第20話 新天地を目指して

メイガイア帝国首都カマクラーラ

帝国としての歴史は700年ほどで現在の皇帝は57代目

奴隷で借金奴隷、犯罪奴隷、戦闘奴隷、性奴隷

普通はこの4種類の奴隷らしいのだが、この国は更に


貴族奴隷、貴族が奴隷になったもの

皇族奴隷、皇族が奴隷になったもの

商売奴隷、商売に特化した奴隷

農民奴隷、農業に特化した奴隷

平民奴隷、平民がなる奴隷

がある


というより、皇帝以外のの人民が奴隷での国民がお金で買えるということ


なんでこんな話をしているかというと俺が所有している奴隷、エルルカとエリカは借金奴隷なのだが、首都に入るにあたっての入都税、それが他国の奴隷だと1人辺り金貨10枚も支払えというのだ

金貨10枚って100万円だぞ?

ちなみに俺やマリー、カレンの入都税は1人辺り小金貨1枚=1万円だ


侯爵から謝礼として金貨50枚を貰ったが食事をしたりエルルカ達と食料やらを購入したので俺の持ち金は金貨18枚となっていた

まあカレンに借りれば払えるがそこまでして入らなければならない理由もない


俺達は入都するのを諦めて西の国、アジール王国を目指すことにした

全国民奴隷とか正直碌なことにならないと思うし


だが今度は出て行くのだから出都税を払えと言う

いやいや、確かに門兵と話すのに門の中にまで連れていかれたが、横暴すぎるのではないだろうか



「まだ入都税を払っていないってことは入都したことにはなっていないはずだ。だから支払う義務はない。」



俺はそう言って椅子から立ち上がり部屋を出ていこうとしたら10人ほどの兵士に囲まれた



「お前達が税を払えないというなら借金奴隷だ。おい、女は別室に連れていけ!」



理不尽な事を言い、マリー達にイヤラしい顔で掴みかかろうとする姿に流石にキレた俺は『リグナムバイタ』で作った箱で兵士を封印していく

かなりイラついていたので今回は空気穴はない

しかも天井ぴったりサイズなので壊さない限り脱出することも出来ない

厚さ50cmあるけど壊せるかな?



「行くぞ!広い場所に出たらすぐ車を出すから乗り込め!」



俺達は早々にこの国から出ていく事を決めた




無事脱出出来たが4つしかない国の2つから追われることになったであろう俺達はこの先のことを考えなけらばならなかった



「このまま西のアジールに向かっても同じような事が起きる気がするな。南のデラボナに行くにはカテラ大草原を縦断するか西のアジール周りかのどちらかだ。」



「デラボナはあまりいい噂を聞きませんわ。首都には寄らないで街で買い物を済ませてどこかの森で生活するというのはどうでしょうか?」



そのマリーの発言に少し悩んだ俺は提案してみる



「それならいっその事カテラ大草原のど真ん中に街でも作ってみるか?俺のスキルなら簡単に作れそうだよな。」



「でも街を作っても移住者などは誰も来ないと思いますし、そこまで移動することも出来ませんよね。」



そう言ったカレンの言葉も一理ある


そうなのだ、前にも触れたが大草原の直径は2866㎞以上

中央付近でもその半分で1433㎞もある

直線距離で札幌から熊本くらい


魔物が襲い掛かってきて碌に休憩もすることが出来ない中、徒歩で移動するなど正気の沙汰とは思えない

というよりも誰もしないと言った方がいいだろう


でも本当に誰もいないのか?誰も確認してないってことは村や街、ひょっとしたら国があるかもしれない



「ソニなら襲われても心配はないし、カテラ大草原を走破してみるってのも面白いかもな。他の街や村なら急げばまだ追手がかかってないはずだ。住むことも視野に入れて、食料や種苗なんかも買ってみよう。行ってみて判断すればいいし。もし反対なら諦めるが…。」



「確かに誰も確認していないのですから現地人が居ないとも限りませんわね。それに国を興すというのも面白いかもしれませんね。」



そうして俺達はカマクラーラから馬車で1日では来れないだろう街で必要そうな物を次々と買い込んだ



「それじゃ大体しかわからないけど真ん中らへんまで行ってみようか。移動距離は1450㎞前後で考えておこう。…途中魔物に襲われるかもしれないからそこは覚悟していこう。」



トリップメーターをリセットし俺達はメイガイアの西側からカテラ大草原に進んで行った


相変わらずの見渡す限り草原しかない

危惧していた魔物の襲来も今の所ない

いい天気で眠くなってきたので車を停めて昼寝することにした



しばらくして起きてみると車の周りに複数の気配を感じる


窓から覗いてみると狼やら大きいゴブリンやらがソニに取り付いていた

ガンガン棍棒で殴ってるのとか魔法をぶつけてるのとか槍を突いているのとか

見てる分にはめっちゃ怖い

でも車内には何の衝撃もないのはありがたい


なんとなく思ったんだけど車をひっくり返されたりしないのだろうか

体当たりしまくってるオークとかいるけど一切い傾かないし振動もない


その辺りも謎だなとコーヒーを飲む

しかしこうして見ても魔物とはいったいどんな生き物なのだろうか

ソニに攻撃している奴等、見える範囲にいる種類だけでも5種類の魔物がいる

種類が違うのに揉めたりしないのだろうか


それと…どれを見ても可愛くない


もっとこう、ふわっともこっとした可愛らしい魔物とかいないのだろうか?

狼の子供なら可愛いかもしれないけど大人だとな

てゆーか今見てる狼、体長が4メートルぐらいある、でかすぎだろ


ずっと見ていてもしょうがないので再生タバコを吸いながら発進する

正面にいるでかいゴブリン達がまるでラガーマンのようにスクラム組んでるがこれ押し切れるのかな?


オートマだけどいけるかな?とアクセルをゆっくり踏むと必死な顔をしたゴブリン達がいる


正直キメー


めっちゃ必死な顔してんだぜ?

あれ?今ふと思ったんだけどこの緑の悪魔達…

何かに似てるなと思ったらピッ〇ロさんじゃね?

頭に触覚を生やしたらピッ〇ロさんじゃね?

魔貫〇殺砲とか打ちそう


そうかー、ゴブリンてナ〇ック星人が退化した生き物なんだな

いやむしろ進化したのか?

と俺はバカな事を考えながらアクセルを踏み込む

緑の悪魔達はコテンとひっくり返ったのでそのまま轢いていく


はい、レベル上がりました


うーん、速度ゼロ距離ゼロから走り出して轢いただけで死ぬとは思えないんだけど

謎だ……



マリー達はベッドルームでぐっすり寝ているので起きてきたら話し相手になってもらおう


まだ夕方だし先は長いしね

思い出した!こういう時こそ音楽じゃね?


俺はいそいそと音楽プレイヤーの電源を入れ曲を流す

自動再生だから何がかかるかわからない

まあそれがまた楽しみでもある


かかった曲はSEX MACHINEGUNSの「みかんのうた」


あー、みかん食べたいな

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