第10話 衝撃!簀巻き男の怪!
カレンに先導され門兵が敬礼する横を潜り抜けていく
門には馬車だけの列と通行人だけの列、要人用とあったが要人用を使った
俺は気が付いてなかったが昨日マリアベル達が村長の所から戻ってきたときフロントに侯爵家の紋章旗をつけていたようだ
ニーズ村も大きかったが領都というだけあって道幅も広いしすごく活気のある街だ、そもそも領都だし街というより都市だな
領都リューズ
人口約15万人
城壁内の広さ25平方キロメートル
都市の中をラゼルという川が流れていて生活用水でもあるらしい
建物は白を基調にオレンジ色の屋根がヨーロッパを彷彿させる
ローグナー公国首都の第4衛星都市
現侯爵は善政を行っているらしく治安は良く、スラムはない
常備兵は8千、待機兵を合わせると1万6千
これが多いのか少ないのかは知らないが人口の約1割が兵士って凄いな
日本だったら10人に1人自衛隊員てことだろ?
現在の日本は自衛官、予備隊員などを合わせて約30万人
人口は約1億2400万人
となると約413人に1人の割合だ
そうなるとローグナー公国って兵士だらけじゃないか、これで治安がいいのだろうか
いや治安はいいんだろうけどもしかして戦争とかあるのだろうか
今いるエイジア大陸には4つの国家があり東西南北に別れているらしい
マリアベルに聞いたらここ300年、戦争はないそうなのでどちらかというと魔物対策なんだろうな
ア〇リアモービルsonic、もう名前なげーな『ソニ』でいいや、伸ばしたらダメよ
ゆっくりソニを進めていくとまた門が見えてきた
これが領都第二の門でこの先が高級住宅街と貴族街らしい
更に三つ目の門を越えると、領主館
館ってより城にしか見えない、城と呼ぼう
ドイツにあるホーエンツォレルン城みたいで格好いい
「シンジ様このままお進みいただき、正面に見えます大扉の前で止まってください。お嬢様、ペドリス様がいらっしゃってるようです。」
カレンに言われた通りやたらでかい扉の前で止まる
二人と降りていくと待っていた爺さんがこちらに来た
「マリアベル様、お帰りなさいませ。ご当主様がお待ちです。こちらへどうぞ。」
「ええ、わかりましたわ。カレン、シンジ様をご案内して差し上げてください。お父様とお話が済みましたら参りますので。ペドリス、こちら道中に大変お世話になりましたシンジ様です。丁重にもてなしてくださいね。」
「はい、お嬢様。シンジ様こちらへどうぞ。」
急いでマリアベルが行ってしまったのでカレンに先導され館に入って行く
うん、後ろ姿もいい
小股の切れ上がったいい女ってやつだ
スカート越しだがきゅっと引き締まったウエストとお尻もいい
睨まれた
後ろにも目がついているのだろうか?などと馬鹿なことを考えていたら部屋に着いた
「シンジ様こちらの部屋でお待ちください。後程お嬢様と旦那様がお見えになると思います。私も一旦下がります。それと私以外のメイドが来てもオイタされませんように。」
カレンにならいいのだろうと解釈します
その割に所々目線キツイんだよなー
夜ならいいのだろうか
また睨まれてる
「大丈夫だよ、カレンにしかしないから。というか俺は何を待ってるわけ?謝礼貰ったらお役御免だよね。他に何かあるんだろうか。」
「さぁ?お嬢様に案内するよう申し付かりましたのでそれ以外はわかりかねます。」
なんか態度固くなったな?
ああ、城に入ったからか
メイドとして接してるんだな
「なら大人しく待ってるよ。」
出ていくカレンに手を振り、やることもないしとステータスの確認をしていく
タカムラ シンジ
男、異世界人
30歳
レベル:7(UP)
職業:建築家、旅人
称号:異世界トラベラー、轢き逃げ常習犯(UP)、ムッツリスケベ(NEW)
HP:330
MP:99999999
攻撃力:98
魔力:99999999
防御力:83610000
素早さ:116
器用:176
スキル:アイテムボックス(材)、言語理解
ユニークスキル:
アイタター
轢き逃げ常習犯って称号がパワーアップしちゃってるよ?
まぁゴブリン轢き逃げしてレベル7まで上がったやつは俺以外いないだろうな
しかし魔物倒しても犯罪ではないのに常習犯とはこれ如何に
それとムッツリスケベって…
誰が称号付けてるのか知らないけど、悪意しか感じない
声を大にして言いたい
ムッツリではない!オープンスケベだ!
…後でステ見直したときオープンスケベになってたらどうしよ?
泣いちゃうよね
他のステータスはカンスト部分以外はちょいちょい上がってるって認識でいいのかな?
他の人のステ見たことないからわからんけど
そんな軽い絶望を味わいながら待っていると領主と思わしきおっさんを先頭にマリアベルとペドリスというおっさんと数名の兵士のおっさん、それと簀巻きにされ顔面をボコボコにされた男?が連れられてきた
おっさんばっかりだな、加齢臭うつったらヤダな
「やあ、君がシンジ君だね、娘が世話になったようだ。ありがとう!謝礼を用意させてもらったよ。ぜひ受け取ってくれ。」
侯爵なんていうからどんなめんどくさい人が来るのかと思ったら意外とフレンドリーで面食らった
「すまんすまん挨拶もまだだったね。私は侯爵ダグラス・フェートリューズと言う。今回は面倒に巻き込んですまなかったね。」
「シンジです。たまたま壊れた馬車の横を通ったときに声をかけただけですから。お気になさらないでください。ところで物凄く気になるのですが、あの簀巻きの方は…もしかしなくても今回の犯人でしょうか?」
「うん、そうだね。この馬鹿甥のせいでこんなめんどくさいことになったから反省させる意味も込めて全力で殴らせてもらったよ!未遂で終わったからこの程度だけど、そいつがつき飛ばした娘が万が一傷でも負ってたらこんなものでは済まなかったね。それはそうと君なかなか面白い馬車持ってるらしいじゃない?アーティファクトなのかね?そうなのかね?できれば見せて欲しいのだけれども。そして譲ってもらったりなんかできないかな?私はね、アーティファクトに目がないんだよ。あれはね30年前の話なんだけど「お館様!」なんだよーこれからがいいとこじゃんかよー?」
ものすっごいマシンガントーク。
カレンの話でアーティファクトが好きだって話は聞いていたけどここまで熱があると引く
「侯爵様、あれは父親から借り受けたものですのでお譲りするわけにはまいりません。でも見学されるのは構いませんよ。」
どうしてもアーティファクトって言われると、はに〇くん思い出しちゃう
…色んな意味で伏字になってねーな
「本当かい?じゃあさっそく見せてもらえないかな?今行こうすぐ行こう!あ、ペドリス、謝礼をちゃんと渡してね?行くよシンジ君!」
俺を振り返りもせずダッシュで行ってしまった
「シンジ様、お父様が申し訳ありません。アーティファクトの事となるとまるで子供のようになってしまって困っているのです。」
マリアベルが申し訳なさそうにしている
苦労してるんだな
で、さっきから気になってるんだけどマリアベル?
何で両手が赤いの?
特に甲の指の付け根の固い部分、真っ赤だよね?
でも怖すぎて聞けない
「あ、ああ。気にしないでください。見たことも聞いたこともないのなら見てみたくなりますよ。分解されたら困ってしまいますがね。」
ペドリスから謝礼を受け取り中身を確認しないままアイテムボックスへ
とりあえずフェートリューズ侯爵を追いかけるかな
……簀巻きの人、動かないけど大丈夫だろうか
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