第484話 婚約者が更に増えた
急な話……という訳ではないが、前々から屋敷に住んでる龍族のフロスト、獣人族のクーデリン、そしてくノ一の茜と正式に婚約者になりました。
茜に関してはほぼ逆プロポーズに近かったような気もするけど、あくまで気持ちを定めて告げたという意味では俺からの告白だと思えなくもないと思うので何も問題は無い。
……ないから、才蔵よ。『脅された訳じゃないですよね?』と心配そうな顔をしないように。
ちゃんと俺自身が決めたことだから。
それぞれと過ごして、それぞれと心が通って、これから先一緒に歩いていきたいと思ったからこそ、思い切って気持ちを伝えたのだが、色良い返事が貰えて一安心。
何回だろうと、大切な人に気持ちを伝える時はいつだって緊張するものだが、思い切って伝えて良かったと心から思える反応は貰えたと思う。
「うん、ずっと隣に居させてね」
照れつつも嬉しそうに頷くフロスト。
「――はい!喜んで」
目尻に涙を浮かべて笑ってくれたクーデリン。
「シルくん!愛してるよ!」
食い気味にOKの返事をした茜。
三者三様だけど、俺なんかを選んでくれたことを後悔させないように幸せにしたいと心から思う。
プロポーズには、それぞれシチュエーションを作ってから、それぞれに縁のある品を使って、婚約指輪も送ったりもしたけど、白い手に俺からの贈り物である婚約指輪があるとそれだけで昨日までとは違った関係になったんだなぁと実感も湧いてくる。
それがなくても、そういう仲になったという距離感になってるけど、前々から近かったのが更に近くなったという感じかな?
まあ、だからといって風呂に立ち居るのはまだ早いから。
そういうのは結婚後にねと、やんわりと茜に注意をしておく。
フロストは積極的だけどその辺の俺のペースをよく分かってるし、クーデリンも茜達の影響で積極的になりつつあるけど、基本はフィリア達と同じく穏健派なのでそんな注意は不要だから、ある意味新鮮な気持ちではあるがそれはそれ。
まあ、そんな相変わらずな事があったけど、前々から屋敷に住んでた関係上、生活に大きな変化は特にないと思う。
それぞれの家族への挨拶が後日に控えているけど、フロストの方は母親が今忙しいようなので、落ち着いてから挨拶に向かうことになると思う。
まだ会えてないけど、どんな人なんだろうか。
楽しみでもあり、色々と想像もしてしまうが、俺は素直な気持ちと決意を述べるのみ。
幸せにするって決めたからね。
何人だろうと、どれだけ大変だろうと必ず幸せにしてみせる。
好色と呼ばれようと、好きな人と今世こそ悔いのない人生を送りたいしね。
頑張ります。
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