第524話 このひと時が良きかな
生徒会室での話を終えたので、フィリア達の元に向かう。
最近気に入ってるよく来てる店に足を踏み入ると、シャルティアが真っ先にこちらに駆け寄ってくる。
「こちらは問題ありませんでした」
「うん、いつもありがとう」
よしよしと抱きしめたいところだけど、騎士モードのシャルティアなので遠慮してそう答えておく。
遠慮というかTPOを弁えた感じかな。
誇らしそうなシャルティアが可愛いのでこれはこれで悪くない。
「待たせてごめん」
「いえ」
席に行くと、フィリアがニコリと出迎えてくれる。
俺の様子から学園祭の方が問題ないと分かったのか少し嬉しそうに微笑む。
フィリア達には先に話してあるのだが、俺と同じく楽しみにしてくれてるようなので嬉しい。
「……上手くいきそうで良かった」
ちゃっかりフィリアとは反対の俺の隣をキープしつつ、セシルも同じく気づいてるようにそんな事を言う。
「流石に優秀な生徒会のメンバーだね。お陰で楽ができそうだよ」
「……生徒会長、どんな人だった?」
「さて。まだ軽くしか話せてないから何とも言えないけど、強いて言うなら……」
「……言うなら?」
「イタズラとか好きそう」
楚々として綺麗に隠してそうな中身に、なんとなく好奇心旺盛でイタズラ好きそうな感じが垣間見えなくもない。
そんな気がする。
「フィリアはどう思う?」
「とても素敵な方だと思います。ただ、プライベートではシリウス様の思い描く形に近いかと」
「だよね」
フィリア自身、生徒会長とはパーティーでの挨拶程度しか交流はないが、似たような意見らしい。
年々、観察眼が増してて最近は予知みたいに俺の事を見通してる正妻さんから見てもそうなら多分そうなのだろう。
「セシルさんや茜さんに似てるかもしれませんね」
「……紅髪似合う?」
「それはそれで見てみたいけど、今が一番好きかな」
「……ん、ならよし」
満足そうなセシルさん。
顔に出る方ではないけど、手に取るように変化はよく分かる。
「……フィリア様は紅髪でも似合いそう。今が一番綺麗だけど」
「ふふ、ありがとうございます」
「……逆にシャルティアは怒髪天って感じになりそう」
「どういう意味か後でじっくり話し合うとするか?」
「……シャルティアのえっち。でも体も心もシリウス様のものだからごめん」
「そんな意味ではないわ!」
軽く防音を張っておいたので店に迷惑はかからないだろう。
そう思いながらいつも通りのやり取りをするセシルとシャルティアをフィリアと楽しく見守る。
全て一人でやらないでいいから、こういう時間が取れるのは本当に凄く幸せな事だと思う。
頼れる人は増えれば増えるほどいいけど、見極めは気をつけないとね。
まあ、今は目の前のまったりを楽しむとしよう。
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