ポテサラジャァーーーーーン!

「んぶっ!」

 大臣の転送魔法で俺と戦士タイ・リョクは顔面からズサーーーーーーッと着地!

 

「大丈夫か、勇者よ」


「な、なんとか」


「あれを見ろ」

 タイ・リョクが指差す先に、街。

 

「北の国、サムーイ王国の城下町だ。魔物の住む塔の情報を聞きに行こう」

 

 街に来た。なんかさびれてる。


「そこのご婦人、我々はチュウシン王国より、魔王の手下を討伐に来た勇者の……」

 タイ・リョクが言い切る前に頭に矢がグサーーーーーッ!!!!!!

 

「うわぁあああ!」


「慌てるな」

 タイ・リョクは矢をズボーーーーッ! 血がブシャアアアアアア!

 余計ヤバい!

 

「帰れ!」

「勇者は敵だ!」

 一般人達が石を投げる!

 

 ポイポイポイポイポイポイポイポイポイ!

 ポイポイポイポポイポイポポイ!

 ポポポポーイ!

 

「うわっ!」

 

「くそっ……一旦退くぞ!」

 タイ・リョクは俺を抱えてダッシュ!

 

「な、なんで俺達が人間から恨まれてるんですか」

 

「さあな……だが、これでは情報収集も難しいな。どうしたものか」


「うわああああ!」

 子どもの声! モンスターに襲われてる!

 

「上納金が出せないヤツぁ……食ってもいいんだよォ! ウボァアアア!」

 

「やめろ!」

 

「あぁん?」

 モンスターがこっちを見た。

 

「俺が相手だ!」

 

「ハァ? お前から食ってやらぁ!」

 モンスターが走ってくる。俺は拳を構えた!

 

 ドーーーーーーーン!

 

「ウボンヌ」

 モンスター爆発!

 

「すげえ! なにそれ!」

 子どもが駆け寄ってきた。

 

「勇者の力だよ」

 

「へー! 助けてくれてありがと勇者! 俺ん家来てよ! お礼するよ!」

 

 子どもの家に来た。

 

「うちの子を助けて頂きありがとうございます!」

 両親ニッコニコ。

 

「いや、その……ハハ……」

 照れる。

 

「ちょうど夕飯を作っておりました。貧乏でジャガイモ料理くらいしか出せませんが……」

 イモあるんだ、異世界。

 

 ふかし芋ダーーーーーーーン!

 芋きんぴらドバーーーーーーン!

 ポテサラジャァーーーーーーーン!


「うわ、美味そう」

「良いのですか、こんなに」

 

「ええ、どうぞ」

 

 ガツガツガツガツガツガツ!

 ムシャムシャムシャムシャ!


「うンまァーーーーーーーい!」

 

「ところで、先程モンスターが上納金と言っていましたが……」

 

「はい……実は」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る