幹部たちの野暮な洗礼
萩尾丸が車を停めた駐車場は、粒子径の不揃いな砂利が一面に敷かれていた。ヒールのある靴を履いている紅藤は大丈夫だろうかとさり気なく視線を配ったが、彼女は案外平気そうに砂利の上を歩いている。考えたら紅藤は雉妖怪であるから、そういう心配は杞憂だったようだ。
源吾郎は紅藤から視線を外し、周囲を観察した。駐車場の傍らには我らが雉鶏精一派の本社ビルが傲然と聳えていた。銀灰色の外装と無機質に並ぶ長方形の窓ガラスと言う実に画一的なたたずまいのビルだったが、源吾郎はこの建物を大都市の摩天楼だと見做しうっとりと見上げていた。本社ビルの近辺には雑貨屋だの貸しギャラリーだの年季の入った雑居ビルだのがちまちまと並んでいたが、それらはデザインが異なり見る者の目を楽しませるかのようだった。あすこのサンドイッチ屋にはお洒落な美人さんがこぞってやってくるのではないか、向こうの喫茶店は内装が可愛いから、女の子と一緒に来た時に良いかもしれないとか、そんな事を源吾郎は考えていたのだ。田舎の安アパートに居を構え、山奥の小ぢんまりとした研究センターに勤務している事実を忘れ、小粋なシティー・ボーイになった気分に源吾郎は浸っていたのだ。
「さて島崎君。これから幹部陣やその重臣たちへのお目通りとなる訳だけど、くれぐれも態度に気をつけたまえ」
小骨を踏み砕くような音と共に萩尾丸が近づいていた。とりとめもない空想と戯れていた源吾郎は、弾かれたように顔を上げ、萩尾丸の表情を窺う。彼はそれこそ「先輩風」を吹かそうかと考えながら源吾郎を見つめているようだった。
「昨日は思い上がったテリア犬のように僕に吠え付いていたけれど、そんな事を本部でもやってしまえば、首と胴が泣き別れになるかもしれないよ」
萩尾丸はご丁寧に首をかき切るジェスチャーまでやってのけた。おどけた様子で言ってのけたのだが、それが却って不気味だった。
源吾郎は即座に紅藤が何処にいるのか探した。探すまでもなく、彼女は源吾郎や萩尾丸の傍にいた。萩尾丸と異なり、彼女は殆ど足音を立てずに歩いていたのだ。
「心配しないで島崎君。萩尾丸はああは言っているけれど、私は九割がた大丈夫だと思っているわ」
「…………」
「もちろん幹部たちの中には私を良く思っていない者もいるにはいるわ。けれどだからと言って嫌がらせ程度で私の部下を襲う事は無いはずよ。私は第二幹部だし」
「第三幹部から第八幹部まではそれで通るでしょうけれど、第一幹部の峰白様が相手だったらどうするんです?」
萩尾丸の問いかけに、紅藤はあからさまに困り切った表情を浮かべた。
「峰白のお姉様が、そんな意地悪をするなんて考えたくないわ。だけど、もしも万が一そんな事になったら、お姉様とケンカしちゃうかもしれないわ。そんなのいやよ。島崎君の事は大切だけど、それ以上に峰白のお姉様の事も大好きだから」
やけに少女っぽい調子で紅藤が呟くのを、源吾郎は何とも言えない気持ちで見届けていた。万が一にでも紅藤と峰白がケンカしてしまったらどうなるのだろう。口調と言い方は可愛らしいが、要するに大妖怪同士の争いだ。大妖怪同士が争った場合、更地ではない所が更地になる事がままあるという。普通に物騒だ。
そんな物騒な事があるんですかね……誰に聞くでもなく放った源吾郎の呟きに応じたのは、紅藤ではなく萩尾丸だった。
「相手が峰白様だからねぇ、これがまた無いとは言い切れないんだな、残念ながら」
おどけた調子で語る萩尾丸だったが、瞳の奥は恐怖と畏敬で揺らいでいた。
「紅藤様は未だ多くを語ってはいないが、峰白様は実に恐ろしいお方なんだよ。大妖怪ではなくて中堅妖怪だとか実は幹部たちの中で一番弱い妖怪だと言われたりしているが、そんな事を補って余りあるほどの気性の烈しさと残忍さを持ち合わせているお方なんだ。気に入らない相手、或いは目的を果たすために排除すべきと判断すれば、峰白様は迷いなく殺しにかかれるんだ。相手が非力な幼子や、それこそ孵化する寸前の卵であろうとね」
「ヤバい……ですね……」
源吾郎の短いが実感の籠った感想に、萩尾丸は力強く頷いた。
「峰白様の真のヤバさは、鬼畜外道との誹りを受けたとしても、おのれの目的の為ならば、一ミクロンも妥協せずに達成させてしまう心意気さ。まぁ、そこは或いは世界征服とやらを目指す島崎君も勉強すべきかもしれないね。ただ単に手段を選ばない輩ならばつまらないチンピラ妖怪もいるかもしれないが、峰白様のそれは一線を画していて、ある意味ほれぼれしてしまう程さ。
例えば将棋。峰白様が将棋で負けそうになったならば、禁じ手を使って反則勝ちを得るなんてみみっちい真似はやらないね。対戦相手に躍りかかって半殺しにして『私の負けです』と言う言質を取るか、高価な財宝で相手を買収して勝ちを得るとか、そんな事をするんじゃないかな」
「いくら何でも滅茶苦茶じゃないっすか……」
源吾郎は感嘆の声を上げた。例え話とはいえ「手段を選ばない」と言う内容がショッキング過ぎたのだ。源吾郎は確かに野心家ではあるが、高校を出るまで退屈で穏やかな生活に甘んじていた。「お坊ちゃま」と見做されるのはちと悔しいが、事実なのだから致し方ない。
「萩尾丸。その例え話は不適切だと私は思うわ」
紅藤の凛とした声が耳朶を打つ。大真面目な表情の彼女を見て源吾郎は少し安堵した。源吾郎の戸惑いを見てフォローしてくれるのだろうと期待を抱いたのだ。
「さっきの例え話では、峰白のお姉様が将棋で負ける話だったでしょ。だけど峰白のお姉様は将棋では負け知らずよ。将棋だけじゃなく、囲碁もチェスもオセロさえも強いですけれど」
予期せぬ話の内容に源吾郎は目を丸くしたが、気にせず紅藤は続ける。
「現に私は峰白のお姉様と53672回将棋を指しましたが、一度たりともお姉様は負けなかったわよ。囲碁では9083回、チェスは5267回、オセロは少なくて815回だったけど、どの勝負も全て峰白様の圧勝だったと記憶しているわ。
ともかく、天運で勝負が進むはずのすごろくでも有利に動ける峰白のお姉様は、ボードゲームでは負け知らずなのよ。だから悪いけれど、将棋でお姉様が不利になるって言うのは想像できないわ」
源吾郎の視線は数秒間紅藤に注がれていた。彼女が大真面目に語っている事だけは解った。しかし何の話をしているのか、理解できなかった。突拍子もない話だったので、脳が理解を拒んだのかもしれない。
「あれはあくまでも例え話、言葉の綾って奴ですよ、紅藤様」
呆れを多分に含んだ声音で萩尾丸が呟いた。
「それにしても、紅藤様も普通のマッドサイエンティストを気取ってますけれど、僕にはいかれたマッドサイエンティストにしか見えませんよ。あそこまで莫大な将棋の勝負回数を誤差なく把握なさっているのに、それなのにすべて負け戦とは……」
「私は勝負ごとに苦手なの。ただそれだけの話よ」
確かにそうかもしれませんね……萩尾丸は渋い表情のまま頷いた。源吾郎はこの一連のやり取りを黙って見つめながら、不思議に思ったり妙に納得したりしていた。無尽蔵の妖力を持つとされる紅藤が勝負に弱いというのは意外だった。しかし恐ろしく一芸に秀でた者が世事に疎く凡人よりも世渡りが苦手であるという人間界の法則を源吾郎は知っていた。それは案外不思議な力を持つ妖怪にも当てはまる話なのかもしれない。
幹部と彼らの重臣、そして頭目の胡琉安が集まっている会議室の前に源吾郎たちはいた。源吾郎は今や隠していた尻尾を顕現させていた。ついでに「玉藻御前の末裔らしく」少女に化身しようかと提案したが、師範と兄弟子の両方から却下された。紅藤は既に幹部たちに手に入れた玉藻御前の末裔は男であると知らせていたそうだ。
「トロフィー・フォックスだと思っているのにヴィクセンだったら、確かにみんな狐につままれたような顔をするだろうさ。しかし今回はそういうショウをするためにやって来たわけじゃあないし」
萩尾丸の言葉に源吾郎は薄い笑みで応じた。源吾郎が青年であるにもかかわらず少女に化身できる事を、狐を示す二通りの英語で表現したところに萩尾丸の言葉遊びのセンスが見え隠れしているように思えた。(フォックスにはオス狐、ヴィクセンにはメス狐の意味があるのだ)
会議室は存外広かった。通っていた高校の食堂と大差ない広さだろう。部屋の中央に長大なテーブルが据え付けられ、その周囲を取り巻くように異形たちが腰を下ろしている。完全に人間に擬態している者もいれば異形の面影を残している者もいた。ひどく年老いた姿のものは見かけなかったが、もちろん女も男も揃っており、彼ら彼女らはもれなく妖怪だった。
各々の名が記された場所に着席する妖怪たちは、登場した源吾郎に胡乱気な視線を向けていた。そんな彼らの間を、白い燕のように下級妖怪たちが行き来している。喫茶店のウェイターめいた出で立ちの彼らは、悠々と座る上層部たちに、資料を配ったり飲み物やおしぼりを運んだりするのにてんてこまいのようだ。
源吾郎はしばしの間、立ち働く彼らを何とはなしに眺めていた。下級妖怪と言えども、彼らが放つ妖気を感じ取ってもいた。その妖気の中に、何故か見知った者の妖気があるように思えたのだ。向こうの名前すら知らないのに奇妙な事ではあったのだが。
ふいに、源吾郎の脇腹を何かが軽くつついた。驚いて我に返ると萩尾丸が気遣わしげにこちらを見、黙ったまま進めと促していた。師範の紅藤はとうに歩き始めていたが、大理石模様の硬い床の上にも関わらず、相変わらず足音は無い。源吾郎も紅藤や萩尾丸にならい歩き始めた。会議室に満ちていた音が、急に明瞭に聞こえだしたのだ。
「おお、あいつか。あいつが第二幹部殿の言っていた九尾の末裔か」
「妙だなぁ、玉藻御前様の末裔と言うのに随分と人間臭い奴だ」
「ああ、アレは確か半妖ではなくクォーターだという話らしい。人間臭いのはしょうがないさ」
「尻尾だけは立派だ」
「まだ子供じゃあないか。アレが我らを差し置いて幹部になるのか……」
源吾郎は正面だけを見るようにつとめ、実際におのれの視界が狭まっていくのを感じた。源吾郎に対して無遠慮な意見を好き勝手述べているらしいのだが、好意的な意見はどれだけ耳を澄ましても聞こえてこなかった。口さがない者だけが思い思いの発言をしていて、源吾郎を好意的に思う者は「マトモ」だから黙って会議が始まるのを待っている、とも考えられるが。
だがそのあからさまなひそひそ話もふいに止み、真の静寂が源吾郎を、室内を包み込んだ。数歩ほど歩いたところで萩尾丸が振り返り、早く進むようにと促した。それに従った源吾郎はいきおい紅藤の隣に立つ事になった。そこで、一組の男女と向き合った。向かいにいる男女はどちらも鳥妖怪、それも雉妖怪だった。
「しばらくぶりね、我が
雉妖怪の女の方が口を開いた。背丈は紅藤よりやや高い程度だが、肉付きの良いむっちりとした身体つきなので幾分たくましく見えた。スーツと女ものの軍服の中間的な特徴を持つ衣装を身に着け、襟元に縫い留めたバッジがギラギラと輝いている。
面立ちは愛らしい雰囲気の紅藤とは異なり彫り深く目鼻立ちの整った怜悧な美貌の持ち主と言えるだろう――もっともこちらを睥睨する瞳の、その奥にわだかまる光が、彼女を単なる美女ではない事を如実に物語っていた。
「隣にいるその狐が、玉藻御前様の末裔ね」
「いかにもその通りでございます。峰白のお姉様」
成程彼女が峰白なのか。源吾郎はぼんやりと思った。峰白に対して挨拶をしなくては、と源吾郎は思っていたが、向こうは珍獣を値踏みするような眼差しを向けるだけで、まだ挨拶をする意思がない事を源吾郎は悟った。
「金毛九尾の、玉藻御前様の末裔をこの度白銀御前様より譲り受ける事が出来ましたので、弟子にした次第です。
ご覧の通り、彼は未熟な若狐に過ぎませんが、私の許で育つうちにいずれは九尾となるでしょう。そして九尾となった彼こそが、雉鶏精一派にさらなる繁栄と発展をもたらしてくれるはず」
「あら、そうだったのね……」
気の抜けたような声を発したのち、峰白は喉を鳴らして笑った。
「九尾と言えば傾国亡国のイメージばかりかと私は思い込んでいたわ。三国の王朝を崩壊させた、玉藻御前様の末裔ならなおの事……ごめんなさいね、姉の癖に学がなくて」
悪びれずに言ってのける峰白に対し、紅藤は笑みを絶やさぬままだった。
「まあ、九尾の狐は繁栄と破滅の両方を司るとか、革命のシンボルとも言われておりますし。それに破滅や崩壊の後に新たな創造が、混沌ののちに秩序が生まれ落ちるのは世の習いですわ。旧きものが亡び新しきものが栄えるのは昔から繰り返されてきたではないですか」
冷静に言ってのけた紅藤を峰白はしばらく凝視していた。だがややあってから視線を外し、隣に控える雉妖怪の青年に視線を配り、それから源吾郎を見た。相変わらず値踏みするような眼差しだったが、会話をしようと言う意思の宿った眼差しだった。
「さて九尾の末裔君。初めましてになるわね。私が峰白よ。
私の事はさておき、あなたはまず
軽く頭を下げ、源吾郎は峰白の隣に控える青年を見やった。スーツ姿の若者なのだが、宝玉をあしらった腕輪や舶来もののロケット・ペンダントなど諸々の宝飾品で身を固めるその姿はさながら王侯貴族のようだった。いや実際には彼はこの場所では王として奉られているのだろう。組織だった集団に属する妖怪たちは、そのトップに立つ妖怪を自分らの王または女王と見做す事がままあると、かつて叔父の苅藻に源吾郎は教えてもらった事があった。現に彼は、いやに仰々しい名前で王と呼ばれていたではないか。
胡琉安と思しき青年は、静かに源吾郎の挙動を見守っているようだった。銅貨に似た暗い橙色の瞳は驚くほど穏やかで、薄く開いた口許は今しも笑みの形に広がりそうだった。萩尾丸の持つ有能故の傲慢さも、峰白の持つ権力者らしい冷徹さとも無縁そうな面立ちに見えた。
ああ、この男もお坊ちゃま、いや王子様みたいな奴なんだ――源吾郎の脳裏にそのような考えが鮮明に浮かんだ。小さく身を震わせてから、源吾郎は向き合う青年を見上げた。この時源吾郎はおのれがなすべき事にはっきりと気付いていた。紅藤の弟子としてではなく、九尾の狐、玉藻御前の末裔として。
この男がここの王ならば俺は彼の心に取り入るまでの事。唐突に閃いたこの考えに源吾郎は疑いを差し挟まなかった。性別は違えど自分の曾祖母が行ってきた事を行うのだ。破滅にしろ繁栄にしろ革命にしろどのみち九尾は王に馴染みのある存在なのだから。
源吾郎はだから、九尾ならずも九尾めいた笑みを浮かべ、相対したのだ。
「ご機嫌麗しゅうございます、胡琉安閣下。私こそが玉藻御前の末裔、島崎源吾郎でございます。この春より雉鶏精一派に就職し、目下の所雉仙女・紅藤様の所で研鑽を重ねる所存です」
源吾郎は実にもったいぶった口調で挨拶をした。つい先日まで高校生だった若者でありながら古風な言葉を知っているのは、年かさの兄姉叔父叔母がいる上に源吾郎自身が演劇のために古今東西の書物を読みふけっているからである。
挨拶を受け、雉妖怪の青年の表情が僅かに揺らいだ。彼は眉を下げ、人の好さそうなその面に困ったような表情を作った。
「ええと、丁寧に自己紹介してくれてありがとう、九尾の君、いや島崎君」
源吾郎はあんぐりと口を開けそうになった。王侯貴族よろしく着飾った若者の口から出てきたのは、その装いにはそぐわぬほどに砕けた言葉だったのだ。
青年は峰白や紅藤、そして幹部とその重臣たちを順繰りに見やってから再び源吾郎に視線を戻した。
「しかし、実は君は僕に対してそこまで丁寧な挨拶をしなくても良かったんだ――僕は胡琉安様ではなくて単なる影武者だから。
だけど折角だから自己紹介するね。僕はウミワタリと言うんだ。峰白様と紅藤様に見いだされ、以来胡琉安様の影武者をやっているんだ」
ぼくとつな様子で語るウミワタリを呆然と眺めていた源吾郎ははっと我に返り彼から視線を逸らせた。会議室に広がる悲嘆の声や哄笑は殆ど聞こえなかった。源吾郎の視線は彼の道化ぶりを笑う幹部とそのツレではなく、手持無沙汰になって部屋の脇に控えるボーイたちに向けられていた。彼らのうちから感じ取った妖気が、誰の妖気に似ているのかをここで思い出したのである。
「九尾は革命の促進者ゆえに、王を惑わせ破滅させる可能性を孕む。私はそう考えているの」
朗々とした声が会議室に響き渡った。声の主は峰白だった。彼女はいつの間にか胡琉安に扮していた雉妖怪から離れ、ボーイたちが控える所にいた。
「影武者を胡琉安様に仕立てて会わせる事を考えたのは私たちよ。悪心を抱いた九尾の末裔が、真っ先に胡琉安様を亡き者にしようとするとか、籠絡しようとしたときの時間稼ぎとしてね」
峰白はボーイの一人を伴って源吾郎の許に歩き始めていた。隣にいるボーイ、いやボーイに扮した若者こそが本物の胡琉安だろう、と源吾郎は思っていた。
「島崎君だったかしら。彼こそが本物の胡琉安様よ。あなたにも二度手間を掛けさせて申し訳ないけれど、きちんと挨拶をして頂戴」
源吾郎は無遠慮な視線を本物の胡琉安に向けた。ボーイに扮していた彼の妖気は、どうした訳か師範である紅藤やその息子の青松丸のそれによく似ていた。その事に源吾郎が気付いた時、道中で抱いた違和感の正体に源吾郎は気付いたのだ。
当惑と困惑の表情が入り混じる源吾郎が、他者の目にはどのように映っていたか。心中に居座る感情が余りにも大きすぎて、源吾郎自身はその事を考える余裕さえなかった。
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