第8話 演習開始 ~転校生編~

私は英雄 無色の暴君を殺すために作られた。

大人は言った。

「あれは人ではない。化け物だ 今のうちに手を下さないと取り返しの付かないことになる。」

そう言われながら、私達は育てられた。

厳しい訓練を行われ、私以外にいた子供たちの多くは訓練に耐えきれず死んでしまった。

そしてあの日 無色の暴君討伐依頼があった。

正直、私は彼を恨んだ。彼のせいで・・・彼さえいなければどれだけの人間が普通の生活を遅れたのだろうと。

といっても私達は孤児だったから、まともな生活は遅れなかったとも思うけど。

ただ、あの戦場を経験してからその考えは変わった。

確かに彼は化け物だ。あれで自分の同い年だと思うと恐ろしい。

同じく戦場に出ていた仲間は全員死んだ。

そして私は生き残った。それはたまたまだ。私のガブリエルの解放能力が、彼に有効だった。

ただそれだけ。

戦闘が終わり、倒れて行く私は見てしまった。

「あ あ ああああああああああ。」

倒れ行くものに泣く彼の姿を見てしまった。

化け物と言われる彼ではあるけれど、その本質は私と同じく年端もいかない子供なのだと。

・・・

あの勝負から一週間がたった。

僕たちは、学校外にある森に来ていた。

「諸君らには、ここでチームを組んで演習を行ってもらう。」

僕のチームは 僕 紅葉 赤波ともう一人男子生徒がいた。

「俺と勝負してくれ。頼む!」

そのもう一人が突然頼んできた。

「どうして?」

「今まで俺はお前を避け 侮辱してきた。ただ以前戦いを見て自分の愚かさに気づいた。だから、俺は自分で改めてお前の力を見たいと思っているんだ。頼む!」

本気で言っているのは伝わってくる。

「・・・分かったよ。」

「本気なの?」

「やる意味有る?」

二人は疑問を言ってくる。

「まぁ、なんとなく?」

僕は単純に今の自分の力を再認識するために決闘を受け入れただけだ。

「ありがとう。それじゃあ早速、来い鉄拳!」

「おうよ!」

心霊装からみて彼は拳に纏っていた。

「そういえば名前を言ってなかったな。俺は鉄側剛 いざ参る!」

「透刀纏 よろしくね。」

そして勝負が始まる。




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