第28話 それは再現しなくていいです
『忘却の国』
この国に一体どれぐらいの人数がいるのかわからないが、とりオーすることにした
とりあえずオークの略、はい
馬車で進んで行くと行き止まりが見えてきたので停車させる
このまま進んだら罠で落ちちゃうからな
トラップを解除して外壁に開けた門から入るが、このまま行ったらうちの女子達が驚くだろうから無線で連絡
「おーい誰か聞こえるか?外壁まで戻ったから今から帰るな。それと途中で現地の人達を見つけたから連れて来た。」
一拍あってカレンが反応した
「シンジ様、お客様もお待ちしておりますね。」
なんか無線でのやり取りというか電話でもそうなんだけど、ちょっとしたイタズラをしたくなるのはなんでなんだろうか
でもしょうがないんだよ俺ぐらい小粋でウィットなジョークを言える奴は普通じゃ面白くないんだよ?
俺は考えて面白い事を言うってタイプなんだけど、そりゃ考えれば誰だって面白い事言えるだろと思うかもしれない
でもそうではない、考えるスピードが段違いに速いのだ
ほぼノータイムで答えを導き出す、言いすぎました
でも例えるなら三輪車とサイバーフォーミュラぐらい違う
対して考えないで面白い事を言うってタイプもいる
これは何にも考えてないというのではなく、切り返しの答えの引き出しが多いって事
こう言われたらこの引き出しだなという感じ
結局何を言いたいのかと言うと、アスラーダより凰呀が好きだって事
あれ?そんな話だったっけ?
アイテムボックスに門を入れて馬車を進めてもらう
「シンジ様!?今の声が聞こえていたのはなんですか!?」
聖女が混乱している
後で教えると手で制して門を閉じる
まあ門て行ってもブロック塀をはめ込んでるだけなんだけどね
アイテムボックスがないと入れないって仕組み
8人を連れて玄関に向かう途中エルルカとエリカが草むしりをしている
冬でも雑草って生えるんだよな
農作業は今まで興味なかったがやってみると意外と面白い
子供の頃水耕栽培でヒヤシンスを育てたくらいしかしたことないからな
あれは水入れておくだけだから誰でも出来るんだけど
「シンジ様おかえりなさい。お客様でしょうか?」
「うん、さっきそこで一緒になったんだ。アラベルさんこの子はエルルカ、隣の子はエリカ。んでこの人がアラベルさんとその仲間達。」
エルルカ達とアラベル達が挨拶してるが、すげー君が同じ年くらいのエルルカ達を見て鼻息を荒くしている
背後に回りうめぼしの刑を食らわせる
小僧が100年早いわ!どちらにせよ俺の大事な子達なのでやらん
玄関に着くとカレンが待っていたので聖女一行をリビングに案内してもらう
その間に空き地に家を建てておく
男性用と女性用の平屋だ
建て終わりリビングに行くと全員座って待っていた
「アラベル達用の家を建てておいたから今日はそこで寝てくれ。明日アラベル達の街に向かうけど……行きたい子いる?」
すぐにカレンが手を挙げた
マリーとエルルカ、エリカは行かないようだ
まあ皆で行くことが出来ないから誰かしら残ってもらうしかないんだが、誰を残すとか選びにくいから自主的に残ってくれると助かる
馬車の中で聞いた事をうちの子らに話していく
皆一様に驚きの声を上げたが3日前の事があったので住んでる人がいるかもしれないぐらいは考えていたようだ
長い事話を聞いていたので気が付いたら暗くなっていた
お腹も空いたので晩ご飯を作ることに
人数いるしな腹持ちがいい方がいいのか?
ご飯が出来たら呼ぶからと他の人達は作った家で待っててもらう
まあ何でかアラベルだけ残って見学していますが
今日の献立はコロッケとオークのサイコロステーキだ
ということで、パン粉とじゃがいもとオーク肉を取り出す
カレンにパンを焼いてもらっている間に茹でたじゃがいもの皮を剥きエルルカにマッシュしてもらう
パン焼き窯は最後に寄った街で買ったレンガで作ったものだ
エリカはスープ作り
俺はオーク肉を刻みちょっと荒い挽肉(ミンサーがないので細かくしきれない)にし、フライパンで赤い部分がなくなるまで炒め塩コショウをして冷ましておく
ふと振り返ってみると目を輝かせた聖女が居るが、俺は涎を垂らした聖女をじーっと見る
俺の視線に気が付いたのか顔を真っ赤にした聖女様は恥ずかしそうに
ニチャリと笑い、声を掛ける
「聖女様はご飯が待ちきれないのかなぁ?お昼あれだけ食べたのになぁ?」
「は、初めて見る調理法でしたので気になっただけです!」
早口になりながら答えてきたので
「教えて欲しい?教えて欲しかったらお願いしてごらん?ほら言ってごらん?シンジ様の黒くて固くて熱いのをくだぶべら!」
首に強い衝撃を受ける
いつの間にか俺の後ろに回り込んでいたマリーに延髄斬りを食らったようだ
何度も言うけどマリー、それ危ないか…ら…ね?
そこで俺は意識を失う
意識を取り戻すと、どうやらベッドで寝かされているようだ
なんか今日の枕柔らかくて温かいな、いい匂いもするし
目を開くと白一色
また変な世界に連れてこられたのかと少し身じろぎしていると声が聞こえた
「お目覚めですか?」
「あれ?アラベル?声は聞こえるんだけど辺りが白くて何も見えない。」
もうお分かりかと思うが俺はアラベルに膝枕されていてその大きな魔乳が目の前にあり何も見えない状況だったのだ
考えればわかりそうなものだが起き抜けでは気が付くはずもなく目を擦ろうとしてそれに触れてしまう
「うん?なんか柔らかいな。ってすまん!」
ガバっと起き上がろうとして今度はそれに顔から突っ込む
うん、すんごく柔らかいです!
「あん♪」
アラベルがとても人には見せられない顔になっている
感じやすいんだなぁなんてバカな事を考えていたが我に返る
「すまん!わざとではないんだ!俺に出来る事ならなんでもするから許してくれ!」
あれ?このセリフすげーデジャヴュ感じる
「今何でもっておっしゃりましたね?うふふふ♡」
まるであの時の再現VTRを見てるように感じるが時既に遅し
美味しく頂かれましたとさ
聖女って処女である事を求められてるんじゃないの?と思ったが相手が『旅人』なら問題ないらしい
この時程『旅人』で良かったと思ったことはない
いやいやそーじゃない、そーゆー問題じゃないからね?
それにこれ以上女性が増えたら大変だからね?
そもそもこの作品のレイティング”性描写あり”ではない
なので詳しくは語られることもないが
まーちょいエロ程度だからいいのか?
そうして夜が更けていった……
朝目を覚ますとアラベルが寝ている
そりゃそうだろうさ!
ついでに言うと反対側にはカレンも寝ている
まあそれはいつもの事なので気にしないがどうしてこうなった?
なんかすんごくステータスが気になったので見ておこう
タカムラ シンジ
男、異世界人
30歳
レベル23(UP)
職業:建築家、旅人、ドライバー、土木作業師、詐欺師、性職者(笑)(NEW)
称号:異世界トラベラー、大量轢き逃げ犯、オープンスケベ、夜の帝王、怒れる戦士、高橋名人、神を調略せし者、聖女喰い(NEW)
スキル:アイテムボックス(素材)、言語理解、棒術レベル4(UP)、徒手空拳レベル3、見切りレベル4、性愛術レベル4(UP)、轢き逃げアタックレベル5、魔力弾、詐術レベル1、魅了(NEW)
ユニークスキル:
うおぉぉぉぉおおおい!
俺を今すぐ天界へ呼べ!
性職者(笑)ってなんだコノヤロー!
名誉棄損で暴力に訴えるぞ?
しかも聖女喰いって間違ってはいないが、どちらかと言うと喰われたような?
あとはなんだ?棒術のレベル上がってるけど、これもしかしなくてもそっちの棒なわけ?
神とやらのセクハラが酷すぎる!
あ、これスキルだからあいつか!
俺は窓から全力の魔力弾を空に向かって撃ち込もうとする
ラ〇ボー怒りのアフガン!
『シンジ君それダメだってばぁぁああ!!確かに職業と称号の神達は面白がってたけど、スキルに関しては別に何かしたんじゃないよ?シンジ君が覚えたんだよ?魅了だって普通に覚えたんだよ?今すぐ神達に言うから絶対やめてね!』
「それじゃ俺の気が納まらん!今すぐそこへ呼ばないと本気でやるぞ!」
次の瞬間空と雲の中にいた
さぁて
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