とは言っても。
只今、椅子に座っている様に言い含められ大人しくしております。移動しようかと立ち上がればアレクが何処からともなくすっ飛んでくるから…
発端はぐだぐだにされた翌日、足腰が立たなかった時にお世話されたのがきっかけになったような。
兎に角甲斐甲斐しくお世話されていたたまれないし、恥ずかしいし、困ってます。
食事は椅子じゃなくてアレクの膝の上、あーんで給餌され、移動は家の中に限らずお姫様抱っこってコレ、何の拷問ですか。
流石にお手洗いは扉の前までで勘弁して貰いましたよ!中まで入ってこようとしたからね!
散歩も抱っこされそうだったけど、説得してなんとか手を繋ぐ事で勘弁してもらいましたよ?まぁ、指を絡めた恋人繋ぎだったのは…
いろんな意味でライフ削られてます、そのうち恥ずか死ぬかも。
で、何故椅子に座って居るかと言えば、何もさせて貰えないから。
部屋の掃除でも、と雑巾持てば手が荒れるから、じゃあ、食事でも、とキッチンに立てばナイフで手を切るかもと、兎に角過保護が絶賛発動中。
大人しく座っている様に促され、待っている間のお茶とお茶菓子もセッティングされている。一応フェニー達の分もあったり。
仕方ないからフェニーに話しかける。
「これってなんとかならないの?」
無駄だと思いつつ聞いてみる。
「我は番について詳しくはないが…」
と、前置きして話してくれたのは。
・獣人が番に会える確率はそこそこで一生巡り合えない事もある。
うん、知ってる。あっちの設定だけど。
・番を失うとおかしくなる。
それも知ってる。衰弱死する事もあるんだよね?
・運良く番と巡り会えて番える事ができたなら問答無用で最低でも1ヶ月くらいは「蜜月」に突入。
え?なにそれ。蜜月って言葉からしてなんか怪しいんですけど。
・蜜月はまぁ、そう言う事がメインだけど、寿命の違う種族だと同じ刻を生きる為の儀式にもなる。
同じ刻?どう言う事だろ。
儀式は気になるなら当事者同士で話した方がいい、と言われてしまった。そうか、この事も聞かなきゃね。
で、今は蜜月なので諦めるしか無い、と言われてしまった。
今時期に寝床に籠らない、そして自分達精霊が近づけるのは彼の最大の譲歩だと思う、と苦笑いしてた。
まぁ、近々そうなるかも、とぬる〜い目で見られたのは気にしない事にする。うん。
それにしても手持ち無沙汰である。
そういえば暫くステータス見てなかったっけ。
ステータスを開いてみる。
名前 アリヤ・ノワール
種族 人族
年齢 18
職業 開拓者
スキル 鑑定初級
アイテムボックス∞
自動翻訳∞
料理初級
称号 愛し子
精霊の加護 火水風土
フェンリルの巫女
大きく変わってはいないけど、種族は人族に落ち着いたみたい。
称号は何だろね、巫女って…。
フェニーに聞いて分かるのか、それともアレクを問いただすべきか?
ふか~いふか~いため息が出たのは仕方ないと思ったのだった。
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