やっぱり『食』は大事だよね?

キッチンの台に並べた食材達を眺めつつ。何を作るか考える。


今回の目玉はこのキノコだろうか。鑑定の結果「マジックマッシュルーム」と出てびびったけれど(全体が鮮やかな紫だしね!)食用と表示されたし、幻覚見るからとかではなく、保存法や調理法で食感や味が同じキノコと思えないくらい変化するのが由来らしい。あ、生食は不可って出てたけどね。


今回はこの形はマッシュルーム、色は毒々しい紫のキノコをメインにクリームパスタだ!


そうと決まれば材料の準備。主役のキノコに、タマネギ、ベーコン、あ、バターもあるといいね。マジックマッシュルームは適当な厚みでスライス。中まで鮮やかな紫色だ。コレって色移りするんだろうか。ナスみたいに。まぁ、やってみれば分かるか。


お湯を沸かしパスタを茹でている間に他の食材もサクサクカット。フライパンでカットした材料を炒める。程よく火が通ったところで味を調えて生クリーム投入!クリームがふつふつと煮えてきたら茹でたパスタを投入して良く混ぜれば完成。


出来上がった物を早速お皿に盛り付け、早速実食。クリームは白いままでキノコの色落ちは無かった。むしろキノコに熱が加わりますます紫色が濃くなって、なんとも言えないビジュアルに様変わりしたわけで。


「いただきます。」


白い海にどぎつい紫が浮いてる見た目に若干の抵抗感は否めないが出来上がったパスタをパクリと一口。あらやだ、良いお味。キノコもサクサクとしたいい歯応えだし。初めての異世界料理としては十分合格点でしょう。


「よし。明日も食材の現地調達がんばろ。」


そんな事を思いつつ、食後にティーポットにカットしたバナン、ラズベリー、ブルーベリー、今日見つけた果物をたっぷり入れてそこに熱々の紅茶を注いだらフルーツティーの出来上がり。


食後に贅沢だわぁ、と独言る。


パスタの時は何も言わなかったけど、フルーツティーは気になるらしく『我も、我も』とフェニーがおねだりしてきた。


羽をパタパタさせて可愛い。


心の中で萌えつつ小さめのミルクピッチャーに注いであげた。フェニーは器用にフチに留まり飲み始める。それを見てから自分もカップに口をつけ一口。


あぁ、フルーティーでほのかな甘味、とても美味しい。


「さて。」


今日の成果を確認してみようか。ステータスを開くと少し変化した様だ。


名前 アリヤ・ノワール

種族 異邦人

年齢 18

職業 開拓者

スキル 鑑定初級

    アイテムボックス∞

    自動翻訳∞

    料理初級

称号 愛し子

   精霊の加護 火


なんか増えてますね。精霊の加護は何となく分かる。フェニーが一緒にいる時点で想像が。それよりも料理初級って。スキルとして存在しているなんて。しかも初級とは。


あんまり深く考えるのはやめよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る