第17話 誠意はカボチャではない

紹介された日用品を扱っているお店を見てみることに

ふむふむ、こちらの世界は中途半端に近代化されているので置いてあるものがよく言えばアンティーク、悪く言うと古臭い物が多い

でも田舎の古びれた商店とか行くとこういう感じかなーって感じ?


特に目新しい物はないかなと冷やかしを続けていると結構格好いいランタンを発見

魔物から取れる魔石を使用して光るらしい

熱が出ないし火事の危険もないので重宝するみたいだ


点けさせてもらうと疑似的な火が揺らめいてる

キャンプ好きとしては是非手に入れたいギアなので雫金貨1枚で購入


そういえばこちらの金銭に触れてなかったので説明すると



銅貨1枚=10円


銅貨10枚=雫銀貨1枚=100円


雫銀貨10枚=銀貨1枚=1000円


銀貨10枚=雫金貨1枚=1万円


雫金貨10枚=金貨1枚=10万円


金貨10枚=大金貨1枚=100万円


大金貨10枚=白金貨1枚=1000万円


雫と冠した硬貨は円錐形を思い浮かべて欲しい

硬貨だから平べったいが


まあ銅貨が10円玉で銀貨が1000円玉とかって覚えればいいかな?

細かいから間違えないようにしよう


そういえば昔の東京オリンピックの時の記念硬貨で1000円玉があったな

50円玉の倍くらいの大きさの硬貨

親父が記念硬貨マニアで保管場所から見つけて弟と投げて遊んでたら殴られたのを思い出す


うーん、硬貨はいいけど枚数あると嵩張るし重いよな

お札なんかないんだろうか?


マリーに聞いてみると個人のやり取りではないが、お店同士や貴族などは独自の紙幣的な昔の日本で言うと藩札みたいな物があるらしい

信用取引かな?

平民はそんな大金を扱わないのであまり関係ないみたいだ


そういえば適当にしか確認してなかったが侯爵から貰った謝礼ってどれぐらいだったのかとアテムボックスから革袋を取り出して見てみると金貨が49枚と今使ったので減った雫金貨が9枚入ってた


499万か

結構な金額で驚いた

人柄的には全く尊敬できなかったが



「よしぼちぼち1時間経ったかな?裏の倉庫に行くか。」



ルシルス商会の裏側にある倉庫に向かうとまたもやガラの悪そうな連中に囲まれる



「テメーかアタシの子分共を可愛がってくれたって奴は。」



おっかない感じのお姉さんが手下を引き連れて待っていた

お姉さんは金髪に赤いメッシュが入った某ロボットアニメに出てくるキ〇ラ・スーンのような見た目だ


しかしなんだな…

お胸様がない!

ここまで会う人会う人大きいお胸様の持ち主ばかりだったのでがっかりだよ



「知らないですね、人違いじゃないですか?」



「そんなわけないだろ、アタシは見てたんだからね。さ、落とし前つけてもらおうか。」



そもそも向こうから絡んできて先に暴力を振るってきたのに落とし前とはこれ如何に

そーだそーだと騒ぎ立てる子分共を一睨みし親分?に話しかける



「そっちが一方的に絡んできて返り討ちにされたからって落とし前とか。頭悪すぎて何も言えないわ。なんならもっとケガ人増やしてみるか?」



「アンタの実力は見せてもらったよ。大きな口を叩くのもわかるが、これならどうだい?誠意ってのを見せてもらおうじゃないのさ!」



女の後ろから両手を縛られたエルルカとエリカが連れてこられた

いやいや、ルシルス商会の人ら何やってるのよ、店内に強面の人とかいたじゃん!



「なんかよくわからんけどその子らルシルス商会の子であって俺とは関係ないぞ?とりあえず商品の受け渡しあるから行くわ。んじゃな。」



我関せずとマリー達を連れて歩き出s…うしろにまわりこまれたダメだにげられない!


ひいふうみい…20人もいるのか、こりゃあ簡単には逃げられないな


普通なら


アイテムボックス内で創作した底のない木の箱で手下共を囲うように出していく

突然現れた箱に騒ぎ立てているが遅い

あっという間に親分を含む奴らを捕獲、あとはエルルカ達を捕らえてる男が一人だけ



「あのー俺は捕まえてろって言われただけなんで、もう行ってもいいですかね?」



冷汗だらだらの男が言う



「ああ、その子らを離したらどこへでも行けばいい。」



エルルカ達を突き飛ばし走って逃げていく男

突き飛ばされた瞬間「ばるん!」と揺れてるのは見逃さなかったばるん!


しかし逃がさん

箱に閉じ込める

箱を殴ったり蹴ったりしてる音が聞こえるがその程度では壊れないよ


そもそもその箱、厚みが30cmある、しかも継ぎ目なし

そして何と言っても世界一重く硬い木材『リグナムバイタ』

殴る手が壊れると思うし数人ずつに分けて入れてあるから持ち上げることもできない


『リグナムバイタ』

比重が水の1.2倍から1.3倍もある木

つまり水1kgに対して同じ容積で1.2~3kgあるってことだ


箱の大きさが1辺3メートルの正方形、厚みが30cm

約11㎥の箱(箱自体の容積だけで)

箱だけの重さで13トン~14トンもある


20人全員で頑張っても持ち上がらない

一人辺り650kg持ち上げろとか無理ゲーすぎる

いくらレベルというシステムがあっても厳しいだろう

それに1箱4人くらいずつだったからそれ以上だろうし…

まぁそれは箱全部を持ち上げる場合だが片側を持ち上げるのでも大変だろう

指掛からないだろうしね


空気穴開けてあるし酸欠は大丈夫

最悪地面掘れば逃げられるよ。うん。



「大丈夫だったか?ケガしてないといいんだが。」



立ち上がらせて服に着いた埃を払ってやる

幸いケガはないようだ



「「ありがとうございますシンジ様。」」



泣いている2人の頭を撫でて衛兵を呼んでもらう

箱が大きいから通行の邪魔だろうし、このまま放置はしてられない

すると箱から親分?の情けない声が聞こえてくる



「もうしないから出しておくれよぉ。アタシ暗いところダメなんだよぉ。」



イラっとして箱に向かって言う



「自分がやられて嫌な事は人にしない!それが普通でしょうが。徒党を組んで襲い掛かってきてやられたら泣くとか、恥の上塗りだな。今衛兵が来るからそのまま待ってろ。」



衛兵という単語が聞こえたからか箱を殴る音が数度聞こえたがあまりにも硬すぎて殴り疲れたようだ

きっと拳も血だらけに違いない


少ししたら衛兵がやってきたので1箱ずつアイテムボックスに入れ、中にいた奴等が拘束されて行く

案の定、拳が血まみれ&蹴って捻挫した奴もいるみたいだが知ったこっちゃあない



衛兵にお礼を言われ連行されていった

事情聴取されるかと思ったがそこは天下のルシルス商会

番頭さんがちゃんと説明していたらしく(袖の下あり)何事もなく終了



「シンジ様、当商会所属の奴隷をお助けいただき有難う御座いました。不躾ではありますが、奴隷などご入用ではありませんでしょうか?先ほどお助けいただきました2人がどうしてもシンジ様の奴隷になりたいと申しておりまして…。シンジ様さえよろしければ格安でご提供させていただきたい。」



うーん、人手は足りてるんだよなとマリーを見たら頷いている



「わかった。2人を購入しようと思う。」



とても喜んでいる2人に支度をするように言い番頭に割符と料金を支払う

全部で大金貨3枚

細かい内訳はカレンが見ていたがエルルカとエリカで大金貨2枚だったようだ

格安って定価じゃねーかと思ったら奴隷を購入すると登録費やら税金やらかかるらしい

その分を無料にし更に食料代の端数をまけてくれたようだ

しかし人って安くね?


聞いてみると奴隷は奴隷でも借金奴隷だった

病気の母親の為に薬代を捻出するべく奴隷になっていたらしい

残ってる借金が大金貨2枚とのことだった



「エルルカ、エリカ。食料を大量に買ったからわかるだろうけど俺達はこれから遠くに旅に出るんだぞ?行ってしまったらもう母親に会えないかもしれないがいいのか?……甘いかもしれないが2人が望むなら奴隷から解放して家に帰ってもいい。」



「大丈夫です。私達シンジ様についていきます!お母さんには手紙を書きましたから。もう会えないかもしれませんが何度も手紙を書きます。」



何が2人を決心させたのかわからないが旅は道連れ世は情け

可愛いし爆乳だし連れて行くのは吝かではない(下心マキシマム)


人数増えちゃったけどキャンピングカーだし、まーなんとかなるか?

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