えーっと。「番」ですか?
アレックス、と名乗ったイケメンさんは先程の狼さんという事でOK?と聞いてみれば。
「正しくはフェンリル族ですが…」
そうだ、と答えてくれた。
「ここ最近ずっとこちらを伺ってましたよね?何故ですか。」
「…匂いがしたもので…」
今更気づいたけど、イケメンさん改めて、アレクさんの頭にはモフモフのケモ耳が。それがしゅん、と垂れていた。
よく見ればフサフサの尻尾もあるじゃない。うん、萌えポイントだね!
そう、そして「匂いって?」なんの事ですか、と問いただせばポツポツと話し出した。
何でもフェンリル族を含む獣の血を受け継ぐ種族の多くは「番」が存在し、出会う事ができて、番う事が出来れば繁栄し、何よりも幸せになれると。でも必ずしも出会える訳でもなく、「番」意外と婚姻する事もあるそうで。
長い間探していたけど自分の番はもう見つからないと諦めかけていた、そんな時にある日突然、微かだけど自分の番の匂いを感じ、この森に辿り着き、そして貴女を見つけた。
貴女は人族の様だったし、それなら獣の血が入っていないので番に対する執着が無く、こちら側から見つけないと人族側からは見つけて貰えないし、って。それにもしかしたら既に婚姻しているかもしれないし、そうだとしたら辛いけど諦めるしかないから、って。
暫く様子を見ていたけど、婚姻している様子は無いし、周りに居るのは精霊ばかりで他の雄の陰もないのでようやく姿を現したそうで。
そしてポツリと。
「番が存在する種族は獣の姿と人族の姿、二つを持ち種族が違ってもお互い人族の姿になれば番えるから…」
しょんぼりしながら結構すごい事言ってませんか?番えるって、きっとそういう事言っているんだよね、直接エッチい言葉じゃないけど何かめっちゃ恥ずかしいんですけど!
そんな感じで獣人(?)さんとの感性の違いに翻弄され、気がつけばズブズブに染め上げられていた訳で。
そんな日常が待っていた訳です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます