第2話


あれから数分歩きヘムニスの街についた

大きな街並みが広がりまさに異世界という雰囲気であり

屋台がならび

自分が住んでる街とは違って

メリルみたいな服装をしている人や、甲冑を着ている人などたくさんの人々で溢れかえっている

「まずはギルド協会に行ってみたらどうですか?なつなさんがどういうお方かわかりませんがきっと導いてくれると思います」








メリルはギルド協会に案内してくれるようで

なつなは自分の世界に帰る方法もわからないので

頼れるのはメリルしかいないのでメリルについていくことにした

「ここがギルド協会です」


大きな扉をメリルが開くと

お酒を飲みながら盛り上がっている冒険者や

いかにも魔女っ子みたいな見た目をしている女性や

剣を持った男性など様々な人々が居て

みんな楽しそうに盛りがっていて

掲示板には紙が貼られている

「ギルド協会へようこそ!クエストですか?依頼ですか?」


受付係の女性がメリルとなつなに尋ねる

「あの、この人が倒れていたんですが、なにか行方不明者の捜索願いとか出されてませんか?」


メリルが状況と名前を説明して

案内係の女性が行方不明者リストを出し

なつなの顔を見ながら

「んー、名前も見ましたが捜索願いは出されてないですね

冒険者の方でしたら冒険者カードはお持ちですか?」


冒険者カードとはなにか?

まずそこからだったなつなは

頭の中がクエッションマークでいっぱいだった

「その様子じゃ、冒険者カードも持ってないみたいですね…

失礼ですが、なつなさんはどこから来たんですか?」


案内係の女性が尋ねると

やっと本題に入れそうなので

なつなは自分に起きたことを話した

「なるほど…起きたら急によくわからない世界に居て、困り果てたところを助けてもらったと…」


案内係の女性は頭を抱えながらなつなの話を聞いた

それはそうだ

現実にはない話なのだから

「冒険者の方々に話を聞いたりしてますが

なつなさんのようなケースは初めてなので

まだ何もわからないですね」


案内係の女性は丁寧な口調で説明した

「そうですよね…」


落ち込む様子のなつなに案内係の女性が提案をした

「もし良かったら冒険者カードを新規発行しませんか?

冒険者としてクエストを受けつつ

なにか情報が入ったらなつなさんに連絡しますよ?」


ありがたい話だ、これからどうすればいいのかわからなかった

「ところで冒険者カードってなんですか??」


なつなはずっと気になっていたことを尋ねた

「冒険者カードは身分証みたいなものです

ギルド協会から発行していまして

ジョブと言うものがありまして

剣士、魔術師、法術師、格闘家、盗賊の中からその人にあったジョブを選ぶんです

そしたら魔術師だったら魔法が使えたりとかするんですよ

それでクエストや、依頼を受けていただき

報酬を得るんです」


案内係の女性が丁寧な説明をしてくれた

「どうやって選ぶんですか?」


なつなは異世界らしいなぁと思い

自分に合ってるジョブはなんだろうなぁと期待した

「この石に触れてください

合ってるジョブを教えてくれますよ」


なつなは言われた通りに案内係の女性が出した石に触れた瞬間



魔術師の文字が表示される

なつなは魔法に憧れていたので喜んだが

案内係の女性が首を傾げている

「どうしたんですか?魔術師ですよね?」


案内係の女性の様子になつなが尋ねると

「魔術師なんですけど…

ステータスがおかしいんですよね…」


なつなは首を傾げた

「ステータスってなんですか?」


案内係の女性がゆっくりと説明し始める

「魔物や、クエストをクリアすると経験値が貯まってレベルがあがると

新しい魔法を覚えたり、新しいスキルを覚えたり、技を強化したり、術を強化したりするのが

ステータスです

なつなさんの場合…初期魔法以外覚えられないんです」





なつなは意味がわからなかった

何故初期魔法以外覚えられないのか

「なんで初期魔法以外覚えられないんですか?」


「なつなさんのステータスにレベルアップによる魔法を覚えるスキルアップシステムがないんです

通常はレベルアップすると、ステータスのスキルがアップして、それから新しい魔法を覚えるんですが…なつなさんにはそれがないんです」

案内係の女性がゆっくりと説明をしてくれているがなつなはよくわからない状態だった


「石がおかしいのではないでしょうか?」

メリルは目の前で燃え尽きてるなつなのために

石の不備はないか確認をしたが

何度試しても初期魔法以外覚えられないのだ


「こんなことないんですが…どうしますか?」

案内係の女性はいままでにない例外にびっくりしながらもなつなに尋ねた


「どうもこうも…」

なつなは悩んだ

自分は初期魔法しか使えない、だけど元の世界に戻ることもできない

メリルに頼りきりになるわけにもいかないからだ

悩んだ末に、なつなは冒険者になることにした

「作ってください、お願いします」


案内係の女性はびっくりしたが、なつなにはそれ以外の選択はなかったのだ

「わかりました冒険者カードを発行しますね!!

新ためて冒険の世界へようこそ!!」


案内係の女性からなつなの顔写真とステータスが表示された冒険者カードを受け取った



「そういえばメリルさんも冒険者カードを持っているんですか?」

ギルド協会に入ってからのメリルの様子が少しおかしかった

ずっと黙ってなつなの隣に立って、何やら顔を見られたくないのか俯いたり

顔を逸らしたりして、なつなの名前を教えて

自分は名乗っていなかった


「メリル…!?!!」

案内係の女性が身を乗り出し、居酒屋が騒ぎ始めた


「あ、あんまり私の名前を…」

メリルが言った時にはもうすでに遅かった

メリルの周りには人だかりが出来ていた


果たしてメリルの正体とは



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