王様シュン……

「ごめん、ガッッッッッッッチガチの盾、壊れちゃった」

 

 王様、子供みたいにシュンとしてる……


「どうするんすかこれ」


「き、北の国に優秀な鍛冶屋がいる! まずはそこに行くがいい!」

 

「あっ、はい」

「ひーちゃん!」

 ロインちゃんが追いついた。

 

「おお、エルフ村の!」

 王様、ロインちゃんのおっぱい見んな。

 

「ドーーーーーーーンの勇者に王様のお力を!」

 

「わかっている。では勇者よ!」

 王様が手のひらを俺にかざす。王様の手のひらがピカァァアアアアアアア!

 

「まぶしっ!」

 

「これでよし。我が力、フッカーツを施した!」

 

「よかったね、ひーちゃん!」


「我が力は……」

 

「死んでも蘇るんでしょ」

 

「なに⁉ なぜわかった!」

 

「え、いや……」

 

「これも勇者の力か。素晴らしい。大臣! 宴だ!」

 

 宴好きだなこの世界。

 

 ドンドコドンドコドンドコドンドコ。

 ドンドコドンドコドンドコドンドコ!

 ドコドコドンドコ!ドンドコ!ドンドコ!

 

「さっきはすまなかった」

 王様が頭を下げる。


「王様のせいじゃない……と、思います」

 

「うむ……それにしても、ドーーーーーーーンの勇者が私の代で現れたのは奇跡だ!」

 王様、急に上機嫌だな。

 

「現れないはずだったんですか?」

 

「いや、それは知らん」 


「知らんのかい」

 

「だがこうしてヒトキミ君がやってきた。大魔王ラスボースは人間を滅ぼすつもりだ。頼んだぞ」

 

「が、がんばります」

 

「ひーちゃん!」


「ろ、ロインさん」

 ロインちゃんが来た。

 

「エルフの娘よ。よくぞ勇者を連れて参った」

 王様、ロインちゃんのおっぱい見んなって。

 

「はいっ!」

 ロインちゃんの笑顔かわいい! 嫁!

 

「ところで……勇者は私の娘の婿にしたい。ヒメ!」


「勇者様!」

 めちゃくちゃかわいいお姫様が来た。ロインちゃんよりおっぱいないけど。

 

「おっふ……」

 陰キャ過ぎて女子の前だと何も言えない。

 

「ひーちゃん……よかったね……」

 ロインちゃんがダーーーーーーーッ! と走り去る。

 

「ろ、ロインちゃん!」

「待って勇者様!」

 お姫様に腕を掴まれた。

 

「あっ、おうフ……あの、その……」

 

「私、勇者様なら……」

 お姫様が顔を赤らめる。マジで⁉ いや、でも俺にはロインちゃんが……

 

「キャーーーーー!!」

 

「ロインちゃん⁉」

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