※3.ある消防本部の話※

北東県中央市消防本部。

中央市を構成する5つの区にはそれぞれ消防署が置かれており、それぞれ面積と人口に応じて1~3の分署が存在する。24時間交代基本として1班、2班の2つのチームで交代勤務をしている。

基本的に5人一組として係、隊を編成し、一台の車両を管理運用している。

消防署は軍隊と同じく、活動単位があり災害の規模に応じて部隊を展開・運用している。

係には幾つか種類がある。


指揮係 運用車両、指揮車

消防署のみに置かれている災害現場の指揮を行う隊。現場の最高責任者をトップとする。


第1消防係 運用車両、水槽付き消防自動車

(タンク車)

あらゆる災害に出場する。火災現場には一番早く、そして一番近くで活動を行う。オールマイティ。


第2消防係 運用車両、ポンプ付き消防自動車

タンク車に消火栓から吸い上げた水を送る後方車両。また、救急隊の後方支援も主任務とする


救助係  運用車両、救助工作車、梯子車、他の特殊車両。

通称オレンジ。救助のスペシャリスト。精神・肉体・知識のすぐれた消防官が選抜される。


救急係 運用車両、救急車

病気や怪我の傷病者を処置しながら医療機関まで搬送する。消防唯一の医療職、救急救命士を有する。


各、係を「隊」に読み返え、1つの隊を小隊と表す。

消防署又は分署に存在する小隊をまとめて中隊。

消防署とその分署全ての中隊をまとめて大隊と表す。



名称等々が違えとどの市町村も基本的な消防署の姿は同じである。



消防組織の係においては専門的な教育を受けなければならない係もある。

その最たる例が救急隊である。


救急隊になるには救急標準課程と言われる消防組織が実施する専門教育を受けなければ救急車に乗り活動をしてはいけないことになっている。

また、救急隊員の中にはもう一つ。

総務省管轄の消防組織で唯一の医療国家資格を持つ隊員も存在する。


救急救命士。


救急救命士法第2条にて「厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者」と記されている。


救急救命士にはさまざまな医療行為が認められている。



この話はそんな消防組織で唯一の医療国家資格をもつ救急隊、救急救命士の話である。

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