戦士ムッッッッッッッキムキ!

「さすがはドーーーーーーーン!の勇者、見事だ!」

 ムッッッッッッッキムキの男がいい笑顔。

 

「あの、ありがとうございます!」

 

「礼には及ばん!」

 戦士、ボディビルのポーズ。暑苦しい。

 

「あの、ロインちゃんは……大丈夫ですか」


「気絶しているだけだ」

 

「よかった……」

 

「クケェエエエエエエエエ!」

 爆破したはずの悪魔の声!

 

「危ない! ぬわーーーーーーーーー!」

「せ、戦士さああああああん!」

 俺をかばって戦士が攻撃を受ける! 悪魔の身体の欠片が戦士タイ・リョクをつらぬいた!

 

「ケケケ……俺の死に際の攻撃は一撃で99999ダメージ! どんな奴も一撃……だ……ぐふっ……」

 ザーコの欠片はシュワアアアアアっと消えた。

  

「せ、戦士さん……」

「ん? なんだ?」 

 起き上がった!

  

「ええっ!? 99999ダメージは⁉」

 

「俺のHPは250000000000だ」

 

「めっちゃ強いっすね……」

 

「君ほどじゃないさ!」

 戦士がポーズを取った瞬間、なんか黒い影がロインちゃんの下にブワァァァァアアアア!

  

「なんだ!?」

 

「クックック……我が名はヨン・バーン……魔族四天王が一人……この娘は預かっておく……ガッッッッッッッチガチの盾を、北の国の塔に持ってくるが良い……」

 影から声がする。


「待て!」

 黒い影がロインちゃんを包んでシュワアアアアア!


「クソッ!」

 

「ゆ、勇者よ!」

 大臣が姫を背負って走ってきた。

 

「え、大丈夫ですか色々と」

 

「あのエルフの娘を追うのですね」

 お姫様悲しそう。大臣こき使ってたけど。

 

「あっ、はい……あの! その……ヌフ……」

 だめだ、やっぱ女子と話せ……

 

「勇者よ! 王に遠慮する必要はない。あの娘を愛しているのだろう!」

 だいじーーーーーん! ありがとう!


「はい!」

 

「うむ。姫様、あの娘が戻ってから、ドロドロの愛憎劇を繰り広げなされ」

 だいじーーーーーん⁉


「はい……」

 いやお姫様、はいじゃないが。

 

「よし、では行ってまいれ! ムッッッッッッッキムキの戦士タイ・リョクよ! 勇者を頼むぞ!」

 

「はっ! おまかせ下さい!」

 

「あの、北の国までどうやって」


「大臣の魔法がある。お願いします!」


「うむ。転移魔法……オクルーヨ!」

 

 ブワァァァァアアアア! ギューーーーーーン!

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