第429話 頼もしい兄様
立場上、家族に話せることは全て話してる俺だけど、龍族の件と獣人族の件も早い段階で相談済みだ。
あまり広まると混乱が起きるかもだから、あくまで身内のみの内容になりがちだけど、それでも何とかなるのだから本当に頼もしい父様や兄様を持ったものだと心底思う。
「なるほど、クーデリンさんも屋敷に住むことになったと」
「ええ、本人が凄い希望してきたので……」
たまには一緒にお昼でもと、レグルス兄様の休憩時間に待ち合わせて一緒にお昼を食べつつ近況報告をすると、レグルス兄様は何とも感心したような様子を浮かべた。
「凄いね。獣人というのは情熱的なのかな?」
「一部そのようですね」
領地にやって来たクーデリンは外交官として色々と情報収集や産物の取引なんかもしながら人脈を広げてるようだ。
まあ、ラナがそれらの関連で結構絡んでるようで、かなり打ち解けてたけど、本当に商売上手な婚約者だこと。
獣人という事で最初は驚く領民も居たけど、クーデリンの人の良さもあってか今ではかなり受け入れられてるようだ。
「シリウスを信じてるっていうのもあると思うよ」
「だったら嬉しいです」
領民達から信じられてるのならその信頼には応えたいものだ。
なお、クーデリンの希望でクーデリンが俺の屋敷に住むことになってからはフロストに次いで新しい嫁を迎えたと解釈されてるらしいと、フロストからは報告を受けている。
フロストと違って、流石に真面目なクーデリンには迷惑だろと思って聞いてみたけど、本人は『光栄です』と少し照れながら頷いていた。
嫌じゃないならいいけど……
「本当にシリウスは全方位から好かれるみたいだね。獣人しかり、ドラゴンしかり」
「色々と負担をかけてすみません」
「気にしなくていいよ。可愛い弟がせっかく縁を繋いでくれてるからね。それに悪いことしてる訳でもないし。シリウスは正しいことをした上で僕らにまで気を使ってくれてるからね。むしろもっと頼って欲しいくらいだよ」
お優しい言葉に本当に救われる。
「でも、奥さんが増えていくのならますますティーのことも意識して貰わないとね。シリウスならその辺忘れることはないと思うけど」
「えっと。一応この後ティーとは会っていく予定です」
新作のケーキも持ってきてるし、そもそもここに来る前に転移した場所にピンポイントでタックルしてきた姪を忘れられるわけもない。
というか、前よりも姪の俺センサーが上がってる気がするが……気のせいだろうか……?
「シリウスは本当にマメだよね。まあ、奥さんの証が出てるから余計な心配かもだけどね」
加護紋のことだろう。
何故かティファニーにも出てたけど、何かしらランダム性もあるのかもしれない。
そのティファニーは母親の義姉に連れられて行ったけど、レグルス兄様との時間を邪魔しないように義姉様が気づかってくれたのだろう。
俺としては居てもらっても構わないけど、たまにはレグルス兄様と二人きりも悪くない。
「何しても、色々と忙しいだろうけど何かあったらちゃんと言うんだよ」
「はい、ありがとうございます。兄様」
本当に心から尊敬できる兄を持てて今世は本当に最高としか言いようがない。
レグルス兄様だけでなく、ラウル兄様も、父様も母様もレシア姉様もローザ姉様も心から尊敬しております。
言わなくても伝わってるのか、毎回頭を撫でられるけど……子供扱いもたまには悪くないよね。
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