知りたい事
今日も膝の上に彼女を座らせて食事を給餌する。初めは嫌がっていたけど諦めたようだ。
「果物もどうぞ。」
フォークに刺した果物を差し出すと相変わらず真っ赤な顔をしながらパクリ、と食べる。
なんて可愛いんだ。
こんなにも愛しい存在に出会えるなんて自分は本当に幸運だったと思う。
可愛くて、愛しくて、誰の目にも届かない所に閉じ込めて貪り続けたい。
そんな不埒な事を考えているなんて知らないであろう彼女に給餌を続けた。
今日もアレクの膝の上に乗せられて食事しています。ちょっとは慣れたけど、それでも恥ずかしい事には変わりなく。
それをフェニー達が生温い目で見ている、と言うのがここ最近の風景ですよ?
アレクの作るご飯は美味しくて、ついつい食べてしまう。完全に餌付けされてます。
「…自分で食べれます。」
「私の楽しみを取らないで下さい。」
番を得た雄はみんなこんなモノですよ、諦めて下さい。と、きたもんだ。
フェニーが言っていた通りかも。それにしても本当に甲斐甲斐しくお世話されていたたまれないですね!
「そういえばアレクはどのくらい番を待っていたの?」
相変わらず「はい、あーん…」と促され、モグモグしながら聞いてみた。
「どのくらい、ですか。そうですね、100年くらいでしょうか…?」
えっ。アレクって最低でも100歳って事?!中身アラフォーの私よりずっと年上でした!その事実に驚きつつも。
「フェンリルってそんなに長生きなの?」
アレクはどう見ても20代にしか見えない。まぁ、本来の姿は狼?だから若いと言っていいのか分からないけど。
「そうですね、一番活動しやすい肉体年齢で止まりますし、不死という訳ではありませんが、永い時を過ごしますね。なので子供は生まれにくいですよ。」
なんか想像以上に凄い内容かも。でもそれだと…
「それじゃ、見つけた番の方が先にいなくなるんじゃ…?」
そう、普通に考えると彼らの番は自分を含め、先にこの世から消えていく。その後遺された相手は…?
「あぁ、アリヤは優しいですね。私たちフェンリルは番と番うことで同じ時を生きる事が出来る様になります。なので、私と番ったアリヤ、貴女も同じです。」
ん?何かとんでもない事言われたよ?!
どうやら私、普通の生き物の理りからも外れた様ですよ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます