第529話 ケイオス陛下は遊びたい
「シリウスはいつも面白いことを考えるよね」
「そう?」
「うん、僕も企画側で参加したいくらいだよ」
「学園祭じゃなくて、国祭とかになりそうだ」
「違いない」
そう笑うのはヌロスレアの国王のケイオスだ。
アネPに用事あるついでに顔を出すと、レグルス兄様達経由で学園祭のことを知ったのか実に興味津々で色々聞かれる。
「でも、確かに生徒手動でそういう催しを開催するのは良いね。色々と課題もありそうだけど……シリウスが居ればどうにでもなりそうだし、うちも落ち着いたら積極的に導入したいね」
企画側で参加したいと言いつつも、国王の目線も残ってるのだから本当に大したものだ。
「それで?僕もお忍びで行ってもいいんだよね?」
「構わないけど、仕事大丈夫なの?」
「少しの時間なら抜けても問題ないよ。シリウスが連れ出してくれるならなお文句も出ないだろうしね」
「国王も大変そうだな」
「まあね」
元々は俺と同じ第3王子だったケイオスだが、こうしてあの混乱からヌロスレアをなんとか復興に向かって舵を取ってるので本当に凄い。
俺には絶対真似出来ないなぁ。
まあ、したくもないけど。
父様の跡はラウル兄様とレグルス兄様が継ぐって決まってるし、任せた方が絶対スレインドは安泰だし俺が割り込む余地はなし。
そんな真似絶対したくもないしね。
「シリウス時間取れるなら色々見て回ろうよ。個人的には飲食店が気になるかな。シリウス公案の料理が並ぶなら絶対外れはないし」
「あんまりハードル上げないでよ。期待はずれだった時に文句言われても困るし」
「その時はその時だよ」
まあ、確かにケイオスの場合そういう状況も含めて楽しみそうだな。
「アンネも一緒に回れるかな?いや、シリウスとデートの時間のために僕の時は譲るべきかな?」
「ちゃんとそれぞれとの時間は作るつもりだよ」
その為にスケジュールも立てたし。
「ならいいか。せっかくだし気の合う友人とのんびり回るのも面白そうだ。シリウスの女装が見れなさそうなのは少し残念だけど」
「それ、どこで聞いたの?」
「可愛い妹や素直なシスターさんからちょっとね」
……アンネやアリシアから聞いたのかぁ。
「シリウスはそういうの絶対似合うって確信出来るから凄いよね」
「気楽に言ってくれるなぁ。変わって欲しいくらいなのに。ていうか、変わる?」
「死んでも嫌かな。僕じゃ似合わないだろうし」
だよね。
「何にしても楽しみしてるよ。別腹でお忍びに連れ出すのもいつでもウェルカムだからね」
「時間があったらね」
「楽しみにしてるよ」
立派に国王をやってるからこそ、息抜きも欲しいのだろう。
そんな軽口に付き合ってからアネPの元へと向かうのだった。
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