盾グシャアアアアアアアアアアア!

 王都についた。

 

 ざわざわざわざわざわざわ

 ワーワーワーワー!

 ざわざわざわぁ!

 

「わぁ、私王都なんて初めて! にぎやかね!」

 ロインちゃんほんとかわいいな。


「これからどうするんだっけ」

 

「王様に会うのよ!」


「おい、そこのガキ!」

 見るからに山賊みたいなオッサン!

 

「なんすか」

 

「そこの女をよこしな」


「やだよ」

 

「ああん!? んだとコラ! この斧がバーン! てアレすんぞコラ!」

 

 俺はオッサンの斧を掴んで地面にドカーーーーーーーーーーーン! 斧、粉々!

 

「お、俺の斧が!」

 

「まだやる?」

 

「ヒエッ……」

 オッサン逃亡!

 

 街の皆が俺を囲む!

 

「すごい力だ! もしや勇者様では?」

「勇者様!」


 ワアアアアアアアアアア!

 ワアアアアアアアアアア!

 

「王様のところへお連れしろ!」

 街の皆が俺を担いで城までダーーーーーーーッと駆け込んで王の間の扉をバーーーーーーーーーーーン!

 

「な、何事だ!」

 王様がいた。

 

「王様! 勇者様です!」

 

「なんと! ついに予言の勇者が! ならば力をみせよ! ステータスオープン!」

 

 力:150000000000000000000

 

「これはまさしくドーーーーーーーンの勇者! 大臣! ドーーーーーーーンの勇者にあれを!」

 

「お持ちしました」

 大臣がめっちゃデカい宝箱を持ってきた。

 

「ドーーーーーーーンの勇者の力でしか開かぬ宝箱じゃ。開けてみせよ」

 

 俺、宝箱をつかむ。めっっっっちゃ固い。

 

「むっ……開かぬのか?」

 

 ヤバい、なんとかしなきゃ!

 

「あ、開けられますよ! えい!」

 宝箱にドーーーーーーーン!

 

 宝箱パカンヌ。

 

「開いた!」

 

 中になんかボロい盾。

 

「これは?」

 

「ガッッッッッッッチガチの盾だ」


「ガッッッッッッッチガチ……」

 

「ドーーーーーーーンの勇者に必要なのは防御力! これで補うがいい!」


「あっ、はい」

 

「そして魔王ラスボースを討ち倒すのだ!」

 

「魔王⁉」


「そうだ! ラスボースは南の果て、サイハテ国の更に南に城を構えている。やっつけろ!」

 

「指示が雑」

 

「しかし伝承より随分ボロいな」

 王様がガッッッッッッッチガチの盾を手に取った瞬間、盾がグシャアアアアアアア!

 

「えええええ!?」

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