第34話 準決勝 鏡谷対無式 決着

「ここからが本番だ。」

「なにを今さら。」

「行くぞ!はぁー!」

真無の能力 鎧はすべての吸収する。

無は何者にも染まらない それと同じようにすべての吸収する。

端から見ればなにも変わらない。ただ、自分 そして相手は感じている。

相手は自身の力がなくなりつつあることを自分は力が上がることを。

「纒選手 攻撃しますが、鏡谷選手には一切聞いていません。やはり強いです。」

もう少しだ。あともう少しで斬れる。

「くっ。」

「はぁ!」

「どうしたのでしょう。一方的に攻撃していたはずの鏡谷選手がいつの間にか押されている!」

会場からどよめきが起こる。

「はぁ!」

「くっ!」

そこからはこちらの舞台だった。

心霊力を吸われてろくな力も出せない鏡谷はついに倒れてしまった。

「試合終了!準決勝 勝者は予想外にも無式纒だ!」

試合は終わった。

僕はそのまま舞台を降りる。

「あっそうだ。」

僕は彼女に近づく。

「今まで忘れてたけど、今ならはっきりと思い出したよ。世界。」

大戦の少し前、正体を誤魔化し自分と同じくらいの人に心霊装の使い方を教えていた。そこで一人 熱心な生徒がいたことを思い出した。

結局途中で大戦に行ったため主席かどうかは分からなかったが。

「昔は反射だけだったのに・・・成長したね。」


「悔しい。偽物にやられるなんて。」

私は無式纒の一番弟子 こんなところで負けるなんて。

「でも、もしかしたら。」

あり得ない。あり得ないが、私の過去を知っているのなら それにあのちからは。

「天照 浄玻璃の鏡。」

浄玻璃の鏡は写し出した相手の記憶をたどり、自分を写す。

「師匠!」

「あはは。」

私は泣きそうになりながらも笑みをこぼす。これは嬉しい涙と笑みだ。

鏡に写ってたのは在りし日のわたし。

幼い日の私。

彼女は呼んだ。

師匠! と。

つまりは彼は嘘をついていない。

本当に彼は私の師匠。

これほど嬉しいことはない。

あぁー、謝りに行かないとね。

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