これからという時に帰るのですか~冷めました、婚約破棄しますからねっ!!~
一ノ瀬 彩音
第1話 冷めました
駅前にある某デパートでデートしているのですけど、デートしていると
栗田が優里奈の事をしっかりとサポートして二人は楽しく過ごしているのです。
そんな最中で優里奈が栗田にある事を言うのです。
「あっ、もうこんなお時間何だね、そろそろお食事にする?」
そう言われると栗田は腕時計を見てから
「悪いな、帰らないといけないんだよな」
「どうして帰られないといけないの?」
「終電があってさ」
「終電って……私の家に泊まればいいじゃない」
「そうはいかないよ」
「どうしてよ、泊まっていいのに……」
「やっぱり終電に乗って帰るよ」
そう言われると優里奈は楽しんでいた気持ちが一気に冷めるのです。
気持ちが冷めると優里奈はどうするのでしょうか。
「まあ、またの機会にお食事しような、それとその時は
泊まらせてもらうよ」
「あのね、今までデートで楽しんでいたのに……
これからって時に帰るなんてどうかしているんじゃないのっ!?」
「しょうがないだろっ、終電があるんだしさ」
「そんなの関係ないじゃない、婚約している仲なのに
お泊りも出来ないの?」
「出来ないな、あっはははっ」
「笑って誤魔化すなんてまじで腹が立つのよっ!!」
そう言うと優里奈はわざと足音を立てながら
栗田ににじり寄ると栗田の胸倉を掴み、そのまま
一本背負いをしているのです。
一本背負いされた栗田は受け身を取っているものの、
背中を強打して痛がっているのです。
「くそぉっ、痛いだろうが、よくも……」
「よくも何ですかっ!?」
そう言いながら栗田の事を見下ろして睨みつけているのです。
そうすると栗田はゆっくりと腰をあげて立ち上がると優里奈が近寄り
栗田のスネを一心不乱に蹴っているのです。
「ぐぁぁああっ、痛いだろうがっ、まじでやめろ」
「よくもデートを台無しにしてくれてさっ!!」
優里奈は継続して栗田のスネを蹴り続けているのです。
「痛いだろうがっ!! いい加減にやめろっ!!」
そう言いながら栗田は優里奈の頬に平手打ちするのです。
「痛いじゃないっ!! 女性に手をあげるなんてまじで最低っ!!」
「優里奈が先に暴力しているだろうがっ!!」
「私はいいのよ、いいんだからねっ!!」
「どんだけ自己中何だよ、この馬鹿女っ!!」
「馬鹿って言ったわねっ!! 栗田だって馬鹿じゃないっ」
「俺は馬鹿よ、悪いかよ、へへん」
「開き直っているし、本当に真正の馬鹿ね」
優里奈と栗田はそんな言い合いをしているのですけど、
栗田は腕時計をチラチラと見ているのです。
「優里奈と言い合いしている場合じゃない、終電逃すと
マズイから帰るな、じゃあな」
「おいっ、待てやっ、栗田っ!!」
「な、何だよ……」
「この冷めた気持ちの代償は重いんだよ、覚悟せえやっ!!」
「お、おうっ……」
栗田は優里奈に対して身体が震えて怯えてビビッているのです。
「栗田のせいで気持ちが冷めたから婚約を破棄しますからねっ!!」
「婚約を破棄って頭の中がお花畑か?」
「お花畑…………」
「どうせ頭の中は薔薇だらけで嘸かし、凄いんだろうな、あっははははっ」
「………………」
優里奈は心の中で
『栗田の野郎っ、まじでどうにかしてあげないといけないようね』
そう思っているのです。
「栗田、婚約を破棄するからねっ」
「はいはい、お花畑はつらいよな、しっかりと病院行けよ」
「私は正常です」
「いやいや、正常じゃないだろ」
「あ~もう~五月蠅いな~、婚約を破棄するね」
「勝手にしろよ」
「じゃあ、そうするね」
「じゃあな」
そう言いますと栗田は優里奈から離れて終電に乗る為に
駅のホームに向かおうとすると優里奈がこう言うのです。
「そうだ、言い忘れてた」
そう言いますと駆け足で栗田の事を追いかけるのです。
栗田の事を駆け足で追いかけている優里奈は息を切らしながらも
追いかけていると栗田に追いついてこう言うのです。
「はぁはぁはぁっ、栗田…………忘れ物だよ」
そう言いながら優里奈は栗田の頬に往復ビンタをしているのです。
「痛いじゃないか、やめろ」
そう言っているのですが、優里奈は栗田の頬を平手打ちしているのです。
「まじで痛かったな」
「じゃあね」
スッキリした優里奈はその場から離れようとしている時に、
栗田がいきなりこう言うのです。
「あああぁぁぁあああっ、終電逃したぁぁあああああっ、
しかも婚約を破棄されたんだよぉぉぉぉおおおおっ、
最悪な事じゃないかっ」
そう叫んでいるのでした。
栗田の叫びを聞いた優里奈は心の中で
『本当にざまぁ見なさいって感じね、うふふ』
そう思うのでした。
これからという時に帰るのですか~冷めました、婚約破棄しますからねっ!!~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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