第四話 破滅への序曲

ボリシェ・コミン主義連合共和国

首都・クワモス

前帝政時代の皇族が使用していた宮殿改め、国家総帥官邸では、ジュガーリンが国内情勢についてまとめられた報告書を怒りに任せて破っていた。

彼の側にいたヤーベリは恐る恐る次の報告書を彼に手渡した。


「ヤーベリ君。反乱勢力はジュコーフだけでなく、前帝政派もいるそうじゃないか」


「はっ!帝政派の奴らは極東の工業地帯である『トフロス』や共和国五大穀倉地帯の一つ、『ムルモンスク』を支配下に置いており、極東艦隊の殆どを掌握しているようです。

また、ジュコーフ地上軍大佐は自由革命軍を自称し、『ゴルバ・グラード』や『ハブロスク』を拠点に周辺の部隊に協力を呼びかけているようです」


ジュコーフに加えて、帝政派の人間達もクーデターを起こしたとあってはたまらない状況である。

しかも、帝政派の連中がいるということはジュガーリン達共和国社会党にとってジュコーフより厄介な存在であった。

さて、ここから時系列を遡ることになる。

四十年前に起きた革命の際、社会党は皇帝を始めとする貴族達を処刑していたが、比較的に善政を行なっていた貴族や皇族などは国外追放のみで済ましていた。

だが、それが仇となってか革命前後から未だに皇族や貴族に対する忠誠心が高い一部の国民達が突然姿を現した皇帝の次男を担ぎ上げたうえに、共和国が保有する陸海空軍の約三割も掌握し、首都に迫りつつあった。

さらに厄介なことに、ジュコーフが率いる共和国自由革命軍と元皇帝の次男が率いるルシア臨時政府軍が不可侵条約とは名ばかりの同盟を締結し、政府に対して包囲網を形成しつつあることだった。

ジュガーリンとヤーベリとしては、三つ巴の戦いに持ち込んで弱った方を鎮圧するという戦略を取り、クワモス郊外にある共和国最大の工業地帯と農業地帯を頼りに徹底抗戦を取るつもりであった。

そうすれば、軍や自分達を支持する国民を飢えさせる確率はかなり低く、指揮統制を強めることもできるのである。だが、包囲される形となった現在。どう考えても『敗北』の二文字しか浮かんでこなかった。


「ヤーベリ君、ひとまずニホンとイタリ・ローマ王国に休戦を呼びかけるのだ」


「はっ!承知致しました」


ヤーベリは急いで部屋を出ようとしたが、自身が部屋の扉を開ける前に共和国空軍の元帥が駆け込んできた。


「た、大変です……総帥閣下。ニホンのものと思しき航空機による爆撃で郊外の工業地帯が半壊しました。人的被害は無かったのですが、復興までに約半年は掛かるかと思われ……」


「ば、馬鹿なっ!我々の首都から奴らが拠点を構えるイタリ・ローマ王国の飛行場から飛び立って来たとでも言いたいのかねっ?」


「そ、それが機体の補足すら出来ず、敵が飛行している高度は少なくとも……一万メートルいや、それ以上あるかと。また、王国方面爆撃隊も戦果をあげることなく壊滅したそうです」


ジュガーリンも最初は何かの冷やかしだと思っていた。

だが、普段から信頼できる軍の元帥の言うことだから紛れもない事実であることが理解できてしまった。

かつてボリシェ・コミン主義連合共和国は、帝国政府の腐敗に抗った後に建国された。

しかし、今となっては腐敗に対して不満が爆発した軍人や民衆、皇族や貴族の生き残り達による武装蜂起により最後の国家総帥、ジュガーリン達を含めた共和国政府は風前の灯火であった。

人は過ちを繰り返すとは、よく言うものの。この異世界において初めてそれを体現してしまい、共和国は皮肉な最期を迎えつつあったのだ。



一方、タゴルの町ではジュコーフに代わって国防軍や王国軍との交渉に訪れたチェパロア中尉は敵地に赴いたにも関わらず、安心とカルチャーショックが入り混じった気分になっていた。

自身の護衛と共にタゴル峠に着いた際、峠の麓で警戒に当たっていた二ホン軍と王国軍の警戒部隊に拘束されるかと思っていたが、彼らは親切に自らの拠点に案内してくれたのだった。

さらに、これだけでなく。投降した同胞たちに栄養価の高い食事をふるまわれていたり、手厚く怪我の治療が施され、好待遇を受けているというものであった。


「これが異世界から来た国の軍隊か・・・」


「中尉、二ホンという国だけでなく王国もこのような待遇を行っていますよ」


チェパロアが王国軍に介護されている同胞のほうを見ると、やはり同じように好待遇を受けているのであった。彼としては同胞が好待遇を受けているのは嬉しいものの、同時にどうなっているんだと言いたいほどであった。

すると、チェパロアたちがいる部屋のドアが開き、服装や雰囲気からして二ホンの将官と思われる男と王国の近衛部隊の士官と思われる男が二人ほど入って来ると同時に二ホンの将官がチェパロアに声をかけたのであった。


「初めましてチェパロア中尉殿、話は伺いました。私は日本皇国国防陸軍大将、『今村 季一郎』と申します。私の隣におられますのは、近衛第五軍情報科指揮官の『アレッシオ・ロンドーニ』少佐であります。さて、ロンドーニ少佐。中尉にあの話を」


「実は、東方にある『大敷洲帝国だいしきしまていこく』の支援を受けたアレクノフ朝の嫡子殿が穀倉地帯のムルモンスクなどを拠点に民衆や軍の支持を受けて蜂起したそうです。

また、敷洲帝国も民衆解放の義を重んじる形で共和国に宣戦布告いたしました。

率直に申し上げますと、我が国や二ホン、貴国のジュコーフ閣下。そして、嫡子たる『バグラテオン』皇太子殿下は今や圧政に苦しめられている人々の開放を望む同志というわけですから。共に戦いましょう」


ロンドーニは、チェパロアに知っている情勢や状況をテキパキと話した後に、フレンドリーな素振りを見せた。一連の流れを理解した彼も素直に手を差し出し、ロンドーニや今村と握手を交わしたのであった。

こうして、昨日の敵は今日の友といえる状況に持ち込んだことでこの戦争は一気にジュガーリン達政府軍不利に転がり込むのであった。



大敷洲帝国

帝都 西京せいきょう

大敷洲帝国は、ボリシェ・コミン主義連合共和国の極東部に位置する島国であり、共和国がある『ヨーラシア大陸』や『南大洋』には複数外地が存在している。

また、外地の『奉州』と『朝麗半島』や『泰湾』、『サウス諸島』などに住まう先住民族の自治権が現代におけるアメリカ合衆国の各州の権限のように大幅に高かかった。

そのため敷洲帝国軍の外地部隊には内地民はもちろん、心からこの帝国に忠誠を誓った外地住民や先住民族も多く志願していた。

この帝国に住まう国民の生活水準は比較的に安定しており、社会保障制度なども存在し、現代日本のものとほぼ同じである。こちらと違う点は、内外人平等ではなく敷洲国籍を有する者または、帰化した者のみが適用される。

政治体制においては、立憲君主制を取り入れているが、この帝国の君主たる歴代の皇帝達や現在の皇帝は民衆をはじめとして外地民の意見を積極的に聞き入れ、これをヒントに国政を運営する摂政たちのおかげもあってか体制に反対する者は殆ど居なかった。

軍事面においては、海軍力がこの世界一であり、古くなった艦船であっても時代に適応しそうなものは近代化改修を怠らないほどであった。

陸軍に関しては、島国のため戦車の開発が先送りになる時もあったりするが、歩兵部隊は自動車化されつつあり、他国に負けず劣らずである。

空軍面に至っては、空中戦艦を多数保有しており。戦闘機すら寄せ付けない武装を施し、最新鋭の要塞ですら木端微塵にできる力を持っており、戦闘機や攻撃機、爆撃機などの性能もこの世界の基本水準より少し上といった具合である。

さて、そんな国の君主たる皇帝『義仁よしひと』と彼を支える摂政『大嵩 喜代是おおたか きよこれ』は今日も帝国の未来のために政に勤しんだ疲れを癒すついでに宮廷の中を歩き回っていた。


「さて、我々と同じ言語を話す仲間との接触はどうだね?大嵩摂政よ。余は彼の国との邂逅が楽しみであるぞ」


「そうですな。西機関の情報によると、二ホンという国は我々と同じように平仮名やカタカナ、漢字そして同じ言語を使用しているため、向こうの書物は大変読みやすかったそうです」


「では、二ホンは我が国と生き別れた兄弟みたいなものだな。二ホンの文化や歴史など、余の二ホンに対する関心が高まるばかりであるぞっ!」


「ははっ、皇帝陛下はいつも私が言おうとしていたことを先に言われますなぁ。私もまだまだでございます」


二人は談笑しながら宮廷をあっという間に一周していた。

二人はそれぞれの務めを思い出すと、互いが友人のように手を振り合いながら別れていった。

皇帝は間もなくして玉座の間に着くと、玉座に腰掛けながらこう言うのであった。


「余は、病弱で結局何にもしないまま。日本から輪廻転生し、新たな生を受けて今ここにいるわけだが。前世のように、国民の皆の迷惑にならないように皇帝の座にいられることほど幸せなことはないなぁ。そして、国民がいきいきとしていられることもまた余の幸せの一つである」


彼は宮廷の窓から、活気があふれる帝都の街を見つめながら自身の務めに戻るのであった。



ルシア臨時政府軍拠点・ムルモンスク内大敷洲帝国陸軍宿営地

ムルモンスクは、ボリシェ・コミン主義連合共和国の五大穀倉地帯の一つであり。インフラも発達しており。ここから西部に位置する首都のクワモスから中間の位置にある工業地帯のトフロスまでは鉄道網が発達しており。

その沿線では、都市開発が盛んに行われていたが。トフロスから離れるにつれてまだまだ人類未踏の地と言わんばかりに道が少し整備されているくらいであり。

環境もそれほど悪くなく緑豊かな草原が広がっているのだ。さて、気が遠くなるほどの距離をルシア臨時政府軍と大敷州帝国陸軍は鉄道網や整備された道路を利用して首都へと進撃しようとしていた。

さて、そんな最中。大敷州帝国陸軍皇族機甲軍団の宿営地では、高貴な女性とその側近と思われる中性的な顔立ちの男性が地図や山積みされた資料を手に取りあいながら作戦会議を進めていた。


「西機関からの情報によると、バグラテオン皇太子様の決起に賛同したジュコーフ将軍をはじめとする将官や市民軍そしてその協力に応じることになった我が敷洲族の生き別れの兄弟ともいえる二ホン軍や盟邦、イタリ・ローマ王国軍の大規模攻勢計画が王国の情報科によって先程通達されたみたいだけど……みっくんはどう考える?」


「愛里寿殿下。私的には列車砲と空中艦隊が連携しての両面封鎖が心配です。何せこの国の首都近郊だけでも膨大な数の弾薬や兵器、それを上回る食料が永久使用可能といっても過言じゃないくらい保管されていますから。ゲリラ戦に持ち込まれると厄介です。愛里寿殿下が率いておられます皇族機甲軍団でも突破は難しく感じます。でもご安心ください。いざとなれば不肖、島田美保が殿下の御盾となる所存であります」


大敷洲帝国皇族機甲軍団の団長であると同時に唯一の皇女である『西住愛里寿にしずみありす』大佐に対して跪くこの青年は、代々皇族の一つである西住家に仕えて来た近衛騎士団(現在は完全に機械化及び装甲化されたため。近衛機甲団の一つになっている)の島田家の当代にあたる『島田美保しまだみほ』大尉である。


「それだけはだめっ!!みっくんは確かに強くて軍人として戦車兵としての気質は素晴らしいけど。まだ死に急ぐ年じゃないでしょ。私と同じ日に生まれて同じ学び舎の下で育ってきた仲なんだから……早とちりだけは止めて」


「申し訳ございません。殿下」


しかし、対する愛里寿はどこか悲しそうな顔で彼の両手を握ってこれまでの二人の歩みを口にする。彼と彼女は共に齢二十の新成人であり。ついこの間まで共に新兵器を主に扱う訓練学校を好成績で卒業したばかりの士官の卵であった。

美保に至っては、精神年齢が愛里寿より高いのか自身の心の内に秘めている彼女に対する忠誠心と想いを告げたことでかえって愛里寿を心配させてことを素直に詫びる。


「……そうだ。最善の策を取るために皆を集めてくれるかな?みっくん」


「畏まりました。愛里寿皇女殿下様」


「うん。ありがとうね(皆は勿論、みっくんだけは絶対に死なせたくない)」


愛里寿は、自身の為ならば悪魔にさえ魂を売りかねない美保の身を案じたのか。他の士官たちの招集を彼に頼むと。

忠誠心の塊ともいえる彼は、最敬礼を行うと足早にその場から立ち去り。士官の招集に向かったのだった。


「……どうか大好きなみっくんを守って」


しばらく戻ってこないだろと思った愛里寿は、美保が自身の代わりに先陣をきっている際に使っている愛車……三八式中戦車(外見は史実における一式中戦車・チヘそのもの)の前まで行くと。左履帯に片手を置いて彼に対する思いを口にするのであった。




イタリ・ローマ王国領空

深夜のイタリ・ローマ王国の町を火の海にしようと、ボリシェ・コミン主義連合共和国航空軍から一隻いや一機と言っていいのやら分からない悪魔……空中艦の一つであるガーゴイル級空中戦艦が放たれて殺意を乗せて漆黒の夜空を切り裂くように進行している。

この世界において航空母艦が生まれなかった要因の一つともいえるこの空中艦は、最高高度で高度八〇〇〇メートルで航行することが可能であり。諸外国によっては一万メートルに達するであろうものまで開発されていたりする。

また、肝心の防御は艦体の下部と左右に備え付けられた機関砲類である。主な目的である爆撃のための爆弾層にはB29の約二倍の量の爆弾を搭載することが可能である。

あたかも無抵抗な者達の悲鳴をオーケストラでも聞くかのような感覚で設計されたといえよう。

さて、この空中艦の艦長であるオボレンスキーは葉巻をもう何十本吸ったことやら。かなりの量の吸い殻が灰皿に蓄積している。


「総帥閣下の鮫ことマカロフ中将の為にも一矢報いてやらねば……メスガキ女王の信者共。血の夜にしてやるから楽しみにしていろ」


マカロフの悪友の一人ともいえるこの男もまた。自身が空中艦の堅固な装甲に守られているのを良いことにふんぞり返ってる者の一人だった。

だが、この男の油断も身をもって思い知らされることになるのだった。




同じ頃。日本皇国国防軍在イタリ・ローマ王国国防空軍第三航空隊所属の83式戦闘機・迅鷹(外見は史実におけるF-18ホーネットそのもの)に搭乗する空軍少尉、『諸星進もろぼしすすむ』は目の前の目標である空中艦に獲物を見つけた鷲の如く食らいつこうとしていた。


「こちら岩本。諸星、目の前のラ〇ュタもどきを一気に畳みかけるぞ。こっちはジェットエンジンとはいえ。油断すれば蜂の巣だ。さあ、機関部に向けてありったけの誘導弾をぶちかましてやれっ!!」


「了解、フォックスツー全弾発射……全弾命中!!」


諸星は先輩に当たる『岩本直いわもとなおし』中佐の指示と諸星をはじめ。他の戦闘機は共にガーゴイル級空中戦艦の機関部に向けてありったけの誘導弾を発射する。

それに対抗して敵空中戦艦も機関砲類で迎撃しようとしたものの、一発も誘導弾に当たることなくそのまま機関部に命中してしまい、動力を失ったためそのまま丘陵が広がるコリーナ平野に真っ逆さまに落下することになる。


「このまま墜落してお釈迦だろうな。肉眼で視認できるが、パラシュート開いて脱出した奴らが多くいるな。このまま降りて行った連中は陸軍に任せて引き上げるぞ」


「了解。これより中佐機に続きます」


こうして岩本機を先頭に他の十一機は旋回してV字隊形を組み直すともとの航空基地に戻るのであった。




さて、パラシュート降下で脱出して逃げ延びることに成功した空中戦艦の搭乗員達はオボレンスキーを除いてほとんど全員捕虜になったのである。

何人かは抵抗して銃や持っている刃物を皇国陸軍兵たちに向けたものの。即射殺となるか数の差もあってか、日本側は軽いけが人だけで済んだ。


「はぁはぁ。ここまで逃げれば一安心だ……くそっ。我が愛しのガーゴイル級が……よりによってこんなところで」


彼は先程まで自身が搭乗し、指揮していたガーゴイル級空中戦艦が紅蓮の炎に抱かれ。

煌々と燃えがる姿に苛立ちを覚えながらありったけ持ち出した銃弾と拳銃、軍刀を頼りに森の中を走っていると、一人の迷彩服を身を包んだ。黒髪の長めのショートヘアの女兵士にばったりと鉢合わせた。


「っ?!女兵士か……いい体つきだな。おいっ!大人しくしろ!」


「……」


対する女兵士も沈黙したまま拳銃を構え。両者睨み合っている。この時、オボレンスキーは女だからという理由で油断していた。


「そうだ。そのまま大人しくして服を脱いで俺の元へこい……」


女兵士は銃を捨て。胸のチャックに手を掛ける。彼の脳内は完全に貪欲に塗れていた。女を食って機嫌でも直そうと考えていたのか。

女の方へ手を伸ばそうとした瞬間。オボレンスキーに車に跳ね飛ばされた時と同じ感触が走ると同時に両脚に激痛が走り。空中を一回転した後に地面に落下する。


「マアマァァァァ。いでえええよおおお」


「黙れ軍人のクズがっ!」


「ぐぎゃあっ!!こんなガキごときにっ!!」


オボレンスキーが状況を理解すると、茶髪の少年が小型のワイバーンにまたがって小銃を自身に突き付けているという光景が目の前に飛び込む。

痛さのあまり絶叫していると少年がワイバーンから飛び降りると小柄な身体つきにも関わらず小銃を軽々と持ってその銃床でオボレンスキーの顔面をフルスイングしたと同時に可愛らしい声で罵倒する。


「居たぞっ!!敵司令官と思われる男を発見っ!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ。離せぇ!」


こうしてオボレンスキーは腫れあがった顔面の痛みも合わさってか。幼児退行とも取れる言動で喚きながらも他の陸軍隊員に拘束され。

自動車に放り込まれるようにして押し込まれると、取調室送りになったのだった。


「良かった~シオリさんにもしもの事があったら僕……」


「カールーロ♪」


「へ?むぐぅっ?!」


「かっこよかったわよ!ご褒美のちゅーはどう?」


「もう!!子ども扱いしないだくださいっ!!」


ワイバーンに乗った少年……『カルロ・バローネ(十五歳・王国軍近衛竜騎兵隊曹長)』は皇国国防軍国防陸軍中尉『相馬志桜里そうましおり』に抱きしめられ。

小柄な彼は肉付きの良い彼女の胸に顔を埋められることになり。対する彼は軍人に成ってもなお。子ども扱いされることが気に食わないのか。

ジタバタしながら彼女から離れようとする。なお、このやり取りは愛竜『テンペスタ』で駐屯地に戻っても続き。

相馬は周囲から『乳デカショタコン娘』と言われようが言われまいが気にする様子はなかったようだ。

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