が一度あったが、
列車不如意のため出かけられずにいるうちにまた不通となる。
はとこのヴィータに連絡するが、彼女も痴呆でDVな母親の介護でほとんどダウン状態。
土曜日(8/7)列車が正常となり、
着替えのズボンと共に症状を確認するため出かける。
するとおむつのままのJBが現に大小の用を足していることを告げた。
若い看護師が見事な訓練の成果を発揮、たくさんの紙とゴム手袋などを使用してきれいにしてくれた。
スマホの充電や使い方、ナースコールとベッド操作機、首に下げているホルターの区別がつかずホルターを押して看護師を呼ぼうとする。
全てを何度説明しても理解しない。
1時間ですっかり疲れた、嫌になった。
これじゃたまらないとオババは感じた。ヴィータが自分が気が狂うと言うはずだ。
おまけに食べたものを盛大に吐いてしまった。
看護師が任せてというので、時間制限もあり錐子オババは逃げ出すことに成功した。
夜には、かかってきた電話には看護師がまず出て次にJBが喋った。しかし何の用事なのか要領を得ないまま切れた。
日曜日(8/8)朝8時前に固定電話が鳴った。
大学病院の医者だという、錐子オババは月曜日に自分の不整脈の予約があるのでその関係の電話だと思った。
しかし
「彼が今朝、余りに目覚めが悪いので頭のCTを撮ったところ出血がわかったので今から手術します。後でまた連絡します」だと!!
最近は、何事も決心するまでのグズグズが長い錐子オババだが、
今回は月曜日10時からの自分の予約と連動させるというのが決め手になった。
歯ブラシと薬を追加した鞄を斜め掛けした。
ここから、数年前にも経験した病院内行脚が始まる、今回は大規模になった、建物がいくつもあるので。
まずとりあえず、入院先の605棟心臓内科4Cに行く、もちろんICU2Cに行くように言われる。そこに行くとそんな人はいません、2Bに行きなさい。そこに行くと2Aに行きなさい。
そこに行くと505棟脳神経外科に行きなさいと、ドア口の電話が言う。
その棟は割と近くだったが、その200メートルばかりの距離が楽々歩けないのだ。以前の経験ではジプシーのように荷物を車椅子に積んで彷徨ったものだ。その頃は大きな建物内だったが。
*まず505の受付:
名前と誕生日で検索、「いません。605の4Cですよ、ほら」
納得しない錐子オババに受付が次第に熱を帯びてくる。
マスクとついたて越し、プラス難聴なのでオババが聞き返すごとに彼女がイライラを示し始める。
*605に戻り、受付:「505のICUです!」
*505に戻り、また交渉:「誕生日もう一度言ってください、、、ここじゃないと出てます!」
*すごすごと当てもなく2つの建物の中庭に出て、しかし歩く気力がないのでそこらのベンチに座る。
*すると受付の彼女が出てきて、錐子オババを見つけるとこちらへ、という合図をした。
「2Bに行って尋ねて」「ここの?」
「手術科じゃなくて、集中治療、という矢印よ、2Bの」「ここの?」
「もう! ここが505よ!」「どっちの方向?」
やたらと広い広間のかすかに右寄りの方を指差す。
目立つ指示は何も見えないが、ありがとうも言う気が失せてぼんやりと歩き出す。
*2と言うから3階だな、(階層の数え方が違うので日本人には不利である)
そして何とそこにJBが見つかったのである。
額の左右に穴があるらしく両方から管が伸びているのは、ちょっとカミキリムシのような昆虫を思わせた。血が管の中に見える、その先には袋があって血が少し溜まっている。
若い女医が説明してくれた。
心臓の動きが常人の30%と弱いので鬱血した塊が心臓の中に形成されている、それが梗塞を起こす元となりがちなので溶かすために、抗凝固剤を強くしてあった、この半年余り。
薄まりすぎた血液が漏れて脳内の皮下(皮質が茶色になっていた?)に溜まっていたのでこの手術になった。
そしてJBは普通に喋っている。言うこともこれまでの嫌味が戻っている。
錐子オババにはさして嬉しくないことだが、低能児よりは扱いやすい。
こんな場合でも見舞い1時間の原則は幸いにも厳しく、追い出されてみて、
さて、とまた外のベンチに座った。
どうしよう。
確か、患者の家族宿泊施設があった。そのチラシを505の受付がくれた。
*電話すると「この番号は使われてません」。
カソリックの施設らしいがコロナ下では閉鎖している可能性が高い。
*駅まで戻り、あたりを歩く。中東系の若い外国人が屯しているあたりだ、足を引きずりヨロヨロしながら一回りして、表通りの三つ星ホテルがきれいそうだし、若者が寄り付いていなかった。
*若いきれい目の娘が愛想よく69ユーロです、朝食10ユーロ。問題なく受け入れられそうだった。パスポートを見せると「ああ、やはり日本人」と笑う、「私のママも日本人、ママ以外の日本人には初めて会うわ」
全く笑わせる。
こんなところでこんな偶然。
*高いだけあって良い部屋だった、不思議なくらい静かだ。寝転んでよく聞こえないテレビを眺めていた。備えてあったピーナツを2袋食べた、薬も食事も抜きだ。明日の自身の予約にも朝抜きで行こう。こんなに元気な心臓じゃ診察されても意味ないし。
8月9日月曜日の朝日が差してきた。
*バスで大学医学部を目指すが、これまで成功していたのに違うバスだった、大学で降りたが違う学部らしかった。
朝から一駅歩く羽目になって、心臓にはいい負担だ、これで発作が起こるかもと思ったが全く平気、強靭だった。
*問題なく、患者として手厚く遇され、EKGを2度も撮られた。
ここでも若い女医が早口ながらうまく喋ってくれてよかった。
要するに、彼らは錐子オババに遺伝的心臓異常を疑っていてそれで手厚い対応なのだ。
お願いしていないのにすでに予約2回目が追加されていて、それがこの週の金曜日だ。
心臓が縮んでのち元に戻るための周期が長すぎる、という。
そう言えば昔そう聞いたことがあるとオババは思いだす。自分にも母親にも。
(母さん、同じ診断を受けるまで何度も気を失っていたなー)
医師はオババの母親が流産した5人にも興味を示した。
遺伝検査や研究協力、保険関係、手術の方法と成功確率など図つきの説明に、ついでに3回目の予約も予定された。
(これじゃあたしも立派な病人だわねー 心臓ピンピンだけど)
ピンピン、と改めて言うのは、
その後カフェでおいしい鶏肉を食べた後、薬を飲んだせいか、
重労働をしたにもかかわらず、ピンピンと言う意味である。
*重労働とは:
元々の605の4Cで荷物全部を受け取り、例の中庭で鉄のベンチに座って待つこと2時間、その前後の両手にぶら下げての道中は、腰の骨と骨が潰れ合うような感じがした。
*この荷物を渡された時、そこの看護師ではない介護人のような親切な女性が、ナニ人ですかと聞いてくる。
「日本人よ」「ああ!」
「!?」「私の夫がベトナム人なのです」(なんじゃ!)
*これで荷物運びもうまく行きそうな段取りだが、事実はさにあらず、
もう一つの手順を踏まねばならなかった。
時間を遡って、おいしい鶏のソテーの食事の後、
この荷物の件で、昨日はJBが存在していた505脳神経外科ICUに電話してみた。
ひょっとして荷物が何らかの理由ですでにそこに届けられていないかなと思ったからであったが、
意外にも、「患者は505の2Bに移されました(ICUではないと言う意味)」とのこと。
*これを聞いて、またもやどこかわからないところを探しつつ、重い荷物を運んでいくのがより難儀に思われたのであった。
*果たして、505棟2Bの特別管理室に、機械に繋がれたままやっとまたJBがいた。まだ昆虫のような様子だ。
*錐子オババは疲れ果て荷物を床に放り出した。
「あたし、あんたからどうもありがとう、と言われる必要があるのよね」
「ありがとう」
このやりとりがもう一度後で繰り返された。
*夕方、帰宅した錐子オババが自室の壊れかけた空気ベッドで伸びていると、JBが自ら電話してきた。505の3Bに移された、と。
*そのうち結局はまた、心臓内科の古巣605にもどされるのだろう。
JBは大病院むきの患者である。そして錐子オババは、何がどうなっても、自分が死んでもドスコイ!神さん、と笑っているつもりの能天気者であった。
*****
0308 涯しなき宇宙のなくば生命の材料あらず 工場なれば
希少なる粒子を包む超大の 空(くう)の摂理をコスモスと言ふ
0708 純金のおりん作らば重かろう 絶えて聞かざる美音なるらむ
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麗しのライン川 脳内の1ミリの違い
2021-08-17
「火曜日(8月10日 )にマインツに一泊した次第をできるだけわかりやすく書いたつもりだったけど、どうもそうでもなかったみたいねー」
と錐子オババは 理由もなく痒い頭を 血の色に染めた爪でポリポリと掻いた。
マニュキュアと行為が一致しないこと甚だしい。
その後の次第を これからまとめようとしているのは、神さんは疾うにおわかりのはずだから、要するに結局は錐子オババの頭を整理するためのサービス心からである。(かく言う書き手のわたくしはさて誰でしょうねー)
水曜日(8・11 )
まず駅前の健康用品屋で、
整形医処方の靴中敷を取りに行きそれからリハビリへ、と考えていたら、
閉まっている。
そのうち誰か帰ってくるだろうと待っていたら、
暑い日なのでアイスを舐めながら女の子が来た。
錐子オババがドアの前に立っていず、影に避難していたせいだろうが、
彼女はさっさと店に入り、しかし鍵をかけてしまった。
ノックするとガラス越しに閉店、と言う動きをする、
こちらもあり得ないでしょ、と言う動きをする。
少しドアを開けると貼ってある紙を指差して すみませんけど、
と相手は薄笑いした。
水曜日は12時半まで、と紙片が追加的に貼り付けてあったのを、
オババはいつもよくやる見逃し行為をしてしまっていたのだ。
この件の経過:
翌日は首尾良く行って30ユーロ払った。健保が残り100ユーロくらいを担当するとか。
心臓内科の古巣4Cの看護師から電話が来て、大金がどうのこうのと言う。
この件の推移:
翌日、4Bに行かされてJBの腹巻バッグ内の大金とパスなどを仰々しく数えたり署名したりして、オババの責任下にそれらが移転された。
看護師はほっとした様子。
現金主義のJBだがそのせいばかりではなく、
昨今の銀行では利子がつくどころか、逆に保管料を要求されるようになったこととも関連している。
木曜日(8・12 )いよいよホテル2泊の始まり。なぜまたホテルかと言うと、
13日には錐子オババの超音波検査7時15分と
14日にはJBの(今度こそはダメかと言う気配だったのにあろうことか)誕生日のためにケーキを渡すというプランになったからである。
超音波検査の件金曜日(8・13):
ライン川に朝日が登るところをビデオ撮影してのち、
タクシーで7時15分前に大学病院に到着、毎回コロナ情報を書かされる。
401棟にいくと閉まっている、
もう一度手紙をみるとなんと7時50分と書いてある。また見逃し行為だった。
検査は普通。医者の手紙がホームドクターと本人にのちに届く。
ケーキの件土曜日(8・14):
さて、どう言う理由からかケーキ屋がない、パン屋はたくさんある。
思いついた、スーパーで冷凍ケーキを買えばちょうどいい。
見舞い許可時刻14時を見計らないながら木陰で待つ。うまく行った。
今回のホテルはネットで予約する。前回より安め。
ライン川の近くで見学物がありそうなところ。
この件:
失敗。遊覧船に乗る勇気と体力なし。
教会と選帝侯居城はコロナで閉まっている。
写真のみは撮った。富が集中した昔の建物はそれなりに美しい。
このホテルへたどり着くのにも実に苦労した。
初めての時は駅からとうとう徒歩で通した。
暑くて途中で子供のようにアイス棒を買った。
最初のホテルで味を占めたので、わざわざ買って持って行ったピーナツをまた夕食とした。
この件の成り行き:路線バスは動いているようだった。
その翌日金曜日(8・13)はなんとかホテルまでのバスを見つけようと大変な努力をしたが、
バス停がいくつかに分かれていたり、
行き先名を全く知らなかったり、
通行の左右が日本と逆なので混乱したり、
通りの名称が結構不明な場所も多く、
バス会社のサイトも参照するが、最終的に諦めた。
駅までは行けたのでホテルまでタクシーを使った。7ユーロくらいだった。
近いことは前日でわかっていたが歩く力がなかった。
今回の夕食はサンドイッチドイツ風。
しかし卵に塩がふってなかった、またもや塩害だ!
もちろん、見舞い以外は暇なので観光も組み合わせた。
どこでも老人が多い、かなりヨボヨボでも。
彼らはちょっと歩いてはあちこちで腰を下ろして休んでいる、休暇旅行と言っても色々なのだろう。
錐子オババは、超音波検査の後を楽しんで腰を下ろしている。
マインツもかなり古い重要な街であったようだ。
歴史的にはグーテンベルクという人類の文化への影響大な存在がある。
そこでそのミュージアムへ。
ラテン語の印刷物と当時の機械がこれでもかと並んでいるのをペラペラと眺める。彼の功績は認めるオババであったが。
外に出ると驚いた。有名なドーム広場いっぱいに市が立っていた。
そこに並べられている果物の立派なこと美しいこと、これぞヨーロッパ。
花束もikebanaとはまた違う立派さである。
ここで朝食と洒落る錐子オババ、まるで普通の人みたいだった。
ホテル滞在の華はライン川。
6階の窓から初めてライン川をすぐそこに見た時、思わず歓声がでた。
水を満々と湛えている。滔々とながれている。
空と丘陵と樹々と塔と水と。夕焼けと。
翌朝は朝日をビデオに撮った。
地球はかなりのスピードで自転してる、
よく落ちないものだ。
最後の朝、7時過ぎ外に出た。
100メートルくらい先に広い階段があり、
水が寄せてくる。
人々が夜中に屯して楽しんだ後を掃除するおじさん達がいる。
お仕事ありがとう、とオババは心より述べた。
それから懸案の、楽しみのホテル朝食に移った。
7階から300度近い眺めだ。
コンチネンタルの普通の朝食を摂りながら
和食の朝食を思い描いていた。どちらも好きです。
帰宅すると、JBの悪徳が待ち構えていた。何が入っているのか知りたくもないがまた郵便が来たらしい。ただし受け取りに来るようにと書いてある。受取人のサインが必要だと。ふざけて、と錐子オババは本心から罵った。どこまで迷惑かける気やねん、もううんざり、立派な離婚原因だワ。何故こんな馬鹿げたことを止めてくれないんだろう。来週には退院かもと言われている、実にうまく危険を回避したらしい、脳神経外科医も驚くほどの。
月曜日(8・16)
夜の11時になろうとするところ。
何一つ書くこともない日となるかと思っていたら、
最近神さん、何も言ってくれないなあと不満に思っていたら、
昨日と今日のある時 確実な願い(神さんへの)として
「長くなく苦しみなく尊厳を保ち、敬愛に値するように、JBが今生の仕事から解放されるようそれがあたしの願いですのでそのうちよしなに」
とこんな風に確認したりはしていたものの、
それにしても何となく物足りない、不足感を感じていたら、
不意に
「もうすでに離婚しているでしょ」と来た。
昨今JBの悪徳止まず、
どうしてやろう、悪巧みなどめぐらせて、十分に嫌な気分でいた。
悪徳の嫌な影響を受けることに心底疲れていた。
その聖霊的な対処が、これであるらしい。
アイアイ承知いたしてござんす。
これほど 腑に落ちたことは かってない。
こんな表現には初めて出会った。せいぜい家政婦だとかは言ったが。
生きる必要のために同居しているだけである。
あたしはもう彼の悪徳とは関係ないのだ。
待機している家政婦。
「条件つきの愛」はありませんが、
「無条件の愛の行為」は行っておりますよ。
「見返り欲求付きの何らかの情」は要りませんから、そんなもの消してくらはい。
ありえない。有難い、このなんとなく書き始めたことが!
つまり、JBの悪徳に振り回されない、影響を受けない、無視する、
見えなくなればいいのだけど。
さあ、何が来る? 神さん?
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1608 花便り電子の波に乗りて着く 無二なる一つ朝露に咲く
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やっぱりね、どの談義も思考停止となるの巻
2021-08-26
0824火曜日
少なくとも少しは確かに思えることから。
(あたしの仮の定義によるとですけどね、)人間我々が見て体験している世界、
それは物質粒子に光が当たって反射して見えており、
逆に影も生じて死角になってもいるし、
また別途 神経網を電磁波が脳まで伝わってイメージが生じているし、
などにより構築されていて
それをあると感じている「幻像世界」なのだが、
そこにこそ愛と光という帰依と信仰が必要とされている。
人間のなす安寧への祈りはこの幻像世界平穏への祈りである。
もう一つ重要なのは、(人類の考案したユダヤ教、キリスト教の旧約聖書によるとですけどね、)
万物の長、などと自画自賛して自然を管理支配搾取する権利をもらったり?
エデンの園で全てお世話されて問題なく暮らしていたのに
蛇あるいは堕天使ルシファーにそそのかされて、
命の木の実、知恵の実、自意識の実、自由意志の実を食べたり、
その後善悪二つの道を変わらず生きてきたり、の人類の
その自由意志ってどこでどう発揮されているのだろう?
昨今の科学機器の示すところによると、
意志は本人が意識するもっと前にすでに脳内で目覚めて動き出している。
大体、その他の欲求や感情がそもそも、
遠くは遺伝子により、
そのうち脳内ホルモンにより生成コントロールされている、
我々は生体ロボットみたいなものだ。
(これはあたしに突然降って湧いたものなので真理である可能性が高いのですが、)ただ一つ有効に自由決定で意志を発揮できる機会が一つある。
(そのためには定義に基づいた信仰がまた必要なのですけど、)
幻像世界を暗くしているのは、光の影ではない、
影は本来すぐに薄まり克服されるはずのものだが、
ただ人類の不安感情でもって
(これは幻像人間の生き抜くために持つべきでものでありながら
そのゆえに過剰になりがちなものであるので、)
いわゆる不幸不運へと絡め取られ、
強く反応してしまうために本人はすでに死んでいても
地上に負の想念として残って、似たものが固まってしまうと考えられる。
それが万物に影響を与え、
たとえば自然災害やパンデミーという大きな不幸にしてしまう。
そうならないように防ぐのが人類の仕事であった。
人為的な、協力精神による以外に、聖霊的な仕事でもある。
それをなすことは人類の意志による。
ここに意図的に働かすべき自由意志が必要とされる。
あるパーセントの人類がその仕事をすれば済む。(ちょっと我田引水になりますけど、あたしの考案した有志による地球を救う瞑想ってのもその意思によるものでございますよ。ただそれを「人類に唯一可能な自由意志」という風にはこれまで思いついていませんでしたけどもね。)
(これほど地球に迫害や蛮行が蔓延り、疫病や自然災害も格段になってくると、あたしもこれじゃ悪魔がいて、神様が手を焼いているということも考えてみようという気になったんでございます。失楽園という原罪を持つのが人類とされているわけですから、さしたる善と愛と平和への信仰もないわけですから、むしろ善人でいる理由が失われる。せいぜい地獄が待っているという脅しくらい。自分をコントロールできるものならとっくにしてるでしょう。せめて我が子への無償の愛があるとしても、それすらも怪しいですけどね、子育てというのがまた繊細極まりないものですから失敗するわけですよ。特に母親自身が不幸だったりすると最悪です。これがしかしどうも現状のようです、生まれて失敗、という状況が95%の人類の感想でしょう。)
(でもあたしはこれを受け入れたくない、神様は1000%善でそれしか存在しない、そうでなくては生きて苦労する意味がない、人類が世界を良いものにできるという夢はほとんど失敗ですしね、地球を滅ぼしてしまう勢いであるにしても。)
(そうです、あたしは意地でも信仰しています。
人類が、地球が滅ぶかどうかは小さな問題、幻像であります、核心は魂であり、神の分身としての聖霊の問題です。問題というか問題ないのですけどね、みんなが滅びても実は問題なし。ちょっとまた言い過ぎですけどね、)
(種として能力の95%を地球と他の生命にとって悪いことに、5%を良いことに行使してきた人類、それだけでもまあ良いのかもしれませんが。)
悪魔がいた方が見た目の現状と辻褄が合う。しかしそんな世界とそんな自分なら要らない。さっさと滅びた方がいい。
(オヤ、善なる唯一神に帰依しても、悪魔を認めても結論、地球と人類滅びても良い、なんていうことになりましたよ!おかしいな。)
これは予想外。
この件、一応ここまでで思考停止。
時間の流れを自在に操る錐子オババ、ここで数日の過去へ戻った。
8月21日土曜日
18日のJBの退院予定は ずるずると延びた(別に文句はない錐子オババ)。
脳出血手術以来 JBの右腕にできた傷跡は 次第に黒くなり痛みも出てきた(これは腕切断を恐怖させる事態だと錐子オババのみが注目している)。
血糖値が依然として高いままである。下がらない。(傷の悪化に拍車をかける、ひどい死に方はやめてほしい)
夜、JBからさらにドクターから電話がかかってきた。悪寒発作が起きたのでICUに移します。おそらく肺炎だろうと。
この流れは、予想外だっただけにさすがの百戦錬磨の錐子オババの神経を直撃した。
これは最悪のシナリオだと思った。穏やかに、などとは行かない、いよいよJBの終焉が迫ってきた。
8月22日日曜日 そのままもう全く眠れなくなっていた。
このままバタバタと死なれビザなしになった場合、
死なないで片腕になって もっと手がかかるようになった場合、を
リアルに想像して錐子オババはパニックに陥る。
しかし、小用に立ったとき急に、一応気持ちが切り替わった、思いがけず。
(そうじゃない、酷い死に方などしない、またあいつは無傷で生き延びてのうのうと戻ってくるゾ、いつも毎回そうだった。色んなありもしないその他のことを心配して間違って想像して自分をダメにするのはやめよう、いつまでこれに耐えるのかなどと嘆くまい、思うまい、あたしにはどこまでも耐える力がある、あるいは神さんが思いもかけない道を切り開いてくれる、あたしの仕事のために!)
どうなさるつもりですか神さんと尋ねて、ハテ?と疑問にぶつかった。
神さんのプランとか意思を尋ねてる?
小分けにされた チビ聖霊である個々の人間の魂は、先達の言葉によれば
人生設定して生まれてくる。
まあそれを神のプランと言ってもいいが。
そうだとすれば、錐子オババがJBの行動の訂正をあれこれ望んでも手出しはできない相談だ。彼には彼の設定があるから。
第一、魂同士の付き合いなのに、お互いにぼんやり、歪んだ、色付きの、不正確な幻像として認識し合っているのだ。錐子オババの見るJBの姿が彼の本当の姿とは全く限らないわけだ。
このすでに馴染みとなった考えから、不意に浮かんできた。
「まるで、、、いずれにしろ彼とあたしの世界は2つ同時に 影響しあって?はいても別々に存在する。パラレルワールド 並行宇宙」
パラレルワールドという仮説を聞いても錐子オババはこれまでスルーしていた。数学的に確定されているものならまだしも単純な想像可能性なのだろうと思って。もちろん科学的実証とは程遠いらしい。
きっとごく近くに 重なるようにしてあたしとJBのワールドが存在するはずだ、
だからと言って、双方が同じ現象を見るわけではないはずだ、理屈としては。
これから先はまたまさに「神とはこんなことをしてくれる存在だ」というオババの強い信仰を背景にしているのだが、
(そうか、心を澄ませて神の波長と合えば、あたしにとって最善のことが、あるいはJBにとって最善のことが起こる、しかも個別に、各々にとってのそう見えるだけの!!!)
錐子オババの定義する世界像の3部門、
聖霊世界と 物質的イデア世界と 幻像世界の うち
パラレルワールド形式は <一つの魂+近辺の魂との共同イメージ>と
いう括りになるので、やはり幻像世界に属するように思える。
ここでも思考停止。
8月25日水曜日
JBの仮想の肺炎は消えた。
腕の傷に感染はない、
心臓の血の塊はもうあるかないかが確認できない、
血糖値はコントロール下にある。
いつもの如く、病状改善した。
身体中に刺さっている管を抜いた後、うまく暮らすのみだ。
考えても益のないことを書いてしまった。
JBの入院騒動も益のないことであった。
(一つあたしが4週間も気楽に暮らせたこと。JBを消して病院にお任せしてね。)
錐子オババ入院のはめに! 歳には勝てぬ
2021-09-02
錐子オババ、自白:
今思い返してみると、あたしの心理状態は普通、びくともしてないんだけど、
神経は気づかぬうちにダメージを受けているらしく
それが体に現れる、というのがあたしのやり方みたいだわね。
JBがけろりとして退院してきた8月30日月曜日13時。
マイタクシーのイラン人が病室まで来ることを許されて、荷物を運んでくれ、
帰り着くと玄関までまた運んでくれたらしい。
ちょうど1ヶ月ほとんどベッドで過ごしたので、痩せて筋肉が落ちたのだろうねー。
そんな時間に、あたしは一年前にも目眩で入院したDiakonie
(ラテン語由来のお世話をする人、という言葉に由来するとか、同室のフラウ エンゲルがスマホから読み上げたものだ)
の6階の窓から
緑緑した中に白い三角屋根と教会の塔が点在する景色を、大きな青空と浮かんだ様々な雲の下に遠く近く、眺めてドクターの医療報告が上がってくるのを待っていた。
JBと同じ退院の日である。別々の市の病院から。
あたしの架空の病気の症状など、くどくど考えてもムダなんだけど、
要するに心臓のEKG、頭のCTスキャン、頭と頸動脈の超音波検査、頭のMRI検査、最後には息苦しさを訴えたので肺のレントゲン撮影、
など軒並みに調べられた結果、
梗塞、出血が恐れられていた脳には去年から4ミリの動脈瘤があるが変化なし、問題なし、つまり、あとは予想通り耳鼻科的な老化が原因として残された。
つまりあたしは、8月26日木曜日に、今年もめまいの発作を起こして、自らタクシーで救急に行き、入院を獲得したのだった。
成り行きも良かった。どうしよう、とぐずぐず迷っているところへ、久しぶりに少し年上のママ友からのLINEに「ひどくなりそうなら病院へ行くから」と送ったところ、即、「ひどくなるのを待っていたらダメよ」と返ってきた。即、あ、それもそうだ、と了解した。
歯ブラシと下着を一応鞄に突っ込み、タクシーを呼び即、左右へよろけながら、家を出た。その8月26日木曜日はJBを見舞いに行く予定にしていたのだが。
まだ若くて、美人で小柄なドクターがやってきた。
隣に横たわっていたおっさんが彼女に文句を言った。
「もう何時間こうして待たなきゃならない。ドクターの一人でも呼んでくれ」
「はい、私がそのドクターのうちの一人ですよ」
洋の東西を問わず、救急というのは待たされるものだ。
ちなみに、あたしの見たところ、ドクターの半分は外国人である。
遠隔診断があった時、画面に突然イラン系かギリシャ系か、という女性が現れた時、ぼんやりしていたあたしは混乱して、
ここが日本で突然外国人の医者を相手にしなくてはならない、と焦った。
悪徳つきのJBを見たくない、と思っていたあたしだから、
こうして別れ別れの入院が起こったことの受け取り方は
すでに準備されていたのだけど、
二人部屋の先客が、エンゲル、天使さん、だというので、
ますます自分に都合の良い解釈に決定することにした。
彼女も耳が悪く、聞こえない同士だったが結構話のレベルが合って、もちろんいわゆる「陰謀論者」でもなかったので、最後には電話番号の交換まで行った。
こう書くと楽しそうに見えるのだろうが、
どういう理由からか微熱と頭痛が続くので、じっと寝ていると
痛いながら退屈だった。
あたしの辞書には退屈という言葉はこれまでなかった。
去年は2晩の滞在だったので知らなかったが、
読むもの見るものお菓子もなし、退屈するので隣人とお喋りでも、という順番である。
4泊だったのにもう食事時間しか楽しみがない。これでは人間ではない。
6歳の時、当時は「盲腸」と言われていたが炎症を起こして、手術入院して以来
出産以外は縁がなかった入院というもの、
これまで退屈とは思わなかった。
最近は時に、上げ膳下げ膳の入院生活など良かろうなあ、と
思ったりしていたのが実際に体験するとやはり良くない、
退屈の苦痛を確認させられた。
さらに言えば、入院回数ダントツのJBの気持ちが少し理解できたような気もした。(そう言えば、あたしの想像もできないところでの思いもよらないJBの気持ちというのがあるはずよねー当たり前ながら)
錐子オババ、ここで迷路へ:
(最近思いついたパラレルワールドのことを何とかもっと整合性をつけたいと思ったが、この物理学的な概念を実はよく知らない、実際証明されたわけでもない。これはブラックホールの事象の地平線とヒモ理論と関連しているらしいがまさに極限の謎である。
で、そうではあるが考えてみる。
周囲にいる人間の言動は、あたし自身の心や思いが具象化したものであると俗に言われている。
つまり幻像である。存在自体もその存在の仕方も空である。
あたしは唯一存在して想像している。
想像の内容を目の前に現実として見ていると思っている。
でも何故、それらは実在しないのか、
その答えの根本には、
自分がほとんど空無の原子からできているという事実がある。
ビッグバンの前は無であり、したがって宇宙も空無の星と空無の力から成る、
量的にも無きに等しい物質粒子はまさに薄氷を踏むという感じでピンポイントで実在している。
この証明された事実を踏まえると、人間の五感で事象を認識することの意味が存在の実在を危うくする。
辛うじて物質として存在しているあたしが見ていると思っている世界と人間は、光と影の織りなす「形」である。
しかし、目の前にいる人間の形は(たとえばJBは)、その背後?にあたし同様に辛うじて物質として存在しているだろう、しかしどこに、どんな仕方で。
そこでシャボン玉の中の自分の実在、という想像が可能ではある。
次元が異なりつつ、あるいは幾重にも重なりつつ、想像力の無限の広がりを含みつつ、各自が思い描く幻像世界がシャボン玉の中で繰り広げられる。
同じ時と場所で想像を同じくすることもあるかもしれない。
各自が設定された筋書きに従って存在を続ける合同空無時空の中は、
ご存知のように、かなり苦痛と苦悩と不安と喜びに満ちている。
その負の感情や欲望が、濃くなりすぎると人物の死後にもそれが残り、負の影響を与え合って、幻像世界は破壊に引きずられていく。
そんな人間から地球へのくらい絡まりの影響を消す方がいい。
無限とも見える智慧が法則となって働くさまを、
無償の愛を以て組み立てられたとしか思えない万物自然の万全の仕組みを
知るにつけ、そのことに最も詳しい物理学者や生物学者がこの技の持ち主の存在を考えないでいることが、あたしには不審にすら思える。
まあ、あたしとて、持ち主、というまるで人間的存在であるかのような言葉を使うことには迷いがある。そんなちっぽけな存在であるはずがないので。
あたしの好きな「神」はなくてもいい、その法則と仕組みと愛の深さがあればいい。
そして次には、その「愛」なるものの謎がとても興味深い。無償の愛を与えられたら幸せだ。あたしは幸せな存在以外の何物でもない。
そこで、先達のゆきのさんの一文を実験的に取り入れてみようと思う。
実際に深く考えると幸せはそこら中に転がっている。まさにコップの中の水をどう見なすかの態度である。ここがターニングポイント。
「あたしはなんて幸せ!」と喜び念じる睡眠前の行事。
「あなたもあなたもみんな幸せだからね!」と存命中の人間にかける喜びの言葉。
「愛と光を交わしましょう、お受け取りください!」と、えにしある魂たちに捧げる思い。
それからただ深く息をして、自分の存在が愛と光からなる聖霊である故に、息をするごとに愛と光の波紋があふれ、負の想念たちと対消滅し、同時に新しい光を生み出すのを信仰して止まないでいること。)
かく今夜も、錐子オババの妄想、とどまることを知らず、
そう言えば、フラウ エンゲル が急に
「あなた、賢い女性ですねえ!」と錐子オババに面と向かって言ってくれたことを思い出して
「ふふ、まさか、バカねえ、と人からいつも言われてるんですよ」
と、遅まきながら返事をした。
一方、JBとスマホで話しているのを入院中毎日何度も聞いていたフラウ エンゲルが意外にもそれだけで、JBをある種の近寄らないほうがいい人物だと見抜いたことも思い出した。ドーラもすぐに理解したものだ。
「つまり、あたしはやっぱり賢いどころか、おバカなんだわね」
もう寒いので、ソファに敷き詰めたマイヤー毛布がすべすべで暖かいのを撫ぜた。
「あーあ、ひどいな、でもそれでも幸せを探してみせる、ラッキーなあたしを掘り出そう!」
その後で、肘の内側に注射を長く差し込まれていた場所から、変な痛みが神経か血管かを伝わって心臓まで達するのを感じた。
「やがて克服できるさ」と呟くことにした。
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