學而09~11 溫・良・恭・儉・讓を以て之を得る
9
曾子曰:「愼終追遠,民德歸厚矣。」
「服喪に際し、よく亡き父母を想う。
士大夫がその振る舞いをすれば、
人々の心の徳は厚くなるのだろう」
うん、理想論、ですねっ☆ まぁただ、「どのような世界が求められるか」は指導するものが常に振る舞いとして示さなきゃいけないものではありますよね。なぁなぁな振る舞いをすれば「ああ、適当でいいんだ」って思われるし、あるいはどう振る舞っていいかわからずに、迷う。
この条の内容そのものは後々「葬儀の時に無駄に悲しめ」って言うクソッタレた方向に広がってきやがったところはあると思うんだけど、上に立つ者、導く者が示すべきものをきっちり示さねばならない、って風にすれば首肯できる。正直、母親はともかく父親の死なんて悲しめる気しないですもの。まぁそれは自分の話。
10
子禽問於子貢曰:「夫子至於是邦也,必聞其政,求之與?抑與之與?」子貢曰:「夫子溫、良、恭、儉、讓以得之。夫子之求之也,其諸異乎人之求之與?」
「先生がお国に訪問されると、
必ず政治に参与なさいます。
これは先生から
お持ち掛けになるのでしょうか?
あるいは、持ち掛けられるのでしょうか?」
端木賜は答える。
「先生は穏やかにして善良、
恭しく、慎ましくあられる。
かつ、へりくだった姿勢を保たれる。
そうしているうちに、
相談が向こうからやってくるのだ。
先生は政治に参与なさろうとされる。
が、その関わろうとされる姿勢は、
どうも我々とは違うようだ」
子貢(端木賜)は孔子の門弟の中でもトップクラスの人間で、特に弁舌に優れていたという。確かにこの、もってまわったしゃべり方ときたら、こう……イラッと、させられます、ねっ☆ ともあれ、確かな学識、見識を持った人が、しかしひたすらに善良そうである。だからこそ国主らは頼ろうと近寄ってくるのだ、という感じになるだろうか。善良そうな振る舞いは確かに人に安心感と信頼感を与える。それにしても子貢の野郎、ぼやかしてきますわね……さも「本当の先生はもっと激烈なんだけどね?」とでも言わんばかりである。
11
子曰:「父在觀其志,父沒觀其行。三年無改於父之道,可謂孝矣。」
「誰か、人物について判断したければ、
その人物の父親が生きている時には、
その考え方に着目しなさい。
父が亡くなったのであれば、
その行動に着目しなさい。
父が死してより、喪に服する三年間。
この期間で、その人物が
父の定めた道を違えないのであれば、
まず、孝行者と言えるだろう」
今よりずっと「家」という生活単位が重かった時代の考え方として見ないとどうしようもないですわね。この時代の人間は、第一義が「家の存続」であったとは聞いてる。その家を保つ上で最重要視されるのが家長、即ち父の判断。父の想いをどれだけ忠実に受け継ぎ、後代に残そうとするか。それは確かに大切なことではある。
今の時代の変化は昔より圧倒的にサイクルが速く、そんな悠長なことを言っていられないシーンも、当然多い。ただ、「残るべくして残ったもの」が、「なぜ残ったのか」については、やっぱり想いを残していった方がトチらないのでは、とも思う。まぁ「何が本当に大切か」なんてもんが簡単に見えるようであれば話は早いんですが!
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