第507話 ドラゴン兄弟が遊びに来た

フロスト経由で、前に会ったフロストの弟の子供達……ホムラとエンビが遊びに来たいと前から言われていたのだが、先日時間を作ってドラゴンの力を抑える魔道具の改良版とその他諸々の準備が整ったのでいつでも来ていいと返事をした。


その返事の翌日に、母親と一緒に二人は俺の領地へとやってきた。


行動力が凄いよね。流石龍族だ。


「よ!兄ちゃん久しぶり!」

「こんにちは、お兄さん」


相変わらず元気なホムラと、前よりも親しげに挨拶をしてくるエンビ。


元気な子供たちにほっこりしていると、その二人……特に元気なホムラを抑えながら、この前は会えなかった二人の母親が挨拶をした。


「お初にお目にかかります。アグニの妻で、この子達の母親のエルレインと申します」

「ようこそおいでくださいました。シリウス・スレインドです」

「お話は夫と子供たちから伺っております。本当はこの前お会いできたらホムラのことを直接お礼したかったのですが……」


ホムラの事で一瞬首を傾げそうになったが、きっと前世の時にフェニックスのフレイアちゃんの紹介で、病気のホムラを治したことがあってその事だろうと納得する。


「いえ、お力になれたのなら良かったです」

「この子が今も元気なのはシリウス様のお陰です。本当にありがとうございます。それと……フロストちゃんとご婚約されたと聞きました。おめでとうございます」

「ありがとうございます」


一緒に出迎えたフロストがちょっと嬉しそうに身体を寄せてくる。


「私の旦那様は良い旦那様でしょ?エルレインちゃん」

「ふふ、そうですね。でも、うちの旦那様もああ見えて良いところあるんですよ」

「じゃあ、色々お話しようか。久しぶりに会ったし」

「そうですね。ホムラ、エンビ。シリウス様にご迷惑かけないようにね」

「「はーい」」


フロストとエルレインは昔から仲が良かったらしいので、積もる話もあるだろうし、子供たちは俺がお相手することになっている。


一緒に色々見て回るのは明日で、今日はせっかくならエルレインの羽を伸ばさせたいというフロストの優しさだろう。


何だかんだフロストは優しいからね。


俺としても子供の相手は嫌いじゃないし、どうせなら色々見せてあげたいので丁度いい。


それに、この二人を見ていると我が姪のティファニーやスワロを思い出して親近感が湧くんだよね。


ホムラとエンビは双子ではないけど、ティファニーやスワロのような波長を感じなくない。


片方が元気で無邪気で、もう片方が大人しく落ち着いてる。


一応、二人とも会わせる予定だけど仲良くなれればいいなぁと思う。


歳も割と近いし、性格的にも合うとは思うけど、何にしてもワクワクしてる二人……特にホムラの方が我慢の限界っぽいのでそろそろ案内するとしようか。


楽しんでもらえるといいな。

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