第14話
「おい、本当なのか?証人っていっても、同じパーティーの仲間だろう?いくらだって口裏合わせができるじゃないか」
人垣の中にいた老人が声をあげました。
「なんだよ、俺が嘘をついているとでもいうのか?だったら、ほら、飲んでみろよ、サービスでじーさんにやるよ」
男が、ジョーンさんから何本か買ったポーションの一つを、声を上げた老人に押し付けました。
老人が体をこわばらせます。
「はっ、怖いよなぁ。いいさ、見てろよ」
男が老人に背を向け、ネズミのような生き物を腰にぶら下げた袋から取り出しました。
「どうせ本当かどうか押し問答になると思って捕まえてきたんだよ」
ポーションの瓶を開けて、ネズミの口に当てると、ネズミがちょろちょろと舌を出してポーションをなめました。
そのとたん、ピーンとネズミは体を伸ばして固まったようになります。そしてすぐに、猛烈に暴れ出しました。
「ほら、これでも嘘だというのか?」
男が地面に落としたネズミは、立っていることもできずに、ふらふらと体をあっちに向けこっちに向け、ぐるぐると回ったかと思うと、ゴロゴロと転がるなど、異常な行動をしています。
そんなバカな……。
ジョーンさんが青ざめています。
「た、確かに、ポーションのはずなのに……」
「まだ疑うのかよ、俺が毒を入れたとでも?だったら、お前が持ってる他のポーションで試してみればいいだろう?そうすればはっきりするさ」
自信満々の男の様子に、男が嘘をついていると思う者はもう誰もいません。。
だとすれば、ジョーンさんがポーションと間違えて毒を売ったことになります。
「さぁ、金貨11枚払うか、それとも警邏に突き出されるか。毒をポーションと偽って売ったとなれば、奴隷落ちは間違いないだろうな」
金貨11枚といえば、一千万円以上です……。
そんなお金をポンと出せるならば、隣町にポーションを売りに行くことなどせずにカバノの町の中でゆっくり商売していればいいでしょう。……ジョーンさんに支払える額だとはとても思えません。
ど、どうしたらいいのでしょう。
もう一度、男の手にあるポーションを鑑定します。
もしかしたら、別のところで買ったポーションと間違えている可能性だってあります。瓶はどれも同じなんですから。
「【鑑定】」
【鑑定結果
ポーション(マイク印)
続きはWEBで】
ああ、間違いないです。マイク印とあります。ジョーンさんが箱に入れて運んでいたポーションです。
検索窓に、ポーション、マイク、カバノ、毒と入れて検索をかけます。
検索結果は4件。
結果が0件じゃないってことは……過去にも毒騒ぎがあったってことでしょうか?
さーっと背中が寒くなります。
急いで結果の一つを見ます。
研究報告書のレポートみたいな画面になりました。
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