第473話 罪深い所業(夜食)

アンネと土弄りしてから、アリシアの孤児院でお風呂を借りてからアリシアと和やかに話して、子供たちと戯れる。


ヌロスレアに来るとそういうローテが多いけど、俺が風呂に入ると決まって子供たちも乱入してくる。


「大聖女様のお背中ながせー!」

「うちとれ、うちとれー!」


……誰に影響を受けてるのか、誠不思議な子達だ。


とりあえず、風呂場は滑るから走らないように。


そうして過ごすと、不思議と孤児院に一泊することもある。


その日も、泊まることになったのだが、子供たちを寝かしてからアリシアが申し訳なさそうに「仕事が残ってるので、シリウス様は先に寝ててください」なんて言いだす。


珍しいが、アリシアも何かと忙しいしそんな日もあるのだろうと、俺も一緒に手伝うことにした。


「すみません、シリウス様にまでお願いしてしまって」

「気にしなくていいよ。好きでやってる事だから」


孤児院の運営には俺も関わってるし、アリシア周りのことも把握してるので片付けるのは訳ない。


「今日は何かあったの?俺が来る前」

「えっと、ケイオス陛下がいらっしゃいました。銭湯の件での打ち合わせという名目でお昼も食べてかれまして」


なるほど、奴のせいか。


次会ったら激辛カレーでも食わせるとしよう。


そうして、終わる頃には日付を少し跨いでしまっていた。


量こそそうでもないけど、色々と気になることもあって時間がかかってしまった。


「遅くなったね。アリシア、眠くない?」

「私はまだ大丈夫です。シリウス様は?」

「俺も大丈夫。もう少し話そうか」

「そうですね」


ちょっと嬉しそうな様子のアリシアだったが、きゅるっと小さく可愛い音が一瞬アリシアから聞こえた。


多分、お腹から。


「――!あ、あの今のはその……」

「大丈夫だよ。俺も少し小腹が空いたし夜食でも作ろうか」

「はい……」


恥ずかしそうなアリシアが可愛いけど、あまり触れずに一緒に料理へと思考を切り替えてイチャイチャする。


何だかんだ、アリシアとは調理場でイチャイチャしてるシーンが多いかもしれないなぁ。


「子供たちにちょっと悪い気がします」

「たまにはいいでしょ。二人きりの秘密ってことで」

「ふふ、そうですね」


夜食という贅沢が子供たちにバレると何かと大変だろうし、二人きりの秘密として二人で楽しむ。


なんだかんだ、アリシアとは夫婦になっても似たようなやり取りしてる気がするが、それはそれで楽しいかもしれない。


なんて思っていると、近くのドアからこちらを覗いてる子達が数名。


口止め料として、その子たちも交えて夜食を楽しむのだった。


内緒だからねと、微笑むアリシアを見ながら、罪深い所業(夜食)子供たちとを楽しむ様子はかなり微笑ましい。


悪くない夜でした。

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