多少の自由時間は欲しい訳です。
「村に行きたいです。」
暫く村に顔を出していない。八百屋のおかみさんに枝豆ととうもろこしを持っていきたい。
気に入ったら村で栽培して貰えるかもしれないし?
そしたら色々できるじゃないですか。とうもろこしがたくさん収穫出来たらポタージュにしてもいいし、パンに練り込んでもいいし。
枝豆は大豆用にも残してさ。豆腐作れちゃうかも?それは無理でも豆乳は出来るよね!
「裏で取れた物を宣伝しに行きたいです。」
何となく渋るアレクだけど。
「今日は動けるから行きたいんです。動けるから。」
大事なので2回言いましたよ。えぇ、えぇ、ここ最近抱き潰されて夕方くらいまで動けない日が続いていて。
蜜月と諦めつつも流石にこれ以上は身体が持たない、とひと暴れした訳で。ようやく久々に朝、小鳥の声で目が覚めて、朝ご飯もしっかり食べて。
買い出しにも行けてないし、もしかしたら目新しいモノあるかもしれないし。
ブツブツ何か言っているアレクを横目にフェニーに声を掛け裏庭へ向かう。自分の足で移動するの久々かも!
フェニーは、ほっといていいのか、大丈夫なのか、後で我に文句が…とか何とか言っていたけど、大丈夫でしょ。多分。
で。
裏庭を確認すると、枝豆はいつ収穫したのか分からないくらいまた実っていた。で、一部は完熟して大豆に。とうもろこしも何本か完熟して種に使える用になっていた。季節感が全くない。いいのか?いいのか。
深く考えるのは辞めたんだった。
フェニー達に収穫をお手伝いしてもらいおかみさんに渡す分を用意する。そのまま調理に使える物と種として使える物と。
「完熟しているのと分けてね。」
そうしてみんなで準備していると遅れてアレクもやってきた。ケモ耳も尻尾も垂れているからどうやら反省しているらしい。
「私も手伝いましょう…」
しゅん、として元気が無いのでちょっとかわいそうかな、とも思ったけど、いいんです、自分の身体が大事。我慢してもらいます!
そんな訳でしょんぼり状態のアレクだけど、村まで歩くのは辛いだろうから、とフェンリルの姿になり背に乗せてくれる事に。あ、最初はお姫様抱っこで連れて行く、と言われたけど丁重にお断りした訳で。それなら、とフェンリル姿で妥協してもらい。
大きさ、自由に変えられるのね。初めて見た時は一口でパックリ食べられてしまいそうな大きさだったけど、今日は私を乗せるなら、とポニーくらいの大きさに変化していたから。
アレクの背中に横座りさせてもらい、せっかくなので毛皮のフカフカな手触りを堪能しつつ村まで向かった。
このままだと村の人、驚くだろうから少し前で獣化は解いてもらったけどね。そうそう、とっても手触りが良かったので今度家でモフモフを堪能させて貰おうとひっそり誓いましたよ!
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