塔ズドーーーーーーーーーン!

「かくかくしかじかで」

 

「なるほどそれは許せん!」

 

 許せんな!

 

「なので、私たちはヨン・バーンに逆らう者、特に勇者と名乗った者はボコれと言われておりまして……」

 

「命令が低俗すぎる」

 

「ご安心下され。ヒトキミ君はドーーーーーーーン!の勇者! どんな魔物でも一撃のもとに倒してくれます!」

 

「おお! ドーーーーーーーン!の勇者!」

「頼もしいわ!」

「勇者すげー!」

 

「ところで、このサムーイ王国に、盾を鍛え直せる鍛冶屋がいると聞いたのだが」

 

「あ、私です」


「名乗らないからモブかと思った」


「えっ?」


「いや、なんでもないです」

 

 なんやかんやで盾を鍛えてくれることになった。

 

 カンカンカンカンカン!

 カンカンカンカンカンカンカンカン!

 

「……出来ましたが、何か足りない気がします」

 

「たしかに足りんな」

 タイ・リョクが盾のステータスを出した。シュイン。

 

 ガッッッッッッッチガチの盾:防御力50

 

「まあ、とりあえずこの盾があればヨン・バーンと交渉はできるだろう……あの娘、無事だろうか」

 

「……早く塔に行かなきゃ」


「魔物が住む、ズドーーーーーーーーーンの塔ならあのへんにありますよ」

 

「かたじけない。では行こう勇者よ!」

 

 塔についた。なんかめっちゃ高い。

 

 塔のズドーーーーーーーーーンと高いとこからモンスターがヒューーーーーーーーン! と落ちてきてダーーーーーーーン!!!!!

 

「待っていたぞ! 我こそはヨン・バーン様の……」

 

 「えい」

 

 ドーーーーーーーン!

 

「途中ンヌ」

 魔物爆破!

 

「よし、行こう」

 

「我こそは一階の番人……」

 

 ドーーーーーーーン!

 

「二階の」

 

 ドーーーーーーーン!

 

「三」

 

 ドーーーーーーーン!

 

「さすがドーーーーーーーン!の勇者、敵無しだな!」

 タイ・リョクはむさ苦しいポーズをとった。

 

 二人でダーーーーーーーーッと塔を駆け上がる!

 

「よくここまで来たな。私は215階の番人……チューボス!」


「えい」

 

「おっと!」

 かわされた!

 

「フハハハハ! 197階の番人が、死に際に私に情報をくれていたのだ! 当たらなければどうということはない!」

 

「クソッ……どこかで聞いたセリフを言いやがって……!」

 

「ドーーーーーーーン!の勇者よ! ここが貴様の墓場だ! 我が魔法を受けよ!」

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