第5話 見ちゃうよね

俺はとにかく進んで欲しいというマリアベルお嬢様の願いを聞くことにした

こんなに綺麗で爆乳!

あわよくばと下心満載だからだ



「わかりました、なら今日のところは俺が疲れるまで進んでみましょう。とりあえず出発前に腹ごしらえだけさせてください。マリアベルお嬢様方にもご用意したしましょうか?」



車内を見て回っていた二人に声をかけながら、とんかつ弁当を電子レンジで温める

朝飯に食べようと思ったけど、いつ食べられるかわからないしな


とりあえず匂いがこもっても嫌だし換気もあるので窓を少し開ける



「この馬車は窓もありますし、ベッドまであるのですか…しかし馬もいないのにどのように動いているのでしょうか?もしかしてアーティファクトなのでしょうか…だとしたらとんでもないお宝ですね。このような物が遺物として発掘されていようとは……。侯爵様がお知りになりましたら欲しがるでしょうねお嬢様。」



「うん?よくわかりませんが、このような車が発掘されるのですか?気になりますけど、この車は俺の父親の持ち物です。普通に購入したみたいですけどね。ご飯食べないならソファーかベッドを使ってもらって構わないのでそちらでお休みください。」



「ええ、お父様ならきっと欲しがりますね。シンジ様のお父様の持ち物ですか?もしかして貴方、隣国の貴族の方なのでしょうか?あ、ご用意出来るのでしたら何か食べ物をいただけると助かります……。急ぎ街まで戻らなければならなくて慌ててミネルバの街を出たので食料をあまり持ち合わせていないのです…。」



…侯爵とか言ってたな…カップ麺とか出しても食べないかな?

まぁ出してみるか急いでるなら悠長に料理してる場合じゃないしな

そんなことを考えているとチンッと電子レンジが止まった



「なんの音ですか!?お嬢様お下がりください!」



「電子レンジが止まった音だよ。そっか、わからないよね。この機械でお弁当を温められる。温め終わりましたよと音が鳴るんですよ。」



現代人の俺には当たり前のことだけどこの異世界では当たり前ではないようだ

この先もこの世界で生きていくのかはわからないけど、その辺のすり合わせは必要かもしれない



「んー、少しお聞きしたいのですがこの国ではこういった物はないのですかね?とりあえずですが、ご飯はバターロールとカップ麺をお出ししますね。」



俺はケトルにお湯を沸かしながらアイテムボックスの表示板を開く

アイテムボックスはかなり有用なようで細かい内容物までが表示されてる

俺が見ている表示板には『段ボール×15』

更にその段ボールに集中すると

『段ボール1(カップ麺×20個、バターロール×10袋)』となっている

取り出すのもそこから何個出したいと考えると出るようだ



「お嬢様とメイドさんは食べられないものとかありますか?紅茶とかもありますのでそれもお出ししますね。」



紅茶のペットボトルは段ボール3にある



「シンジ様、ありがとうございます。ご紹介遅れました、私お嬢様のメイドをしておりますカレンと申します。カレンとお呼びください。この馬車において何か不都合など御座いましたらお教えくださいますと助かります。」



カレンていうのか


改めて容姿を見てみるとスレンダーながら立派なお胸様

マリアベルお嬢様もカレンも爆乳というレベルだ


うん、胸ばっかり見てる気がする

だってしょうがないじゃない、おっぱい星人だもの

でもガン見をしてバレるようなことはしない

一瞬で網膜に焼き付け脳内フォルダーに永久保存だ

だってしょうがないじゃない、変態紳士だもの



「よろしくカレン、これは紅茶です。頭のキャップをこうやって捻って開けてください。そのまま口をつけるのが嫌ならカップも用意しますよ。」



ペットボトルの開け方を教えながら棚からカップを出す

ついでに表にいるおっさんと御者の男にもバターロールの袋を投げて渡す

男にはそれで充分だろ

お嬢様方は二人揃ってえらくペットボトルに感動しているようだ



「そうですね、車内は気になったら都度言ってくださればお教えします。こちらもお聞きしたいのですが、ここは何という大陸のどこの国でしょうか?気が付いたら草原にいまして現在どこにいるのかもわかっていないものでして。」



「その時はお願いいたしますね。シンジ様がお聞きになられたこの大陸はエイジア大陸、そしてこの国はその大陸を4分割した東側の国ローグナー公国です。

草原ってもしかしてカテラ大草原を通っていらしたのかしら?あそこは山も川も村もない広大な草原でしかない所ですわ。魔物しか出ませんわね。どこから迷い込まれたのかしら。あら、この紅茶美味しいですわね。」



エイジア大陸?アジアのこと英語で発音するとエイジアとか言ってた気がするが関係ないだろう

お湯も沸いたので塩味のカップ麺にお湯を入れ、どうせ箸は使えないだろうなとプラフォークを出す



「3分たったら食べごろです。あ、ジャムも出しておきますのでパンに塗ってお食べください。俺が弁当食べ終わったら出発します。」



「ありがとうございます、シンジ様。あとそんなに固い口調でなくても大丈夫ですよ。乗せていただいてるのに我儘は申しません。出発もそれで構いません。急いでいたところに馬車が壊れ気持ちが焦っていたようです。5分10分程度で何かが変わることもないでしょう。ですが私どもが急いでいることには変わりありませんからよろしくお願いします。」



「わかった、じゃあ出発しよう。」



俺は前に就いていた仕事の影響で早飯が得意になった

すぐさま食べ終わり運転席に移動しキーを回しエンジンをかける

もう食べ終わったのですか!?とか聞こえてくるがアクセルを踏みだす



「おっさん、安全運転で行ってくるから心配すんな。ちゃんと送り届けるよ。」



「当たり前だ!シンジとやら姫を頼むぞ!姫、このエドガー・ミッシュガ後方からやってくるアランと共に追いかけますゆえ、どうかご無事でお気をつけてお行きください。シンジとやら頼むぞぉ!」



……やたらうるさくて熱いおっさんの名前なんぞどうでもいい


さてと行きますかね!


あ、またいつの間にかタバコ吸ってるし…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る