第18話 いざカマクラーラ!
奴隷として雇ったエルルカ・エリカ姉妹とルシルス商会の倉庫で購入した商品の確認をする
エルルカが商品を読み上げエリカが確認し俺がアイテムボックスに仕舞うという流れ
アイテムボックスに入れながら番頭に見える範囲にある生鮮などをもう1樽ずつ購入する旨を伝える
多めには購入したけど2人増えたから足りなくなるかもしれないしな
日本で買った食品は手に入らないだろうから出来るだけ使いたくないし
追加の樽も仕舞い番頭に礼を言い店を出る
「いい時間だしどっかでご飯食べてから街を出ようか。」
4人を伴って歩き出すが初めての街だしどこが美味しい店とか知らないわけで
エルルカに聞いてみると大通りに美味しいオークの肉を出している店があるらしい
オーク……人型の豚の化け物ですよね?
ふっつーに食べたくないんですが……
変な病気とかならないよね?
「牛とか豚とか鶏とかないの?オークは忌避感満載なんですけど。」
「シンジ様、これから行こうとしているお店のオークは家畜として飼育されていますから大丈夫だと思いますよ?野生のオークはそこそこ美味しいのですが、養殖されたオークは豚肉よりずっと美味しいですよ。」
はーん?野生のオークはそこそこ美味しいのか
でもなー見た目がなー食べずらいよなー
カクヨムなんかでも転移者や転生者が普通に食べてるけどよく食えるなと思うよ
まあそれ言っちゃったら日本でも色んな動植物食べているけど
でもさ異世界だぜ?侯爵家で食べちゃってるのかもしれないけど未知の病原菌とかあるかもしれないじゃん?
いや、こっちの女性を抱いてる時点でアウトか
食わず嫌いなのかなー
あんまり気が進まないが食べてみてダメそうなら考えればいいか…
「うんまー!なにこれマジで美味いな。見た目赤身が多いけど油が少ないってわけでもないんだな。歯応えも豚そのものだしむしろ変なスジがない分食べやすいな。」
オークの生姜焼きステーキを頂きましたが目から鱗、完全に忌避感なくなったね
道中見かけたら出来るだけ轢いてお肉にしたいと思います
5人共満足で店から出た
これ以上この街に用はないので歩きで通用門に向かう
街の外に出るまで特にイベントもなく目立たない場所でキャンピングカーを取り出す
「ええええ!?馬車はどうされるのかと思ったら乗り物のアーティファクトをお持ちだったのですね!ふわぁ、初めて見ましたぁ。」
エルルカとエリカの反応が可愛い
下心マシマシだったが2人共16歳だしな
俺は30だしちょっと犯罪臭もするから手は出しにくいな
そういえば俺以外全員10代か……
思うところがないわけではないがこっちの世界は15歳で成人らしいし考えるだけ無駄か
結局は俺の心持次第だなと皆に乗車を促す
「全員乗ったな?で結局どこに行くんだっけ?アジール王国かメイガイア帝国なのは覚えてるけど、どこかは決めてなかったよな?」
「ですねぇ。南のデラボナ国はローグナーと仲がいいので追手がかかりやすいはずだから除外しましたから…。」
「ならまずは北のメイガイアを目指そう。そこで問題がありそうなら西のアジールに向かえばいい。」
そのやり取りを聞いていた新規2人が恐る恐る声を出す
「あのぉー、追手とかって聞こえたのですが……、ご主人様は追われているのでしょうか?」
ご主人様とか!だがそれも悪くないだろう!ピューイ♪
いやいや慣れないな
「ご主人様だとこそばゆいからシンジにしてくれ。それと俺達は追われてるかな?
いや実際追われてるのか見てないからなんともいえないけど探されてるのは間違いないと思うよ。あんまり気にしないでいいぞ犯罪ではないから。とりあえず出発するぞ?」
詳しい説明といってもそんな大したもんじゃないのでカレンに説明させる
ついでにソニの機能説明なども頼んだ
今日の助手席はマリーだ
「マリー、こっちでいいんだよな?それと助手席疲れたらいつでも後ろに行ってもらって構わないからな。」
アラハマからメイガイアの国境まで馬車で2週間
その間に街や村などあるみたいだがよっぽどの事がない限り寄らないことにした
何処に向かったかいずれバレるかもしれないが極力避けたいからだ
「こっちで大丈夫ですわ、シンジ様。途中分岐などないので道なりに向かえば北のメイガイアですわ。そういえば助手席は初めてでしたが馬車と違って風を受けないですし椅子も座り心地いいですから楽ですわね。」
俺の親父はすごく拘りがある人でソファーや座席、内装、装備品など純正ではない
材質から手触り、クッション性、果てはベッド、冷蔵庫に至るまでかなりお金をかけて改造したそうな
今は帰れそうもない異世界ですがね……
後ろから『旅人!』とか聞こえたがきっとカレンが俺の素性を説明してるのだろう
再生タバコ(車内の灰皿で再生されたタバコ)を取り出し火を点ける
そういえば特に気にしてなかったがタバコ臭いよな?
吸わない人には臭くてしょうがないみたいなこと言われたことあるが…
なんでか車内に匂いが籠ってない、煙で白くなってもいないし
これも再生のおかげなのだろうか
ふと気になって煙の流れを見ていたら吐き出したりタバコから直接出ている煙が途中で消えてる?
どうやら俺からか運転席からかわからないが一定の距離を離れると匂いも煙も消えてしまうようだ
これも検証が必要かな?ご飯作っても匂い籠らないからソニ自体の能力の一環かもしれん
まあ皆に嫌な思いさせてなければそれでいい
「これから向かうメイガイアの首都ってなんて名前なの?特産品とかあると楽しみだな。」
「メイガイアの帝都はカマクラーラですわね。左右が峻厳な山に囲まれ後方に海、手前にも山がありますが整備された道が何本もありますわよ。食べ物は海の幸が有名ではありますわね。」
3方山に囲まれて海があるカマクラーラ
思うところがないでもない、だがツッコまない。俺はツッコまないぞ!
きっと名前付ける背景に日本人の『旅人』がいたんだろうなー
遠い目をする俺
煙が目に染みるぜ!
食べ物は海鮮物か
刺身とか食いたいけどそれこそオークの比ではないほど危険な気がする
異世界のアニサキスとか怖すぎる
魚で思い出したけど日本からの持ち込み品にサーモンの燻製とか結構買ったな
燻製機もあるのだが失敗したら嫌だったので購入していた
食べたくなったので晩酌しながらにしようかな
「そういえばエルルカとエリカはどんなスキルがあるの?手荷物なかったってことはアイテムボックスはあるんだよね?」
「私はアイテムボックスと鑑定を持っています。2年ルシルス商会にお世話になっていましたので覚えました。毎日鑑定していたので鑑定レベルも高いですよ。」
「私はアイテムボックスはないです。毎日お母さんの看病をしていたからか回復なら持っています。まぁお母さんは病気だったので回復ではどうにもならなかったんですけどね。」
エルルカは鑑定持ちかソニの謎スキルがわかるかもしれない
エリカは回復かケガしたときに助かるな
「エルルカは鑑定があるのか。なら一つ頼みたいんだけど、この車を鑑定してもらえないかな?謎のスキルがあるっぽいんだよね。」
「物にスキルがあるのですか?わかりました、鑑定してみますね。うーんうーん、鑑定!」
エルルカは両手を前に突きだし鑑定を唱えた
一瞬ぽよんと跳ねたお胸様に気を取られたが、そんな可愛らしい掛け声とポーズで鑑定ってするの?
お兄さんエルルカに萌えちゃったぜ
ここで敢えて触れておくけど今運転中でよそ見しまくりですでに5回はゴブリン轢いてるよ?
「うーん、スキル不壊と再生は見えましたがユニークスキルは見えませんでした。」
エルルカも見えないか
気にするほどのことでもないのかな?今の所何の支障もないみたいだしそのうちわかったらでいいか
「ありがとう。いずれ鑑定レベルが上がったら見てみてくれ。今日は街には寄らず適当に進んだら休もう。まだまだ先は長いしな。」
夜はスモークサーモンと焼酎のロックかな
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