第469話 お風呂改革

今現在、俺は最初に貰った領地の他に成り行きで貰った温泉地も領地として統治している。


まあ、温泉地の方は代官に任せることも多いんだけど、何もしてない訳では無い。


転移でちょくちょく足を運んでは、温泉を楽しむついでに仕事を片付けたりもしている。


あそこの代官は前に俺が温泉地を貰う前まで代官をしていたステイルという優秀な人物の息子なんだけど、彼は父親そっくりで、若いのにかなり優秀なので助かってる。


任せられる人材がいる幸せ……いいよね。


優秀な人と任せられ人が増え増えるほど、俺も温泉を楽しむ時間が増える。


夢の混浴は結婚後の楽しみにしつつも、一人で貸し切る温泉というのも悪くない。


たまに虎太朗を連れてったりもしてたけど、虎太朗は家族と来てる方が多いかもしれない。


家族団欒風呂か……ちょっと羨ましい。


実家(スレインド王宮)にいた頃は、時間が合えば家族と入れたけど、あの頃は毎日メイドさん10人以上に囲まれて、よってたかってタマゴ肌にされてたからなぁ……今にして考えてもあれはやり過ぎな気がする。


俺ってば男の子だから、タマゴ肌にする必要なくない?


別に女性や赤ちゃんみたいなタマゴ肌目指さんでも、普通でよかったのに。


何度となくした抗議は全てスルーされたものだが、こちらに来てからはようやく一人で入れるようになった。


リラックスタイムを満喫するなら一人がいいとよく分かったね。


その代わり、母様の命令なのか、俺付きのメイドさんだったエリアが風呂上がりに肌をチェックしてるようだが、それはスルーで。


気にしたら負けだ。


タマゴ肌になる気はないけど、不衛生だとフィリア達と触れ合うこと出来ないので清潔感だけは保ちたいものだ。


さて、ここからが本題。


本場の温泉地があるとはいえ、その手の施設があった方が何かと都合もよかろうと、最初に貰った領地に公衆浴場……所謂、銭湯をオープンさせてみた。


無論、男女別だ。


この領地によからぬ事をするような輩は居ないと信じているが、他所から来た人がやらかしても困るし、何だかんだと男女別にして二つの方が管理も楽だしね。


「毎日安価でお風呂に入れるとは贅沢ですね」


才蔵はかなり驚いていたが、それも当然といえば当然か。


世界的なお風呂事情はまだまだ良いとは言えない。


食べていくだけでやっとの人だって多いし、水をお湯に変える手段である魔道具も高い。


スレインド、シスタシア、あとヌロスレアの3カ国は俺の裏での暗躍と父様たちの頑張りで上向いてきたが、それでもまだまだこれからというもの。


頑張ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る