第20話 日神 橙花 ~心霊祭編~

「なぜ こんなところに?」

「ちょっと、そんな堅苦しい言い方はしないでください。昔のように、ほら。」

「無理ですよ。周りの目がありますから。」

もちろん周りの目がなくとも無理なのだが。

「それは皇女の命令です。聞けないの?」

「・・・わかった。なんでここに来たの?」

命令ならば仕方ない。そう命令ならね。

「纒 暴走の件が解決したっていうからっていうのが表向きの名目 本当はひさしぶりにあなたたちに会いたかったから。」

僕と赤波は昔、遊んでいた。

年が近いこともあって半分は遊び相手が欲しいという命令に従っていた。

紅葉の方は多分花蓮の関係かな。

「取りあえず最低限の依頼の解決はしておきましょう。纒 手を出して。」

「はい かしこまりました。」

僕は手を差し出す。

橙花はそのまま手を掴むと、

「おいでなさい。ウムギ。」

「はい。」

すると 彼女の袖から細長いなにかが出てきてそれが体中を這い回った。

正直気分はよくない。

現に教師たちは気持ち悪そうにしている。特に女の人には余計にきついだろう。

「終わりました。彼の体に異常がありません。解決したということで間違いないでしょう。」

「そう。ありがとう。ウムギ 休んでいてちょうだい。」

「はい。」

そしてそのまま袖に戻っていく。

「解決はしているようです。頑張りましたね。」

「はい。ありがとうございます。」

日神橙花の心霊装 ウムギは聖花白寝 白羽と似た能力を持っている。

「これで、心霊祭に出ても大丈夫でしょう。」

そしてピシッと指をたてる。

「今から皇女としての命令です。今年の心霊祭を優勝しなさい。」

えー!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る