第4話 ドワーフの鍛冶手伝い

早速、ドワーフの家へと向かった。

ドワーフの家に着き、ドアをノックする。


「冒険者ギルド、ミルクから来たケンイチサカノですけど」

「今手が離せない。鍵は開いている。勝手に入ってこい」


奥から渋い声が聞こえてきたので、俺はドアを開けた。

すると慌ただしく部屋中を忙しそうに駆け回りながら、武器や防具を作っているドワーフがいた。


「おう。お前がギルドから来たもんか。早速だが手伝え」

「はい」

「いいか。この防具に接着剤を付けて修復しろ」


プルプルプル……。

手が震える。


「あっ……」


上手く接着剤を狙った所につける事ができない。


「この野郎!!何やってんだ!!不器用な奴め」


そういえば俺、器用さのステータスが0ポイントだった。

くそう。器用さにステータス振っていれば……。


【称号:不器用芸人を取得しました】


「もういい!!お前、ここ押さえてろ」


俺は言われたところを抑えた。


「もっとしっかり押さえろ!」

「こうですか?」

「もっとだ!!」

「うぐぐぐぐぐぐ」

「だからもっと強くだ」

「うぐぐぐぐぐ。うぉおおおおおお」

「お前、非力だな」


そうか……。

力のステータスも0ポイントだった。

くそう。力にステータスを振っていれば……。


【称号:非力芸人を取得しました】


「もういい。お前、全然役に立たないじゃねぇか」

「すみません」

「仕方ない。そこで踊れ」

「えっ!?踊れって!?」

「そうだ。せめて俺を楽しませろ」

「ど、どうすれば……。何を踊れば……」

「そんなもんお前が考えろ」


俺は考えて考え抜いた末、あれを踊る事にした。

「で、でも音楽がない……」


【スキル:ミュージックスタートを覚えました】


「ん?ミュージックスタートってなんだ?」


【ミュージックスタートとは、好きな音楽を流せるスキルです】


「うぉー!!地味にすげぇ!!ミュージックスタート!!」


颯爽と流れてきたのは、あのお邪魔虫魔女ドファミの曲だった。


「大きなお星さま ピカピカリン。 魔法の言葉を歌っちゃえ~♪」


俺は踊り切った。


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


息切れになった。


「お前、なかなか踊れるじゃねぇか。パーフェクトなデブのくせに」


【称号:ダンシングデブ芸人を取得しました】


「おかげで効率が良くなった気がするぜ。お前、もういいよ。帰って」

「えっ?」

「お前がいるとむしろ足手まといだからよ。報酬はちゃんとやるよ。だから帰れ」


「ええー、追い出されたぁーー」


俺は邪魔者扱いされて追い出された。

お邪魔虫魔女ドファミ踊ったからかなぁ。


しかし報酬は貰えたし、スキルもゲットしたし。

まあ悪い事ばかりではない。まあいいか。


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