ふわとろフレンチトースト

今晩のメニューも決まりウキウキと帰宅する。


ふと竹林に目が行ったが下草のあたりに違和感を感じでよくよく見てみると。


えーっと。


この紫は紫蘇かな。そしてこっちの緑のは大葉かな。なんでここに生えている?


なんだか家の裏一体が異次元の様だ。次に何が生えてくるのかちょっと怖いかも。


どうしようもないので気がつかなかったフリをして家に入る。だって本当にどうしようもないもん。でもコレで梅干しにチャレンジ出来るな。


取り敢えずお昼ご飯食べよう、そうしよう。


気を取り直してフレンチトースト作るよ!


お取り寄せ(要は日本産って事。)の卵に牛乳、蜂蜜で卵液を作ってそこに今朝食べたパンの残りを浸して。たっぷり卵液が滲みたらバターを落としたフライパンでじっくりと火を通す。弱火でトロトロ、じっくりと。


程よく熱が通ったらひっくり返してまたまたじっくり弱火で。


焼き目が付いて中までしっかり熱が通ったら出来上がり。私はトロトロが好きだから牛乳が多め。一時流行った半熟タイプになるんだよね。


蜂蜜の甘さとバターの塩っけが絶妙。甘味が足りなければ蜂蜜を垂らして。そうだ、梅ジャムも添えちゃおう。


視線を感じで振り向けばフェニーとグランが手元をじっ、と見ている。


「はいはい、二人の分もあるよ。ジャムは好みでね。」


そう言って二人の前にもフレンチトーストを置く。二人とも目を輝かせてパクつく。二人とも人型の時は妙に幼い言動を取るというか。面白いな。


「そうだ、グランなら分かるかな?蜂蜜ってここらで取れるのかな?」


出来上がったふわとろフレンチトーストを食べながら尋ねてみると、どうやら少ないけどあるらしい。養蜂は盛んではないようで、その為高級品になるみたい。


そう、ほぼ自然任せなので蜜蜂の巣を見つけるのがまず大変みたいで。見つけても蜂蜜の取れる量はそんなに多くないそうで。


でも、この世界にあるならそのうち地元産?を食べてみたいね。


それにまだ卵や牛乳に出会ってない。今度村に行ったらそれとなく聞いてみよう。


気がつけば満足したらしい二人はご馳走さまの言葉でグランは姿を消し、フェニーは小鳥に戻り昼寝を始める。


自由気ままなその様子を見つつ、自分も残りのフレンチトーストを片付けるとタケノコと格闘する事にするのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る