タケノコ祭り
さて。やりますか。
目の前にはタケノコ、タケノコ、タケノコ。一人では食べ切れない量だ。
穂先メンマ、和え物、煮物、天ぷら、メインのタケノコご飯用に切り分けていく。
そして今回のメニューもお取り寄せ調味料大活躍だ。ゴマ油にガラスープの素、出汁、醤油、ラー油。そして、一番大事なお米。
片っ端から作って行く。穂先を食べやすいようにスライスしたらゴマ油で炒めてしんなりしたら鶏ガラスープ、砂糖、醤油を入れて煮含める。
程よく煮詰まったら好みでラー油を垂らしてさらに煮詰め、水気がなくなったら出来上がり。
くぅ~ビールが欲しい!流石に缶ビールはムリ!この世界にも似たような物があるだろう、きっと。コレも探し物リストに入れよう、そうしよう。
この調子で煮物も作ってしまう。薄く味が滲みたところで一部をおかか和えに。残りはしっかり濃い味にして一度冷ましたら出来上がりだ。
天ぷらは食べる直前でいいだろう。その前にタケノコご飯だ!油揚げを細かく刻み、お米を入れた土鍋に投入、出汁に醤油、酒を入れて軽くかき混ぜる。さらにタケノコを入れていざ、炊飯!
初めてチョロチョロ、中パッパ、赤子が泣いても蓋取るな。なんて言葉もあるけれど。土鍋で炊くご飯は美味しいんだよね。
今回も美味しく炊き上がりますように。
土鍋の様子を見つつ天ぷらを揚げる。小麦粉まぶして衣を付けて油に投入。衣がサクッとしたら揚げ終わり。ついでに裏に生えて来ていた大葉も天ぷらにした。美味しいんだよね。手際よく天ぷらを揚げおわる頃にタケノコご飯もいい感じに炊き上がる。
あぁ、楽しみ。
蒸らしも終わり土鍋の蓋を取れば出汁のいい匂いがふわりと漂う。ご飯もふっくら、タケノコも美味しそうだ。
ご飯を混ぜれば所々におこげも出来ていて思わずニンマリしてしまう。こちらの世界のお米も見つけたいと切実に思う。
そうしたらおにぎりを持ち歩ける。あぁ、海苔も欲しいね。今の所、海産物系、特に海藻?は見かけないけどあるんだろうか?まぁ、おいおい探しましょうかね。
そんな事を考えながら炊きたてのご飯をパクリと摘み食い。うん、我ながらいい出来。あぁ、味噌汁を準備しなかったのが悔やまれる。漬け物もあったらもっとよかったね…浅漬けでも作ればよかった。失敗した。
若干の残念感は残るもののタケノコ料理自体はなかなか良く出来たと思う。
さて、食べようかという頃合いにフェニーはもちろんのことグランと今回はマリンとシルフィーネも顔を覗かせた。
ってか、女の子二人、めっちゃ可愛いんですけど!アクアは薄氷色、シルフィーネは若芽色のふんわりしたワンピース姿。もともと精霊は美しい姿で描かれる事がほとんどだけど、納得!眼福です、萌えをありがとうございます。
今日は勢揃いで賑やかに食卓を囲む事になった。タケノコご飯が結構人気だった。おかか和えも良く売れた。おかかが珍しかったみたい。
天ぷらもメンマも口に合ったようでみんな良く食べてくれた。
「そういえば最近覚えのない何かの気配を感じるの。」
シルフィーネがそう言うと他の3人も自分達の知らない気配を感じると頷く。
「それって危ないのかな?」
「悪意は感じないけど用心したほうがいいと思う。」
悪意がないのがせめてもの救いかな?この森で見かけると言ったらウサギっぽいのとか、ちょーっと大きめのカエルとか。後は鳥、どちらにしてもあまり大きくない生き物ばかり。
精霊の気配は結構するけどね。
まぁ、注意するに越した事ないよね。
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