梅に梅だ梅嬉し?

家に戻ったら早速鑑定だ。どれどれ、とテーブルに並べながら鑑定していく。


おまけでくれたのはやっぱり梅の実、他はトマトに、ナス、キュウリ、などなど、名前はそのままなのかな?びっくりですね。


フェニーは梅の実が気になるらしく、酸っぱいし苦いだろうからよした方がいいよ、と言ったもののどうしても、という事で一つ差し上げた。


…案の定酸っぱさと苦味で悶えていましたよ。小鳥の悶える姿、可愛いと思うのは不謹慎でしょうか。そうですか。


梅の実はよく熟れているので半分はジャムに、残りはシロップにする事にしますかね。シロップに必要な氷砂糖はまぁ、秘密のお取り寄せって事で。


今日の買い物でこちらのパンを買うこともできた。元の世界の全粒粉パンみたいな感じで結構好みではあるけど、やっぱり食パンみたいな柔らかいパンも欲しい。探せばあるかな?無ければ自分で作ればいいか。


早速梅シロップを仕込む。洗って、ヘタを取って下ごしらえした梅と氷砂糖を交互に消毒した瓶に詰めて終了。後は日に何度かゆすりながらシロップが上がってくるのを待つだけ。1~2週間位で飲めるようになるかな。


続けてジャムに取り掛かる。洗って、一度茹でて苦味が薄れているのを確認できたら皮と種を取り出して。実と同量の砂糖と水適量。焦がさない様にトロミがつくまで煮詰めて出来上がり。


明日の朝食はパンに梅ジャムだな。


一仕事終えてホッと一休み。日本茶を入れ、村で買ってきたクッキーをかじる。視線を感じてそちらを見ればフェニーがこっちを見ている。ってかクッキー見てますね。


「人型取ったら食べれるんじゃない?」


と言えば、成る程、と人型を取り向かいに座り温かいお茶をすすりながらクッキーを頬張っている。


見た目は10才前後の少年なんだけどなんとなく年寄り…いや、落ち着いた雰囲気でゴサイマス。


そしてコレを切っ掛けにフェニーは興味のある食事の時は人型を取って一緒に食べるようになった。後々賑やかな食卓になるんだけど、この時は想像してなかったっけ。

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