第29話 キャラ渋滞中
どうやら天界とやらに呼ばれたらしい
「おーい出てこーい!スキルの奴は許してやるけど職業と称号の奴は直ちに出頭しなさい!さもないとその辺に魔力弾打ち込み続けるぞ!」
そう宣言すると目の前に3人の男女が現れた
1人目はチョロ女神ことスキルの神
2人目はチャラそうな兄ちゃん
3人目はギャルっぽい姉ちゃん
3人ともビビってるのは気のせいではないだろう
『シンジ君、2人を呼んできたから魔力弾も車もやめてね!』
「それはそいつら次第だな。んで、どっちがどの神とやらなんだ?いやどっちでもいい、性職者(笑)を消してもらおうか?」
チャラ男とギャルがバツが悪そうにしている
態度なんざどうでもいい早くしろ
『シンちゃんチョリーッス!やりらふぃ~!あたしぃー、称号の神なんだけどぉー?べっつに聖女喰ったんだから問題ないっしょ?大丈夫そ?ってゆーかー、どこがいけないわけー?マジ卍なんだけどぉー?』
見た目もしゃべり方もギャルでした
チョリースじゃねぇんだよ
やりらふぃ~ってなんだ?
しかも新しいのか古いのかわからない
『ウイーっす!オレっち職業の神やってんけどぉ?性職者(笑)いいじゃーん?マジで!てかオレらパリピじゃん?ウェーイっしょ?ウェーイ!バイブスぶち上げー!』
うん、お話にならんね
俺は一瞬でトンネルを作りソニに乗り込む
この間0.7秒
無言でエンジンを始動し、ギアをドライブに入れブレーキとアクセルを全開で踏み込む
ちなみに今回は反対側の壁の厚さは10メートルある
「とりあえず……逝っとけ?」
俺はニコリと笑いブレーキを離す
猛スピードで走り出すソニ
奴等はビビって身動き一つ取れていない
『ぎゃああああああ!』
強烈な衝撃がソニの車体を揺らす
うむこれぐらいでいいだろう
「直す気になったかな?それともまだ痛い目に会いたいか?」
『あわわわわ。シンジ君あれ死んじゃったかもよ!?』
それは知った事ではない
ふざけてノリだけで舐めた職業を付ける方が悪い
その後スキルの神によって無事救出された2人の神(神だから柱なのか?)は俺の前で土下座をしている
『サーセンっしたぁ!お気に召さない職業と称号は外させてもらいまっす!本当にサーセンっしたぁ!』
タカムラ シンジ
男、異世界人
30歳
レベル23
職業:建築家、旅人、ドライバー、土木作業師、詐欺師
称号:異世界トラベラー、大量轢き逃げ犯、オープンスケベ、夜の帝王、怒れる戦士、高橋名人、神を調略せし者、恫喝者(NEW)、トンネラー(NEW)
スキル:アイテムボックス(素材)、言語理解、棒術レベル4、徒手空拳レベル3、見切りレベル4、性愛術レベル4、轢き逃げアタックレベル5、魔力弾、詐術レベル1、魅了
ユニークスキル:
確認しました
なくなってるね
でも増えてるね?
恫喝者はまあそうかなって思うけどトンネラーってなんぞや?
野球とか球技でボールを後逸しちゃうってあれ?
しかしこの茶番は一体なんだったのか聞きたいね
恐ろしい物を見たって顔してスキルの神が震えてるけどもうこいつらに用はない
あ、一言だけ言おう
「ねえ?次に変なのついたら君ら……わかってるよね?んじゃ帰してくれ。」
ぐったりしてるギャルに向かって言うと目が虚ろになってる、怖いです
意識が遠くなり戻る瞬間
『バーカ!もっとおかしな職業にしてやるからな!』
『そーだそーだ!覚えてやがれ『旅人』が!』
ちっ、あいつらぁ!
普通にしゃべれんじゃねぇか!…そんなことを思ってしまった
そう思わされたのがなんか悔しい
翌朝朝食を取ってから向かうことに
馬車は、遅いからソニで牽引して進むことにした
馬が馬車に乗るというシュール展開
馬が暴れないように男連中には馬車に乗ってもらいソニに女性達を乗せる
女性に囲まれていたかった訳ではない
そう女性に囲まれていたかった訳ではないのだ!
誰に言い訳してるんだろうな?
「シンジ様はこのような乗り物まで持ってらっしゃるのですね。さすが『旅人』様です。」
ソファーに座ったアラベルが天に祈りを捧げている
あんな奴等に祈る必要などないぞ?
「とりあえずだ。行ける所までは橋で行くぞ?馬車で3日なら昼くらいには着くだろうから方向を間違えないように教えてくれ。」
終端まで来たのでスロープを出して降りていく
目の前の光景は当たり前だけど草原ばっかりだ
指示された方向へ進んで行く
途中休憩を挟むことにした訳だが俺はこの時牽引している馬車にも人がいる事をすっかり忘れていた
で、どうなったかって言うと……
「助けてー!」「馬を守るんだ!」「すげー!」「ひぃい!」
そうだったね、ソニの中にいるからすっかり忘れてたけど馬車は襲われたらひとたまりもないね……
しかしすげー君余裕あるね?
「すまん忘れてた!今助けるから馬車から出るなよ?」
馬車の周りにいる魔物を倒しながら石壁で囲んでいく
すると目の前の草原から走って来る魔物がいるのが見えた
うん?なんかサイズが…
でっかい!
近づく程に走る振動が大きくなり、家の外壁くらいの高さがある魔物が現れた
「なんじゃこりゃ!?でかいにもほどがあるだろ?」
体長が18メートルぐらいある
うん、ガ〇ダムサイズ
お台場にいるユニコーン並みの大きさ
見上げる形になるが首が痛くなるな
緑色の巨体には目が一つ頭にはツノっぽいでっぱりもある
「サ、サ、サイクロプスだぁ!!」
サイクロプスってこんなサイズなの?
こんな大きさの魔物が襲ってきたら簡単に住む場所は破壊されてしまうだろう
しかしサイクロプスねぇ
見た目はド〇クエでのイメージ通りではあるが、俺の中では目からビームを出すアメコミヒーローの方が勝る
とか考えていると周りの連中が上へ下への大騒ぎを始めているので魔力弾を放つ
頭を吹き飛ばして瞬殺であったが、カレンから目が高値で取引されるのにと大目玉を喰らう
目だけに!
はい、ごめんなさい
「さすがはシンジ様です♡」
なぜか知らないが聖女のシンジ様推しが半端ない
なんだろうか『旅人』に対して何かあるのかもしれない
教義的な?
今まで通ってきた2国はそんな感じはなかったけど、『忘却の国』は色々違うのかもしれないな
「ちゃんと壁作ったから休憩しよう。カレンがクッキー作ってくれたから配るよ。」
全員ケガもなくなんとか落ち着いてクッキーをパクつく
すまんな男共
ガチで忘れてたわ
心の中で謝りつつお茶で濁していく
休憩を終え再び走り出すと遠くに外壁が見えてくる
「アラベル、あれが街でいいのか?」
結構頑丈そうな外壁だ
サイクロプスはあまり出てこないようだが最悪を備えてかなり高めの外壁になっている
よく見ると所々崩れているが大丈夫なんだろうか?
「はい、あの町がこの国の第二都市チグルスです。人口が5万人とちょっとですね。」
こんな場所で国と街を構えて早500年
5万人と聞いたがこれが多いのか少ないのかわからないな
きっと今よりも多かったり少なかったりした時期があるだろうな
しかし幾度となく魔物の襲撃を受けそれでもここに暮らす意味とは?
そもそもカテラ大草原に魔物が現れるのはどういう理屈なんだろうか?
今度神達に会う機会があったら聞いてみるか
まあ機会があるというより会うだろうと思う
そんな事を考えながら大きな門の前に到着した
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