第9話 据え膳うんぬん言うやつは後先考えていない

結論から言うと、カレンと

俺も久しくしていなかったし、昨夜の事で申し訳ない気持ちもあった、そこにカレンの猛プッシュに負けてしまった


…言い訳はよくないな

煽情的な格好をしていたし、凄く魅力的だったので抱かせていただきました。


朝起きたらすでに目を覚まして寝ながらこちらを眺めていたカレンは妙に色っぽかった

いたずら心に火が付いた俺は大きな二つの実を指で突いて遊ぶ


ふわーやらかいなーこのおーきなポッチはなんだろー


いかんいかん、マリアベルが起きたら気まずいだけではすまない



「おはよう。シャワー浴びて着替えたら朝食の用意するけど食べる?村長さんとこで食べるのなら俺の分だけにするけど。」



「おはようございます。起きてすぐ私を弄んでおいてそこはスルーですか。そういうのは夜に…いえ、私共もこちらで頂きたいです。村長にはすでに挨拶が済んでおりますので朝食を頂いたら出発いたしましょう。」



「…すまん、目の前に余りにも魅力的で豊満な果実が実っていたからな。朝食か…簡単な具のサンドウィッチにしよう。」



ベッドから降りてそそくさと着替えた俺はアイテムボックスから食パン、タマゴ、玉ねぎ、コンビーフと調味料なんかを出す



「サンドウィッチが何か知りませんが、パンに挟んで食べるものでしょうか。お手伝いしましょうか?」



「手伝いは大丈夫、ささっと作っちゃうから。サンドウィッチはパンを狩りやカードゲームなんかで手軽に食べられるようにしたものだよ。」



さてと手早く作りたいのでちょい手抜きタマゴサンドとコンビーフサンドにしよう


フライパンを電磁調理器で温めながら生タマゴを落とし、塩を入れかき混ぜる。半分固まったら電磁調理器から離す。

余熱でタマゴが固まる間に玉ねぎをみじん切りに。

別のフライパンを取り出しコンビーフと玉ねぎを塩コショウで味付けし軽く炒め電源をオフにする。

パンの片側にマーガリンと粒マスタードを塗る。

ぼちぼちタマゴが固まっているのでコショウとマヨネーズを加えて混ぜる。

マーガリンを塗ってない食パンに炒りタマゴを満遍なく乗せもう1枚重ねて耳を落とし三角になるように切れば手抜き時短タマゴサンド完成。

食パンじゃなくてバターロールでもよかったんだけどね。

次にマーガリンを塗った食パンに軽く炒めたコンビーフと玉ねぎを敷き詰め耳を落とし長方形にすれば俺流コンビーフサンドが完成。

ちなみに本来の俺流タマゴサンドの作り方はゆで卵で作る

ウィンナーとかも焼けばよかったか



「出来たよ。口に合うかわからないけどラップしておくから、マリアベルが起きたら食べさせてあげて。」



調子に乗って2斤分も作ってしまった

テーブルに紅茶を置いてサンドウィッチを何個かアイテムボックスに放り込む

運転しながら取り出して食べれたら楽じゃないかと昨日から考えていた



「単純ですが美味しそうですね。お嬢様が起きていらしたら一緒に頂きます。」



「うん、じゃあカーテン開けて出発しようか。今6時だからお昼ぐらいに着けたらいいね。」



てことで出発

ニーズ村から領都までの道は完全に舗装されている

これなら60㎞/h以上出せそうだ


コンビーフサンドをパクつきながら前方に注意を向ける

右手は森、左手はカテラ大草原

この辺りは森と大草原の間に沿って道を繋げていったように見える



「グギャッ」



最近慣れ親しんだ悲鳴といつもの振動


今日もいつも通りゴブリンを轢き殺して進んで行く

こんなにゴブリン多いとかこの街道大丈夫なの?ゴブリン大進行とかしちゃってるんじゃないの?

カレンは特に気にしてないようだ



「おふぁようござりますぅ…。」



ようやくマリアベルが起きてきた

寝起きは悪そうだ



「おはよう。随分眠そうだけど?朝食は用意してあるから移動しながらになるけど、食べられるようになったら食べて。」



運転席と助手席の窓を少し開け、タバコに火を点ける

食後の一服はやめられないな



「カレン、カーテン開けたり窓を少し開けたりしてもらえると助かる。あー、マリアベルが着替え終わったらでいいよ。」



寝巻のまま出てきたからちょっと驚いたぜ

ぷるんぷるん揺れてるんですもの

何がとは申しません、カレンの目が怖かったし

しかし普通の車と違ってセンターミラーがないのが悔やまれる

ミラー越しに眺めていたかったのに

振り返っていたら危ないし、ゴブ事案発生しちゃう


暫くすると二人してサンドウィッチを食べ始めたようだ

美味しいだのなんだのキャイキャイ騒いでる

口に合ったようでよかった


夜中の運動会があったので朝から疲れている俺は休憩させてもらうことにした

インスタントのコーンスープを人数分テーブルに並べる

決して女子だけで騒いでいるのが羨ましかったからではない

もう一度言おう羨ましかったからではない



「もうこの辺りまで来たのですね。馬車でしたら後半日も走ればリューズまで着きますよ。」



街に近づいてきてちょっと挙動不審になってきたマリアベルがそう言う

今更だけど聞いておいた方がよさそうな気がする



「差し支えなければマリアベル達が急いでいる訳を聞かせてもらえないかな?もちろん聞かせられる範囲で構わないけど。」



マリアベルはカレンに視線を送り、二人して頷き語りだす



「そう…ですね、シンジ様には話さなければなりません。侯爵であるお父様には私と妹、女子しか子がおりません。そう遠くない未来に夫を持ち侯爵領を継がなければなりません。

しかしそこに待ったをかけたのがお父様の甥、まぁ私の従兄ですわね。

本家に男子がいないなら自分が継ぐべきと騒ぎ出しました。

そんな時分、私は公務で隣の伯爵領までフェートリューズ侯爵代理として行っておりました。

そこにこれ幸いと従兄がお父様を監禁したとの一報が届いたのです。

次報で鎮圧されたと届きましたが。

お父様とこの件を収める為に呼び戻され急いで帰っている所で馬車が壊れシンジ様が通りかかったのです。」



なるほど、テンプレみたいなお話ですね



「でも犯人が捕まったのならそんなに急ぐ必要がないんじゃないの?」



「ええ、捕まっておりますからね。しかしあの愚かな従兄は私の妹に暴力を振るった。

私の可愛い妹に!目に入れても痛くもない、いえむしろ目に入れておきたいほどの愛くるしs「お嬢様、話が逸れております。」…コホン。とまあそんな訳で急いでいたのです。」



どんなわけだ!


会話しながらテンション上がってきたと思ったら瞳の中に暗い炎が見えたもの

すごいお淑やかな子かと思ってたから軽い恐怖覚えたわ

聞かなければよかったよ…


コーンスープを飲み干し回転する運転席をフロントに回し走り出す

カレンは助手席へ移動し辺りを見回している

時折目が合うとすごい情念を感じるのだが気のせいだと思いたい


1時間ほど進むとニーズ村よりも高く大きな壁と門が見えてきた

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